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リスクファクターを取り除く! 健康診断の必要性と注意点

聴診器

会社勤めをしている人は、年に1回、健康診断を受けていますよね。
面倒だな…と思っても、結果が悪かったらヒヤヒヤしますし、生活習慣の見直しのキッカケにもなるため、強制的に受けることには大きな意味があります。

そこで今回は、健康診断の必要性と結果を見るときの注意点について簡単に解説してみたいと思います。

「労働安全衛生法」で定められている会社の健康診断

「労働安全衛生法」という法律では、会社には「健康診断の実施・事後措置の履行・結果の通知義務」などがあると定められています。
会社は社員を雇用する以上、その健康状態を把握し、就業中のリスクを排除したり、長く健康に働いてもらうための施策を打つ必要があるのです。

「でもそれは会社の義務でやっていることでしょう」
「今健康に不安がないから、やっても意味がない」

とお考えの方もいるかと思いますが、労働安全衛生法では、労働者にも「健康診断受診義務・自分の健康を保持する義務」が定められています。

健康診断にエビデンスはある?

確かに、世の中には「健康診断を受けたって正確な判定なんてできない、意味がない」という意見があるのも事実。それも否定できません。

たとえば、胸部X線検査で肺ガンが必ず見つかるかというと、決して有効性の根拠はありません。

肺ガンを見つけるためにはCTスキャンを撮る必要があります。
しかしすべての健診者にCTを受けさせることができるのか…という問題になると、費用面や時間面、またX線被ばくのリスクなども出てくるため、現実的ではないのです。

また、ガンの早期発見に利用される腫瘍マーカー検査もその確実性には根拠はありませんし、そもそもガンの早期発見が寿命を延ばすかどうか…という議論に対する結論も、未だ出てはいません。

とはいえ、「それなら健康診断なんて意味がない」と判断し、検診を受けないのは考えもの。
確かに健康診断に完璧な根拠(エビデンス)はありませんが、それは「検査が無効」であることとイコールではないからです。

健康診断で見つけるリスクファクター

病気の可能性が低い世代や、自覚症状がない人であっても、一律で健康診断を受ける理由は「リスクファクターの把握」にあります。

リスクファクターとは、ある病気に関係する「危険要素」のこと。

今は実際に病気ではなくても、「喫煙をする」「体重が増えた」「血圧が高い」などの個別の要素は、未来の病気に結びつく可能性があります。

たとえば、脳梗塞のリスクファクターには「高血圧・糖尿病・喫煙・飲酒」など、多数あがります。
もちろんその条件がすべて揃っていても、脳梗塞にならない人もいるでしょう。

しかし、脳血管疾患の約7割は、血圧管理で予防できたのではないかというレポートもあり、多大なデータから「高血圧の人が脳梗塞になる確率は、そうではない人より〇割高い」という統計的な判断を下すことができるのです。

リスクファクターを事前に知り、できるだけ減らすことは予防医学の一環です。

今は大丈夫かも知れませんが、病気になる確率が上がるのを放っておく必要はないでしょう。
そう考えると、健康診断は自己管理のための大切なキッカケなのです。

健康診断データに一喜一憂しすぎも危険

ストレッチする女性

健康診断は、受けて終わりではNG。その結果にしたがい、自らの健康状態を見直さなくてはいけません。
データ結果だけを見て一喜一憂し短絡的な対策を取っても、本当の意味での予防にはならないですよね。

たとえば肝機能の数値が異常に高い場合。
あわてて「お酒を控えよう」と考えがちですが、肝臓を疲れさせるのはアルコールだけではありません。

日常状的に飲んでいる鎮痛剤や胃薬などの医薬品も肝臓で処理されるため、飲みすぎると肝機能に影響が出ます。
またストレスも肝臓へ負担をかけるため、「お酒は飲まないのに肝臓の数値が高い」という人は、メンタルヘルスから見直す必要があるでしょう。

LDLコレステロール値が高く、「血がドロドロですよ」と医師にいわれ、焦る方も多くいらっしゃいます。
その結果、食生活の見直しが進んだのならとてもいいことですが、LDLコレステロールが高い人が全員動脈硬になるかというと、決してそうではありません。

リスクが見えたのなら、早めの対処を

健康診断では、「このリスクファクターがある場合は、〇〇の病気になる可能性が人より高い」ことは分かります。
しかしそれは絶対ではなく、データ結果に依存せず、もっと身体をトータルに考える必要があるのです。

今回の健康診断で見るべきは、「数字のデータ」ではなく、自分の身体のリスクファクター。
それを理解できたら、高かった・低かったという結果に対して、どのように生活を変えていけばいいかが、見えてくるのではないでしょうか。

そして、その危険要因をどうしたらいいか分からない場合は、決してネットの情報や自己判断に委ねず、専門家にアドバイスをもらいましょう。
会社の健康診断の場合は、結果によって産業医の診察が受けられたり、生活習慣見直しのプログラムに参加できたりするはずです。

何ごとも早めの対応が一番。
せっかく出た診断結果ですから、早めにリスクを回避していきましょう!

まとめ

今の日本人の死因に、「ガン・脳血管疾患・心疾患」の3大疾病が多いのは事実。
つまり、現代風の生活に疑問を抱かず惰性で生きていると、3大疾病になりやすい環境にある…ということでもあります。

だからこそ健康診断で出たデータを元に、まずは自分のリスクファクターに向き合ってみる必要があります。
今回の健診でLDLコレステロールが高かったからといって、すぐに死に至る可能性は低いでしょうが、この先、血管が詰まって出血しないよう、リスクファクターを管理する必要がありそうですね。

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