先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】忙しいビジネスマンの、ビタミン・ミネラル摂取問題

しんじ

最近、タンパク質は摂れているけど、ミネラルが圧倒的に不足しているな。

さとみ

栄養管理アプリ、マメに続けているのね。あなたにしては珍しい。

しんじ

忙しいと食事がどんどん乱れるんだよ。40代に入ってから疲れやすくなったし、少し管理しておこうかと思って。

さとみ

ちょっと見せて?
やだ、本当にビタミンとミネラルのグラフが毎日基準以下じゃない。

しんじ

野菜と果物は意識的に食べているつもりだけど、どうしたらいいかな。いい塩でも買うか…?

さとみ

うちの塩は、ミネラルの豊富ないいお塩よ。結構いいお値段するけど、健康には変えられないしね。

しんじ

何を食べて、どうすればいいか教えてくれたら、実践するのになあ。結局バランスのよい食事をするしかない、ってことなんだろうか。

さとみ

そうね。その件、まずは先生に聞きに行ってみましょうか。

登場人物
しんじ
健康診断の結果と、ラクにできそうな健康情報に敏感な会社員。
メタボが気になりだして最近ジョギングを始めた。
情報源はネットニュース。ラーメンとTVドラマが好き。
さとみ
何より無駄遣いが嫌いな、計画的しっかり主婦。
週に3回、英会話教室の講師をしている。
趣味は温泉旅行とワイン。子どもはいない。

人体の必須ミネラルは16種類ありますが、食生活や、食材の栄養価の変化にともない、不足しがちといわれています。特に、忙しく外食やコンビニ食の多い世代では、ビタミンとミネラルの不足による体調不良も心配されます。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

さとみ

先生、忙しい40代が栄養管理をするにはどうしたらいいのでしょうか。特にビタミンとミネラルの不足が気になっています。

先生

働き盛りで、体調不良を訴えて来られる方を検査すると、慢性疲労のことが多くあります。ご本人は「食べています」とおっしゃいますが、カロリーが足りていても、栄養価が足りないことがありますね。

しんじ

とても心当たりがあります。

先生

コンビニの店頭に並ぶサラダなどは、確かに単身暮らしの方や忙しい方にとっては貴重な食物繊維源ですが、製造工程で「消毒液」でじゃぶじゃぶ洗浄されるので、水溶性ミネラルやビタミンはすでに流れています。

栄養価の高い食事が難しい時代になってきているのは事実です。便利さと栄養とのバランスをどのように取っていくかが問われているといえますね。

しんじ

まさにその課題に直面しています。何を補えばいいのか分からないので、アプリで栄養管理をしていますが…。

先生

アプリ管理も、正確とはいえませんよ。たとえば「キャベツの千切り」でも、そのキャベツに含まれた栄養価まではアプリで読み込めないでしょう。標準的な数値でしか計算できないので、誤差を検証しようがないと知っておいてください。あくまで目安であって、当てにしすぎるのはよくないと思います。

さとみ

最近は野菜の栄養価が変化してきている…と聞きますしね。

先生

そうですね。昔と今では栄養価が下がっています。またスーパーで買う外国産や季節外れの野菜と、豊かな土壌で育てた旬の野菜では、これまた栄養価が違います。

三大栄養素の標準的な数値を知るためにアプリを活用するのはよいと思いますが、ビタミンミネラルの量は食事の記録では分からないと思います。食材の栄養価にバラつきがありすぎるからです。

しんじ

そうなんですね。

さとみ

健康になりたい、正しい栄養取りたい。そのためならいい野菜を買うことくらいはできるのですが、その前に、自分の栄養バランスを理解したいです。

先生

「摂れているはず」という予想ではなく、検査をする方が正確ですよ。自身の栄養状態を数値化し、適正化する。これが分子栄養学です。採血してみると、ご自身の理解と体内の数値が大きく違うこともよくあります。

また、重要なのは吸収力です。食べる量は計算できていても、吸収できている量によって、体内の栄養バランスは変わっていきます。

さとみ

なるほど!いくらいいものを食べても、自分の身体が栄養を吸収できない状態であれば意味がありませんね。

先生

吸収力は、腸の状態でも変化します。だからアプリでの数値化は、あくまで目安なんです。その方の体内の状態を調べなければ、必要な栄養など割り出せません。

しんじ

検査、受けてみたいですね。

先生

栄養状態や腸内環境の検査は、分子栄養学を専門とするクリニックで受けることができます。

もし気になる症状があるのであれば、採血して過不足を推測し、ピンポイントで栄養を補います。数カ月、数値の推移を観察していくのがオーソドックスな方法です。

さとみ

分子栄養学と聞いてもピンときませんでしたが、実は当たり前で、一番効果がありそうな方法なのですね。

先生

調べて、推測して、結果を見るという、ごく普通のプロセスですよ。この分子栄養学・機能性医学の考え方が、もっと広がったらいいのですが。正解が見えないまま、正解を探す旅をしている方々には、自分の栄養状態を正しく把握してほしいですね。

しんじ

ありがとうございました。
アプリを過信せず、日々の食事に気を配ります。

先生

迷っている方には、サプリメントが手っ取り早いかもしれません。まじめに3か月も飲めば結果検証できますし、飲み過ぎにさえ気を付ければ、誰でも始められます。

忙しい方は、マルチビタミンミネラルと、プロバイオティクスのサプリメントを飲んでみてください。そのうえで、本当に改善すべき症状があるのであれば、分子栄養学の専門家に話を聞いてみてはいかがでしょうか。

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