先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】「ファクトフルネス」で見るワクチンの副反応。どう考えればいいのか?

しんじ

テレビのニュースは、コロナのワクチンのことばかりだな!

さとみ

あまり見ない方がいいわよ。あなたすぐに影響されるんだから。

しんじ

とはいえ、僕ら世代にはまだまだ回ってこないだろう。

さとみ

私は何だか積極的に打ちたくないのよね。副反応も怖いし、そもそも打った人が20年後にどうなるのか臨床のデータもないでしょう。

しんじ

それはそうだけど、世間の流れに乗っておきたいというか…打たない選択肢なんてないと思うぞ。

さとみ

ほら、その「世間の流れ」っていうセリフに、自分の頭で考えていないのが丸見えになっているわよ。

しんじ

だって、正しい情報がないじゃないか…。善良な市民をいじめないでくれよ!

登場人物
しんじ
健康診断の結果と、ラクにできそうな健康情報に敏感な会社員。
メタボが気になりだして最近ジョギングを始めた。
情報源はネットニュース。ラーメンとTVドラマが好き。
さとみ
何より無駄遣いが嫌いな、計画的しっかり主婦。
週に3回、英会話教室の講師をしている。
趣味は温泉旅行とワイン。子どもはいない。

コロナワクチンの是非が分かるまでには、当然ながら時間が必要です。それよりも、「ワクチン」について私たちがどう捉え、どう行動していくかを、自分の頭で考える必要のある時代になっています。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

しんじ

先生は、ワクチンを打ちますか?

先生

順番が回ってきたら打ちますよ。打たない理由がないですからね。確かにアナフィラキシーショックなどの副反応が起きることもあるでしょうが、マスコミは少し騒ぎすぎではないでしょうか。

さとみ

副反応というデメリットばかりが目に付いて、恐怖を感じてしまいます。

先生

コロナのワクチンの有害事象がどれくらいあるのか、まだ未確定な部分は多いです。なので、ワクチンを打つことのリスクが客観的判断ができていませんね。もっと「ファクトフルネス」で考えてみてはどうでしょうか。

しんじ

ファクトフルネス…聞いたことがあります。

先生

「ファクトフルネス」はベストセラーになったので、ご存じの方も多いでしょう。
簡単にまとめると、「データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣」をいいます。

人間には、データを基に世界を読み解くのを邪魔する本能があるという前提で、事実ありきで世界を判断していく必要性が書かれています。とても有意義な本ですので、ぜひお読みください。

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さとみ

ついつい情動的な情報に引きずられる私たちに、必要な視点ですね。

先生

今回のワクチンについても、ファクトフルネスで考える必要があると思いますよ。
ただしコロナは変異が早いので、皆が打ち終わった頃には変異株が出てしまう可能性はあります。

さとみ

インフルエンザと同じですね。

先生

インフルエンザも終生免疫ではありませんからね。そもそも風邪にはワクチンがないでしょう? それは風邪が変異するからです。コロナも同様です。

しんじ

もしかしたら来年には効果がなくなっているかもしれないワクチンで、大騒ぎしているわけですね。

先生

コロナは確かにセンセーショナルなウイルスですからね。ではたとえば、子宮頸がんのワクチンで考えてみましょう。こちらは、副反応が問題視されて、義務化が見送られました。

さとみ

数年前にニュースで騒がれたのを覚えています。

先生

私の知るところでは、副反応に関する最終結論は出ていないと思います。結局、全世界的には推奨されている子宮頸がんワクチンは、日本では推奨は取り消され、自己判断で行うことになりました。

よかれと思って打ったワクチンで副反応が出て、苦しむことは、もちろん悲しいことです。しかし、それを「ワクチンが悪い」で済ませていては、前向きに話が進まないと思いますが、どうでしょうか。

さとみ

しっかり考えないといけない問題ですね。

先生

このできごとからも分かるように、日本のマスコミは感情的にものごとを報道しがちな点が気になります。昔「人間ひとりの命は、地球よりも重い」といって、テロリストに身代金を支払った総理大臣がいましたが、それをよしとする風潮が日本にはあるような気がします。

「リスクとベネフィット」を理論的に考えることが、日本人は苦手なようです。

しんじ

えーと…どのように考えればよいのでしょう。

先生

副反応が起きる確率は、とても低いですよね。では、どうして自分にそのような「不幸なできごと」が起こったのだろうかと、考えることは有効だと思います。

私なら、「副反応が出たのは、どこか身体のバランスが崩れていて、ワクチンに対して過剰反応を起こしたのかもしれない」と考えます。そしてその過剰反応は、自分自身の身体のバランスを整えれば、ある程度回避できるのではないか、とも考えます。

しんじ

クジ引きのような「運」ではなく、自分がワクチンに過剰反応する身体だった、という考え方ですね。

先生

お伝えしたいのはワクチンの是非ではありません。起こってしまった現実をどのように捉え、どのようにこれからの人生に役立てていくのか、という話です。

しんじ

ただ怖がったり、嘆いたせずに、現実的に対処する方がいいですよね。

先生

私のクリニックにも、子宮頸がんワクチンで体調が悪くなった…という患者さんが来られたことがあります。検査をさせていただくと、100%ではありませんが、体内バランスが崩れている方が多くいらっしゃいました。

そしてバランスを改善していくと、副反応と考えられる症状も改善していきます。

さとみ

身体の土台が、健康かどうかということですね。

先生

コロナのワクチンにしても、副反応については、まだまだ検証しないといけないことが多くあります。これは研究者のすべきことです。しかし自分自身の身体を整えることは、一般の方でもできることですよね。

さとみ

なるほど、少し視野が広がりました!

先生

起こってしまった副反応に対して「被害者意識」を持ち続け、製薬会社や国と戦い続けることも、ひとつの世界観だと思います。 

しかし「このような不愉快な現象が自分に起こったのは、何が原因だろうか。改善点はないだろうか」という視点を持ち、前向きに捉えることも、ひとつの世界観ではないでしょうか。

しんじ

両方とも一理ありますね。

先生

両極端な意見だけが世に広まりがちですが、フラットに自分の頭で考えている人がマイナスにならない世界をつくりたいですね。

同じ事象を経験していても、正反対の捉え方ができるのです。コロナのワクチンで騒ぎは、自分はどちらの世界観を選びたいのかを考えるいい機会かもしれません。

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