先生に聞いてみた！
【先生に聞いてみた！】ヴィーガンは甲状腺の病気になりやすい？お肉を食べない２つのデメリット
筋トレに行けば「お肉食べなさい」っていわれるし、ヴィーガン料理教室に行けば「お肉は食べちゃダメです」っていわれるし、どうしたらいいの？
その２つを両立させようと思うことが、ゆきの信条のなさを物語ってるね。
だってヴィーガン食って、なんかおしゃれじゃない？
そんなファッション感覚で始めてはいけません。ちゃんとポリシーを持って実行している人もいるんだから！
でも、自分の食べるものに対してちゃんと向き合って選択することって、大切だと思うんだよね。
それはそうだけど…。
だからもう少し続けてみます！
うまく料理できたらインスタにもあげるから、見てね。
そういえば最近、ゆきのインス見てなかったわ。どれどれ…ヴィーガン料理をアップし始めたのは、いつくらいから？
ちょうど2週間前からだよ。
ちょっと…、2週間より前は、プロテインと焼肉の写真ばっかりじゃない！
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。
ヴィーガンとひと口にいっても、人によってさまざまなポリシーがあります。個人の食生活に善悪はないため、ここでは良しあしを考えるわけではないとはっきりさせておきますね。
イソフラボンの過剰摂取
「大豆食品は、地球上でもっとも身体にいい食べ物のひとつ」といわれています。タンパク質が豊富で、ビタミン・ミネラルや食物繊維を含むことから、ヴィーガンのほとんどが大豆の代替食を選んでいます。
大豆が健康にいいことは確かです。欧米諸国よりアジア地域に肥満や心疾患、乳がん患者が少ないことと大豆を関連付ける研究もされています。
ただし大豆はエストロゲンに似た化合物であるイソフラボンを含み、ガン細胞を大きくしたり、婦人科疾患や甲状腺の機能を乱す可能性があると指摘されています。
大豆はコレステロールを下げたり、女性の閉経期の不調を和らげるともいわれるし、諸説あってどっちを信じていいか分かりません！
いろいろな説が入り乱れているときは、どちらも信じすぎないことが大切よ。
ヨウ素を多く含む昆布類や大豆製品を食べ過ぎると、甲状腺機能に影響が出ることは事実です。一般的な食事をしていれば過剰摂取にはなりませんが、ヴィーガンのように毎日継続的に大豆を食べ続ける場合は、注意が必要といえるでしょう。
動物性タンパク質を食べないと、何が起きる？
動物性タンパク質にはメチオニンなどの含硫アミノ酸が豊富に含まれています。「含硫」とは硫黄を含むという意味です。硫黄は身体から不要な毒素を排出するために必要な成分で、不足すれば解毒機能が低下します。
メチオニンはシードやナッツ類にも含まれていますから、ヴィーガンがまったくメチオニンを摂取できないかというと、そうはいえません。ただし食事はバランスですから、慎重なコントロールが必要でしょう。
やはり、ファッション感覚で始めるものではないですね。
ヴィーガン食には、デトックス力を高める健康的なイメージがあったけど、実はかえって解毒力を下げる可能性があるとは…。栄養学、奥深い！
教えて先生！
小西康弘Yasuhiro Konishi
医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長
2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士
先生、昨今のヴィーガン流行やお肉を食べない風潮は、分子栄養学のプロとしてどのようにお感じですか？
何を食べるか、食べないかというのはその人の自由ですので、ここではそれ以上立ち入りませんが…、栄養学的に見れば、代替肉として大豆を取りすぎると婦人科系のガンのリスクが高くなったり、甲状腺機能低下症のリスクが上がると思います。
さらにはビタミンB12も不足しがちになりますので、ヴィーガン食を実践される場合は、不足しがちなビタミンをサプリメントの形ででも摂るようにした方がいいでしょうね。
先生のこぼれ話…
ヴィーガンとはベジタリアンの一種です。ほとんどベジタリアンと同じような意味で「ヴィーガン」という言葉が用いられることがあるようです。
ベジタリアンといっても、四つ足動物の肉を食べないけれど、卵や乳歯品、魚は食べるという人もいますが、ヴィーガンのように厳密に植物性食品しか食べない人もいます。ヴィーガンは魚や卵、乳製品も一切食べないというのが原則であるということは知っておきましょう。
ヴィーガンの中でも、より厳格なヴィーガンの方ははちみつや白砂糖も食べません。はちみつの採取で蜂が犠牲になるなどの理由から、厳格なヴィーガンの間では動物性食品に分類されるのです。白砂糖は、精白・精製の過程で牛骨粉が使われているという理由であったり、単に健康の理由から避けていることもあるようです。
このように「ヴィーガン」になる背景は、純粋に健康にいいからというよりも、病気治療、思想や宗教、スピリチュアル的な理由、環境保護のためなどという理由が多く、栄養という観点だけで切り取れないのが難しいところでもありますね。
