先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】「結局、人間は1日何回食事を取ればいいのか問題」について考える

しんじ

うーん、今日は朝ごはんが進まないな。
昨日ちょっと食べ過ぎたか。

さとみ

無理して食べなくていいわよ?

しんじ

いや…朝ごはんは大切だろう…そう教わってきたんだ…。
何とか食べきってから仕事に行くよ。

さとみ

給食時間の小学生みたいね。
最近は食事回数を減らしたり、粗食が流行っているというのに。

しんじ

頭では分かっていても、朝ごはんを抜くと、元気が出ない気がするんだよ。

さとみ

私は朝はコーヒーだけでいいわ。
最近は小分けで食べて、カロリーコントロールをしているから。

しんじ

うーん。そう聞くと、そっちの方が健康にいい気もしてくるしな。
1日何回食べるのが正解なのか、誰か教えてくれよ〜。

登場人物
しんじ
健康診断の結果と、ラクにできそうな健康情報に敏感な会社員。
メタボが気になりだして最近ジョギングを始めた。
情報源はネットニュース。ラーメンとTVドラマが好き。
さとみ
何より無駄遣いが嫌いな、計画的しっかり主婦。
週に3回、英会話教室の講師をしている。
趣味は温泉旅行とワイン。子どもはいない。

一般的に「食事は朝昼晩、規則正しく」が信じられている日本。しかし最近では、1日1食にする健康法から、食事回数を増やすダイエット方法まで、さまざまな方法が知られ始めました。自分に合った食事回数は、どうやって考えるべきでしょうか。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

さとみ

先生、カロリーセーブと食事回数について、何が正しいのかを教えてください。粗食も流行っていますが…。

先生

現代人は単純にカロリーを摂りすぎなのでしょう。皆さん薄々それを理解していて、飽食のアンチテーゼがブームになっていると考えられますね。

しんじ

1日のカロリーを抑えるのではなく、朝ごはんを食べないなど、回数を制限する方法もあるようです。

先生

その回数制限は、何を基準にしての制限でしょうか?
「1日3回、規則正しく」は、日本が貧しかった時代の価値観をそのまま引きずっているのかもしれません。これが恒久不変の価値観なのかは、疑問のあるところです。

たとえばアンチエイジングの観点から見れば、16時間の絶食が健康効果を生むことはエビデンスがはっきりしています。それなら、「前の日の晩から、翌日の昼まで何も食べない」という制限は有効でしょう。

さとみ

サーチュイン遺伝子のお話ですね。

参考記事:カロリー30%オフが人類を長生きさせる?長寿遺伝子の活性化方法とは

先生

そうです。「低カロリーの食事と、適度な運動」はサーチュイン遺伝子(長寿遺伝子)を活性化させることが分かっています。細胞内のミトコンドリアが増え、細胞内で新陳代謝が進みますから、老化防止の効果が期待されます。

しんじ

なるほど。どうも私たちには、朝ごはんはしっかり食べないといけないという思い込みがあるようです。

先生

そのように教育されてきていますから仕方ありませんが、刷り込みでしょうね。

飢餓が命を脅かしてきた時代には常識だったとは思います。しかし現代は栄養も豊富で、飢えよりは「健康にいいかどうか」という観点で考える必要があるのではないでしょうか。

さとみ

逆に、食事を小分けにして1日5回食べた方がいいなどの説もありますが…。

先生

それは血糖の乱高下を避けるためでしょうね。それなら分食の意味はありますよ。

1日に何回食事をすればベストなのかの正解は、その方の体質や、持病に寄って大きく変わります。それを無視して、イメージで回数を決めてはいけません。

さとみ

そうですね。糖尿病の方と、栄養失調の方では食事の意味は違いますよね。

先生

ネットに「1日1食がいい」と書いてあったって、その人の腸内環境が悪ければ、低血糖で倒れることもあります。同じものを食べても、人によって吸収率は違いますから、注意が必要です。

しんじ

その情報が、自分に合っているかを見極める必要があるのですね。

先生

そうです。どのような状態の方を対象にした健康情報なのかを知り、自分が取り入れるべきかを考えてください。100人中、100人に効果のある健康情報などありません。

しんじ

まずは自分の体質を把握するところからですね。

先生

もし、万人に効くいう健康情報があったら、それはトリックです。広告には「個人の感想です」と書いてありますが、その個人もたった1人かも知れませんよ。疑問を持つことが、自分の健康を守ることにつながるのではないでしょうか。

いつもお伝えしていますが、情報を処理するリテラシーを高めることが、情報が溢れる現代社会では何よりも重要だと感じています。

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