先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】老化物質AGE、検査を受けた方がいい人とは

しんじ

AGE検査をすすめられたんだけど、受けてこようかな。

さとみ

AGEってなんだっけ?

しんじ

老化原因物質だよ。体内の糖化をすすめて、病気の原因になるんだって。加齢でどんどん溜まるから、ちょっと気になっててさ。

さとみ

ふむふむ、「体内では、糖を利用してエネルギーをつくる過程でAGEが溜まります。何より高血糖を防ぎましょう…」って、あなた血糖値高かったっけ?

しんじ

いや、それほど高くないと思うけど。

さとみ

AGEは食事からも体内に入るのね。「コーヒー、揚げ物、醤油や味噌などの茶色い食品にはAGEが多く含まれています…」毎日の食事からどんどん溜まっていると思うとマズいわね。

しんじ

そうだろ。
だからこの検査、一緒に受けに行かないか?

さとみ

ぎゃー!!お高い!!
これは受ける前に先生に聞きに行きましょう…。

登場人物
しんじ
健康診断の結果と、ラクにできそうな健康情報に敏感な会社員。
メタボが気になりだして最近ジョギングを始めた。
情報源はネットニュース。ラーメンとTVドラマが好き。
さとみ
何より無駄遣いが嫌いな、計画的しっかり主婦。
週に3回、英会話教室の講師をしている。
趣味は温泉旅行とワイン。子どもはいない。

健康診断でも測られることの多い「ヘモグロビンA1C(エーワンシー)」。この数値が高ければ、全身の糖化が進み、AGEも蓄積されていると推測されます。最近では別途AGE検査を受ける方も増えているようですが…

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

しんじ

先生、AGE検査を受けようと思うのですが…

先生

しんじさんは、血糖値が高いのですか?

しんじ

いえ、まだ標準値ですね。高めなのは血圧で。あはは。

先生

ではAGEの検査は不要ではないでしょうか。

しんじ

そうなんですか?

先生

AGEは、タンパク質に糖がくっついて劣化する「糖化」反応で生まれる物質です。AGEが増えると老化が進み、病気になりやすくなるというのは本当です。

受診される患者さん全員にAGE検査をすすめているクリニックもあるようですが、すべての方にその検査が必要かというと、私は疑問に思っています。

さとみ

でもガンやアルツハイマーなどの原因にもなり得る…と聞くと、ちょっと怖くなりますし、検査した方がいいのではないかと思えます。

先生

AGEを受けてみては?とおすすめしたいのは、糖尿病の患者さんや、肥満による病気のリスクが高い人です。見たところ、しんじさんも、さとみさんも、標準的な体形ではないでしょうか。

すでに糖尿病で困っている方がその治療過程でAGE検査を受け、治療に役立てることはよいと思いますが…

さとみ

そう聞いて少しホッとしました。自費診療なので、費用のことも気になっていましたし。

先生

AGE検査などのバイオロジカル検査では、一般的な検査では分からない身体の土台の状態が分かります。それ自体はいいことです。問題は、自費診療であることと、「自分にどのような検査が必要か」を適切に判断しにくいことですね。

これは一般の方であれば当たり前ですから、提供側、つまり医師の方が倫理観を持って説明すべき部分ではないでしょうか。診療報酬を嵩上げするために、必要でない検査を患者さんにすすめるなど、断じてあってはならないと私は考えています。

しんじ

よく分かりました。なんでもかんでも受けておこう!と思うのは、やめておきます。

先生

「老化リスクを防ぎたい」というだけであれば、まずは普通に生活習慣に気を付けてください。

まずはAGE化を防ぐ食材を食べるようにしましょう。ビタミンB1やB6、カテキンなどが有効とされています。また体内の活性酸素は糖化を早めてしまいます。抗酸化成分を含む食材を食べて、肥満を防ぐように暮らしていれば、AGEを増やさないようにできるのではないでしょうか。

さとみ

やはり生活内で気を付けるのが一番ですね。

先生

タンパク質と糖を含む食材を加熱すると「褐色の焼き色」がつきます。これをメイラード反応といい、食欲をそそる見た目にはなりますが、メイラード反応はAGEを発生させます。美味しそうだからと、茶色に焼けたものばかり食べていてはいけませんよ。

しんじ

こんがり焼いた食パンも、鶏の照り焼きも、お好み焼きもクッキーもAGEの元ですか。これは気を付け甲斐がありますね…。

さとみ

神経質になりすぎるのもよくないし、まあ、節制のいい機会だ思ったら?

先生

その通りです。
そして、そもそも健康診断でヘモグロビンA1Cが高かった方は、自費診療など考えずに、きっちりと糖尿病の専門医の元で治療をしてくださいね!

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