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リンパが腫れるのはなぜ?リンパ節と免疫力

風邪を引いたとき、首のリンパが腫れて痛みや熱を持つことがあります。たいていは風邪が治れば腫れもおさまるものですが、今までなかったしこりができるとちょっとビックリしますよね。

リンパは日頃は目に見えない器官。だから私たちがリンパの存在を意識するときは、きまって体調不良のときです。

リンパが腫れる原因は、風邪だけではありません。

  • 免疫異常が起きているとき
  • 膠原病や関節リウマチなど自己免疫疾患にかかったとき
  • 感染症にかかったとき
  • 悪性リンパ腫や、ガンが転移したとき

調べていくと、他にも結核性リンパ節炎や、ウイルス性リンパ節炎など、何だか恐ろしそうな病名がたくさん見つかりますが…

日頃はその存在を意識しないリンパ、いったい体内でどのような働きを担っているのでしょうか。そして、どうして腫れてしまうのでしょうか。

\\\ 本当のところを、専門医に聞いてきました ///

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

「リンパ(lymph)」とは、血管と同じく全身に張りめぐらされたリンパ管と、リンパ管の中を流れるリンパ液、そしてリンパ管の途中に位置するリンパ節の3つの総称です。

血液は心臓のポンプ活動のおかげで循環していますが、リンパ液は、心臓のポンプ作用に頼らずに自力でリンパ管の中を流れていく体液です。心臓と血液の流れは「循環器系」と呼ばれますが、リンパ液が体内を巡る流れは「リンパ系」と呼ばれています。

リンパ系は、体内で2つの役割を担っています。ひとつは体内の老廃物を回収して排出する「デトックス機能」、もうひとつは細菌などの異物を入れないようにする「免疫機能」です。

リンパ節と免疫

「リンパが腫れた」といいますが、正確には腫れているのは「リンパ節」です。

リンパ管の途中にあるリンパ節は、豆のような形をした、0.2〜25㎜ほどの小さな器官です。細菌やウイルスに対してリンパ節の免疫機能が働いた結果、リンパ節が腫れ、熱や痛みを伴うのです。

リンパ節の中にはリンパ球やマクロファージなどの白血球が多く存在し、体外からの侵入者を除去する働きを担います。ガン細胞が多量にできた場合も、リンパ節が腫れるケースが多くあります。

長引くリンパ節の腫れには注意

子どもの発熱時に首のリンパ節が腫れたとき、その原因のほとんどは扁桃炎か咽頭炎だと推測されます。熱が引けば腫れも治まるケースがほとんどですが、リンパ節に触わって痛みを感じるのであれば、溶血性連鎖球菌感染症、化膿性リンパ節炎などの感染によるリンパ節炎が疑われます。

一方、腫れているのに痛みがない場合は、悪性リンパ腫やガンのリンパ節転移の可能性もありますから、痛みのないリンパ節の腫れが長く続くときは甘く見ずに病院へ行ってください。

リンパ節とデトックス機能

リンパ系はデトックス機能も担っています。

リンパ液は体内を巡り、老廃物を回収し、リンパ節から排出されます。ただしリンパ液の流れはとても緩やかです。前述の通り、心臓のポンプ作用のように押し出す力を持っていませんし、全身を巡るスピードでいえば、血液が1分弱に対しリンパ液は半日かかるといわれています。

それでも健康な人のリンパ液は、独自の力でスムーズに流れていけます。しかしストレスや生活習慣の乱れから自律神経が狂ったり、運動不足で身体の動きが悪くなると、リンパ液の流れも滞ります。すると体内の余分な水分が回収できず、むくみや免疫力の低下が引き起こされます。

リンパの巡りは、運動で解消

マッサージなどでリンパの流れを改善することも悪くはありませんが、常にリンパが流れる健康体でいるためには、生活習慣の改善が一番でしょう。

リンパ液の流れは筋肉の動きで促されますから、まずは運動不足を解消してください。リンパ管は弁を持ち、周囲から力が加わることでリンパ液の流れが促進されます。筋肉を動かせば、それだけリンパ管が周囲の組織から圧迫され、リンパ液の流れがスムーズになっていきます。

座り仕事で運動不足の方は、1時間に1回は立ち上がって身体を動かしておきましょう。2020年は自粛が求められ、運動量が落ちている方が多いはずです。家の中でもできる運動を行い、リンパ液の流れを止めないよう工夫してはいかがでしょうか。

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