先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】スマホを枕元に置いて寝ていいの?電磁波過敏症の話

さとみ

またスマホを枕元に置きっぱなしで寝てたわよ。

しんじ

寝る直前まで動画を見てしまうクセが付いてしまったな。目に悪いし気を付けるよ。

さとみ

目だけでなく、脳にも悪いと思うわよ〜。

しんじ

そんなことあるのか?

さとみ

詳しくは知らないけど、電磁波を浴びっぱなしで寝ることに、よい影響はないんじゃない? 電磁波過敏症になる人もいるんだし。

しんじ

うーん。電磁波っていわれても、目に見えないから避けにくいよな。だいたい電磁波を浴びずに生活するなんて、どんな田舎に移住したってこの時代では無理だろう…。

登場人物
しんじ
健康診断の結果と、ラクにできそうな健康情報に敏感な会社員。
メタボが気になりだして最近ジョギングを始めた。
情報源はネットニュース。ラーメンとTVドラマが好き。
さとみ
何より無駄遣いが嫌いな、計画的しっかり主婦。
週に3回、英会話教室の講師をしている。
趣味は温泉旅行とワイン。子どもはいない。

生活の中の微弱な電磁波を浴びただけでも、頭痛・吐き気などを感じる症状を、電磁波過敏症といいます。初期は目、皮膚、神経に症状が出やすいとされ、生活に支障が出ますが、原因も治療法も分からないため苦しんでいる方が多くいます。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

しんじ

先生、電磁波はやっぱり人体に悪影響を及ぼすのでしょうか。僕自身は体感できないのですが…。

先生

私のところにも、電磁波過敏症の患者さんはやってきますよ。

原因ははっきりしていませんが、分かりやすい要因のひとつとして、歯の金属が影響して頭痛や耳鳴りが出ているケースはあります。

さとみ

歯ですか?
どういうことでしょう。

先生

歯科治療には金属が使われることがありますよね。そのとき、種類の違う金属が直接接触したり、唾液を介して成分が接触することで、わずかに電流が生じることがあります。イオン化傾向の差によって生じる、ガルバニー電流(ガルバニック電流)とよばれるものです。

さとみ

それが電磁波を受けて、身体に影響を与えるのですね。

先生

そうですね。どこまで科学的に解析されているかは私も詳しくはありませんが、
スマートフォンを枕元などに置いておくと、電磁波などが乱反射して脳に影響を与えることは、あるでしょうね。

しんじ

そう聞くと、寝るときはスマホは遠ざけておかないと…って思いますね。

先生

ただし、標準医療の世界では、電磁波過敏症は存在しないことになっています。原因も不明ですし、エビデンスもありませんから、まあそれは当然でしょう。

さとみ

普通の病院では治せないと思うと怖いですね。

先生

よく似た例に、化学物質過敏症があります。これも存在しないといわれてきましたが、近年はシックハウス症候群などが知られるようになり、病名としても認知されてきました。

シックハウスが疾患概念として受け入れられるようになったのは、それほど昔ではないですよ。とはいえ原因が分かっていないのは昔も今も同じです。化学物質や電磁波に影響を受けていることまでは分かっても、医師は「避けてください」としかいいようがありません。

さとみ

もし自分がかかってしまったら、諦めるしかないのでしょうか?

先生

そうとは限りません。身体のバランスを整えることで、なぜか過敏症の症状が改善する方はいらっしゃいますよ。

症状が重くて生活できないような状態の方であっても、腸を整えて化学物質や重金属を排出できる、つまり解毒機能を回復させていくと、症状が改善していくことがあります。

私も実際に改善事例を見てきているので、単純に気のせい、神経質だから、と片付けるのは早計ではないかと感じています。

しんじ

田舎に移住するしかないと思っていました。

先生

確かに、化学物質にまみれた都会で暮らすより総合的に健康にはなりそうですが、移住は根本治療にはなりませんね。

理想は、都会でも暮らせる状態まで改善させてから、これ以上影響を受けないように田舎に移ることではないでしょうか。

さとみ

そうですね。「都会に住めないから」というネガティブな理由で移住するのは、問題解決にはなっていませんよね。

先生

最近は「5Gが身体にいいのか悪いのか」などの議論も出てきていますが、電磁波が人体にどのような影響を与えるのかは、まだ分かっていないことが多いと思います。何しろ、人類にとっても初めて取り扱うものですから。都市伝説も多く出回っているので、安直に信じすぎないようにしてくださいね。

しんじ

危険と聞くと、ついついネガティブなことを考えてしまいますが、改善の可能性があることが分かって少し安心しました。

先生

原因不明で、治療法は確立されていなくても、治る人はいます。機序は分かりませんが、身体のアンバランスさが過敏症という形であらわれているのではないでしょうか。

標準医療では語られないことなので、少しあやしく聞こえるかも知れませんが、医療分野にもまだ未知のことがたくさんあります。「なぜだろう」と不思議に思えることであっても、時間をかけてエビデンスを取っていく必要があるでしょうね。

しんじ

とりあえず、身体のバランスを崩さないように意識します。

さとみ

寝るときはスマホも枕元から離してね!

先生

化学物質過敏症や電子波過敏症の方に対し、安直に「治ります」とはいえません。しかし身体機能の根本を整えることは、症状が目に見える・見えない、自覚できる・できないにかかわらず、重要ではないかと思うわけです。

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