リーキーガット症候群とは?

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リーキーガット症候群。聞きなれない疾患名ですが、最近この「リーキーガット症候群」が身体のさまざまな不調の原因になっていることに注目が集まっています。

今回は、「もしかしたらリーキーガット症候群かも知れない…」「よく分からない病気だけど、そのメカニズムが知りたい…」という方に向けて、リーキーガット症候群を分かりやすく解説してみましょう。

リーキーガット症候群って、何?

リーキーとは、英語で「液体などが漏れる」という意味を持つ、動詞「リーク(Leak)の形容詞。つまりリーキーガット症候群を簡単にいうと、「小腸の壁に穴があいてしまい、出てはいけない物質がどんどん漏れ出していっている状態」のことです。

小腸は、「食べたものから栄養を吸収し、身体全体を動かすためのバランスを取る」という、とても大切な役割をになっています。腸が正しく機能していれば身体は免疫力を維持できます。そしてビタミンやホルモンをバランスよく作り出し、身体全体を健康な状態にキープすることができているのです。

しかし、何らかのダメージを受け、小腸の壁に傷ができてしまうことがあります。

すると、小腸から栄養が正しく吸収されないどころか、漏れ出てはいけない食べ物の細かい粒子が血液の中に流れ出してしまい、身体にとって様々な不具合が起こってしまうのです。

リーキーガット症候群が引き起こす症状や病気

リーキーガット症候群から引き起こされる身体の不調には、いろいろなものがあります。

こんな不調に悩んでいませんか?

原因不明の熱、筋肉痛・関節痛、胸やけ、息切れ、吐き気、腹痛、抜け毛・もろい爪、お腹の張り・消化不良、不眠症、記憶力低下、集中力低下、不安感、まとまらない考え、疲労感、下痢・便秘、口臭、神経過敏、食欲低下、ニキビ、じんましん、喘息、アトピー性皮膚炎、クローン病、過敏性腸症候群…

どうでしょう。思い当たる症状はありますか?
まさか、小腸の傷が原因とは思えない症状も含まれていますね。

つまり、全身および精神に関わる様々な不調が、腸内の状態と関連しているとも言えるのです。

しかし、リーキーガットがもたらす症状には個人差があります。特に生活習慣が原因の場合は、原因はひとつではありませんし、なかなか特定しにくいのが現状です。

さらに、最近まではリーキーガット症候群を正しく診断をする検査方法がなかったため、医学的な定義や治療がされにくいという問題も。そのため、自分がリーキーガット症候群だと気が付かないまま過ごしている人もたくさんいるのです。

リーキーガット症候群は、免疫力も下げてしまう!?

私たちの腸は、身体のセキュリティシステムとしての役割も果たしています。
しかしリーキーガット症候群になってしまうことで、食べ物だけではなく、有害な毒素やホルモン・ウイルス・食品添加物、合成保存料なども腸から血中に流れ込んでしまいます。

すると、私たちの体は「異常な物質が体の中に入ってきた!」と反応し、免疫システムに大きな負担がかかるのです。

免疫システムのバランスが狂ってしまうと、様々なアレルギー疾患や自己免疫疾患といった病気が起こることもあります。つまり、生活に大きな支障をもたらす慢性病の原因は、腸にある可能性が大きいのです。

リーキーガット症候群はどのように起こるのか?

それでは、リーキーガット症候群が起きるメカニズムをもう少し詳しく見ていきましょう。

まず、人間が食べたものは胃で細かく分解されて、胃酸や消化酵素と混ぜられます。

その後、小腸に送られた食物は、さらに細かい分子に分解されていきます。たとえばお肉や魚などのタンパク質を食べたとき、そのタンパク質は分解酵素によりペプチドという細かい分子の状態を経て、アミノ酸に分解されます。そのようにして、アミノ酸まで分解されたタンパク質が、私たちの身体の栄養となっていくのです。

