普段からできること

老化の敵、活性酸素を防ぐには

「老化」の根本的な原因はいまだによく分かっていません。しかし細胞が衰えて正常に働かなくなり、身体機能が低下して老化現象を引き起こす、ということまでは分かっています。

細胞の衰えの原因には、酸化・糖化、紫外線や栄養不足があげられます。なかでも細胞の酸化は「身体のサビ」ともいわれ、シミやしわなどの肌の衰えや毛髪・歯の老化を進め、体内の機能を低下させ、病気を引きこす原因にもなっています。

お気付きでしょうか。
「細胞の酸化」を防げば、老化や病気が防げるのです。

細胞を酸化させる犯人はすでに見つかっています。活性酸素です。そこまで分かっているなら、永遠の美や、不老不死まであと一歩!なんだか希望が持てますね。ただし活性酸素を増やさない生活は、なかなかにハードです。何しろ私たちの苦手な「生活習慣の改善」が根底にありますから…

お肌の老化や病気を防ぐための活性酸素対策。忙しい私たちは、とりあえず何に気を付ければよいでしょうか。そもそも、活性酸素とはどのような性質を持つのでしょうか。

\\\ 活性酸素について、専門医に聞いてきました ///

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

活性酸素とは「電子を失って不安定な形になった酸素分子」のことです。

一部の酸素は、自分の電子が欠乏状態になると、周りの物質から電子を奪おうとします。この電子を奪われる現象が「酸化反応」です。酸化して生まれた活性酸素は細胞を酸化させ、さまざまな病気を引き起こします。

活性酸素は体内に入った病原菌と戦うなど、プラスの働きも担います。しかし酸素分子のバランスが崩れたとき、細胞を酸化させるマイナスな存在に変化します。

活性酸素が増えるとどうなるか

活性酸素の増加は、見た目の老化だけではなく、大きな病気の原因にもなり得ます。

・ガン細胞が増殖する
・脳梗塞・心筋梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こす
・糖尿病、脂質異常症になりやすくなる
・パーキンソン病や認知症にかかる可能性が上がる

活性酸素が直接病気を起こすわけではありません。活性酸素が増加すると体内に「炎症」が起こり、それが病気を誘発します。活性酸素の発生をコントロールするものは病気を制するといっても、過言ではありません。

活性酸素が増える原因は「ミトコンドリアの機能低下」

活性酸素増加の原因に「ミトコンドリア機能の低下」があることは、まだあまり知られていません。ミトコンドリアは細胞内にある小器官で、細胞全体の10~20%を占める「細胞内の心臓部」に当たります。

ミトコンドリアは、血液中のブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸などを燃やし、細胞を動かすエネルギーを作りますが、そのときに酸素を必要とします。この過程で発生するのが活性酸素です。活性酸素は、ミトコンドリアが原料を燃やすときに出た「燃えかす」ともいえるでしょう。

この「燃えかす」は、ミトコンドリア機能が低下していると、通常より多く作られます。そのため活性酸素を減そうと思うなら、まずはミトコンドリアの機能を高める必要があるのです。

抗酸化力を高める生活のポイント

私たちの体内では、活性酸素を防ぐ抗酸化物質(スカベンジャー)も作られています。抗酸化物質は、活性酸素に積極的に電子を与え、自らは酸化されます。抗酸化物質から電子をもらった活性酸素は、細胞を酸化する力を失います。

私たちの身体の中では、抗酸化物質が「電子のバケツリレー」を行なっていることをご存じでしょうか。

活性酸素に電子を奪われた抗酸化物質Aは、別の抗酸化物質Bから電子をもらい受け、再び復活して、活性酸素に電子を分け与えます。抗酸化物質Bはまた別の抗酸化物質Cから電子をもらい受け…というように、電子をお互いに譲ってき、どんどんと活性酸素に電子をバケツリレーで与え続けるのです。

最終的には、私たちは「電子」を食べ物から取り入れています。電子を含んだ食材を食べ、活性酸素が少ない状態を維持すれば病気予防に役立つでしょう。

電子を含む食材とは抗酸化力が高い食材です。特に野菜や果物に含まれる色素や辛味、香りなどの成分は抗酸化力が高く、活性酸素を減らすだけではなく免疫力も高めてくれます。

生活習慣を変えて身体の酸化を食い止める

抗酸化力の高い食事をしても、活性酸素を増やす生活を送っていては意味がありません。以下の行動を控え、細胞の酸化を食い止めましょう。

【タバコを控える】
ニコチンなどの多量の有害物質が体内に入れば、それを攻撃するために多量の活性酸素が生まれます。

【アルコールは適量にする】
活性酸素は、肝臓がアルコールを分解するときにも発生します。

【紫外線を浴びすぎない】
紫外線を浴びると活性酸素が発生します。活性酸素はメラニン色素をつくり出し、日焼けだけではなくシミやしわなどの肌の老化の原因となります。

【ストレスの少ない生活を送る】
ストレスを受けると血液の流れが悪化し、元に戻るときに活性酸素が発生します。これが繰り返されると細胞の酸化が進んでしまいます。

【運動は、軽いものを継続的に】
運動も抗酸化力を高めますが、強すぎる運動はかえって活性酸素を増やします。激しい運動で息が切れると呼吸量が増えて活性酸素の発生を促しますから、軽いウォーキングや水中歩行など、少し息が上がる程度の運動を定期的に継続することをおすすめします。

活性酸素をコントロールできれば、老化は食い止められる

極論ですが、活性酸素を減らすことができれば、体内の炎症は減ります。結果病気になりにくい身体を手に入れることは可能でしょう。ただしまずは食生活と、生活習慣の改善です。残念ですがそれを無視して健康な身体は得られません。

もし本気で活性酸素を減らしたいと思うなら、一度ご相談ください。活性酸素量は検査である程度把握できますし、その方に合った改善方法は、専門医だからできるアドバイスです。

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