先生に聞いてみた!
【先生に聞いてみた!】スーパーフードは「歴史ある食材」?
久々の買い物、楽しかった!
最後にスーパーフードのお店に寄りたいんだけど、いい?
もちろんOKよ。
でも「スーパーフード」って久々に聞いたわ…数年前までは雑誌やテレビでも散々騒がれていた気がするけれど。
私は美意識が高いから、メディアで騒がれなくなっても、ちゃんとスーパーフードを食べる生活を継続しているのよ!えっへん!
3日坊主にしては珍しい!食生活の改善は継続が何よりだからね。
むふふ。今日もいっぱい買うぞ〜!
アセロラエキスとアサイージュースでしょ、クコの実でしょ、キヌアとチアシードでしょ…。あとは帰るだけだから、フレッシュなビーツとケールも買っちゃおう。
は〜
いろいろあるのねえ…
亜麻仁オイルと、ココナッツオイルも必須よね。これで身体の中から美しく…。
あとはスピルリナと、タイガーナッツはお徳用サイズをっと…。
ふーん…「アマランサス お米に混ぜて炊くとよい ビタミンK・カルシウム・リン・マグネシウムが豊富」ねえ…。一番小さいサイズをお試しに買ってみようかな。でも1,200円もするのね。1,200円あったら野菜がたっぷり買えるわ…。
私は、お会計、しめて24,000円!
ちょっとちょっと!
改善すべきは食生活じゃなく、経済観念じゃない!?
えー??
美しくなる食べ物のためなら惜しくないよぉー?
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。
私はスーパーフードという名前には、騙されないわよ!
買う前に、どんな定義で、どう生活に取り入れたらいいのかをまずは調べてみましょう。
スーパーフードの定義とは
スーパーフードは提唱者によってあげられる食材が変わりますが、おおむね以下のような条件を満たすものが当てはまります。
【スーパーフードの一般的な定義】
- ・健康によい栄養素が豊富で、低カロリー
- 抗酸化作用が強い
- 老化や生活習慣病の予防によい
- ガンのリスクを遠ざける
- 一部の栄養素がたくさん含まれている
- 食材と健康食品の両方の用途を持ち合わせ、一般的な食材とサプリメントの中間の役割を担う
上記の定義に、もうひとつ大切な条件が加わります。それは「人が食べてきた歴史が長く、食べることによって起きる影響が解明されており、安心安全に食べられるもの」という条件です。つまりスーパーフードは、「最近流行り始めた怪しい食材」ではありません。
なるほど、歴史ある食材だと知れば、安心して食べられるわね。
2000年代、なぜスーパーフードが話題になったのか
スーパーフードには、ビタミン・ミネラル・アミノ酸やクロロフィルといった必須栄養素が多く含まれています。またスーパーフードの栄養のほとんどは自然由来であり、人工的な栄養を添加したものではありません。
特に植物由来の栄養素が多いため、自然派食材が好きな方や健康な食生活に興味がある方に受け入れられたのでしょう。
野菜や植物に含まれるある種の成分が健康や美容に効果的、という考え方は、漢方や薬膳にもつながるため、「病気を治す」ではなく「より健康に、より美しく」という願いを持った女性たちにスピーディーに受け入れられたという面もありそうです。
副次的な理由ですが、美容業界や海外セレブたちが「飲んでいる / 食べている」という情報がSNSで簡単に伝わるようになり、日本の若い世代に一気に広がったことも興味深いですね。
Instagramで見るセレブの食生活はすぐに真似したくなるのが、流行に敏感な女子の「当たり前」よ!
身近な食材から、聞きなれないものまで
目新しいものが取り上げられるのは当たり前ですが、外国からやってきた馴染みのないスーパーフードだけではなく、身近な食材からも栄養を摂ることをおススメします。
【海外から日本に入ってきたスーパーフードの例】
- アサイー
- チアシード
- モリンガ
- ココナッツオイル
- タイガーナッツ
たとえばチアシードは栄養価が高く、グルコマナンという食物繊維が豊富に含まれるため便秘解消におすすめです。ココナッツオイルには中鎖脂肪酸が含まれ代謝をよくする働きが期待できるといわれています。
【日本でも昔から食べられてきたスーパーフードの例】
- リンゴの皮
- 人参の葉
- ゴマ
- 緑茶
- 甘酒
- 大豆類
甘酒は「飲む点滴」としても話題になりました。原料の酒粕や米麹には必須アミノ酸や酵素が多く含まれています。また玄米はビタミン・ミネラルが豊富な完全栄養食として有名です。
そう聞くと、スーパーフードといっても特別なモノではなさそうですね。
流行に左右されずスーパーフードを生活に取り入れるには
食べてすぐに健康になれる食材は存在しません。だからこそ継続的な食習慣の改善や、栄養豊富な食材をより効果的に食べるため、スーパーフードは役立ちます。
また全員に効くスーパーフードなどありません。食べ物ですから、人によって相性があります。食べてみて「ちょっと違うな」となったら、無理をせずに食べるのを止めることも重要です。珍しくなくても、日本に根ざしたスーパーフードはたくさんあります。自分自身が「美味しい」と思える食材を食べるようにしましょう。
確かに、口馴染みのない食材って、なかなか続けられないのよね。苦かったりして、結局甘いシロップをかけることになればカロリーも上がるし。単品で食べ続けるのも飽きちゃって。
(もしかして…キッチンに封の開いたスーパーフードが山積みになっているのでは…?)(怖いから聞かないでおきましょうか…)
教えて先生!
小西康弘Yasuhiro Konishi
医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長
2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士
先生、「スーパーフード」というカッコよい名前についつい惑わされがちですが、結局はナチュラルで栄養豊富なものを食べましょう、というところに落としてよいですか?
そうですね。科学的に、あるスーパーフードを摂った場合とそうでない場合とを比較検討して「効果があるかどうか」を検証することはとても困難だと思います。
ですから、このスーパーフードにはこのような成分が含まれているから、きっと効くはずだ、とイメージでお話をされているのではないでしょうか。
私は、このような話題を通じて自分の口に入るものに関心を持つことこそが大切だと思います。「これはエビデンスがないから、食べるのは意味がない」という主張をするほど、私は野暮ではないですよ!
でもね、いくら「身体によい」といわれているスーパーフードでも、農薬付きで添加物たっぷりでは意味はないでしょうね。ま、知らんけどね。