しかし、ここで問題が起きることがあります。

食べたタンパク質は、とても微細なアミノ酸にまで分解されてはじめて小腸の壁から吸収され、栄養として機能します。ところが、腸内環境の状態が悪くなると、小腸の壁に炎症が起き、隙間ができてしまうことがあるのです。

するとその隙間から、まだアミノ酸にまで分解されていない、分子量の大きなままのタンパク質やペプチドが、血中に流れ出してしまいます。そして、本来ならば血中に入ってくることのない「異物」を察知した身体が、それを「異常事態」と判断し、全身の不調に繋がっていくのです。

【正常な腸内】

【崩壊してしまった腸内】

 

 

 

 

 

 

 

 

小腸が健康ならば、炎症による隙間ができることはありません。つまり、不調にそれぞれの原因があるというよりは、アレルギーを起こすような「異物」が血中に漏れ出していること自体が問題なのですね。

 

リーキーガット症候群になる原因とは?

それでは、手も届かず、物理的に攻撃されることの無さそうな小腸に、どうしてそんな傷が付いてしまうのでしょう!?

腸内環境のバランスがカギ!

腸内フローラという言葉を聞いたことはあると思います。

私たちの腸には、実に300~1000種類とも言われる微生物が存在し、それぞれの役割を果たして私たちの健康を維持してくれています。

その「腸内フローラ」は、善玉菌と日和見菌、そして悪玉菌で構成されています。日和見菌とは腸内環境の状態によって善玉菌にも悪玉菌にもなる菌のことです。

そして、善玉菌が正常に働き、腸を中心とする消化器系の機能が果たされていると、全身の健康レベルが上がり、病気になるのを避けることができます。しかし善玉菌の働きが鈍くなると、悪玉菌の動きを抑えることができません。これが俗にいう「腸内環境のバランスが悪い」という状態です。

そしてその結果、腸の粘膜に傷がつき、細胞と細胞の間の結合部分が緩んでしまうことによって「リーキーガット症候群」が引き起こされるのです。

ストレスや生活習慣も、腸内環境に関係している?

リーキーガットを引き起こす原因は、腸内環境のバランス悪化だけではありません。たとえば、日常で受けるストレス、ジャンクフードや砂糖の入った食品の摂り過ぎ、過食などの消化不良なども関わってきます。

そのような生活習慣の悪化からは、腸内毒素が発生します。

腸内毒素は、腸壁の粘膜にダメージを与えます。その結果、リーキーガット症候群になりやすい環境が生まれてしまうのです。

また、痛み止めや抗生物質、ステロイド剤やピルのような医薬品や、アルコールやカフェイン、栄養不足などの日常的な要因も、リーキーガットの原因になると言われています。

リーキーガット症候群は遅延型フードアレルギー検査でわかる

自分の腸がリーキーガット状態かどうかは、もちろん自分で見ることはできません。

「腸の異常は、内視鏡検査で分かるのでは!?」と思うかも知れませんが、実は、内視鏡検査をしても腸にあいている穴が見えることはありません。そのため、もしリーキーガットが原因で身体の不調が起きていても、原因として特定するのはとても難しいことなのです。

しかし最近では、小腸の傷から漏れ出してしまった食物が引き起こすアレルギー反応を調べることによって、リーキーガット症候群の程度を知ることができるようになってきました。

これを「遅延型アレルギー検査」と言います。つまり、腸にあいた穴自体を見つけるのではなく、結果として起きている異常の程度を知ることで、適切な治療方法を検討できるという検査です。

まとめ

腸内は目には見えませんが、そのバランスが崩れることで、健康に大きな影響を与えてしまいます。その中でもリーキーガット症候群は、不調の原因として認められ始めた、比較的新しい疾患です。

いろいろな病院へ行ったけれど、どうもスッキリ治らない…という不調を抱えている場合は、ご自身の「腸の中の傷」について少し考えてみてはいかがでしょうか?もしかしたら、思わぬ改善のヒントが見つかるかも知れません。

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