先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】塗る?飲む?日本酒と美白の関係とは

ゆき

お相撲の力士ってさ、色白だよね。

なつ

突然どうしたの?

ゆき

日本酒が美白にいいって、ネットに書いてあるじゃない。でも私、日本酒飲まないから、「酒蔵の杜氏さんの手がツヤツヤなのは日本酒のおかげ」って書かれても、ピンとこなかったのよ。

なつ

なるほど、私は日本酒が大好きだから、めちゃくちゃピンとくるけどね。

ゆき

でも、「力士が美白なのは、ちゃんこ鍋と日本酒のおかげ」って聞いて、めちゃくちゃピンときたのよ。

なつ

へ〜、そうか。野菜とタンパク質たっぷりのちゃんこ鍋と日本酒は、確かに美容にも健康にもよさそう。

ゆき

だから最近、日本酒成分の入ったスキンケア用品をフルラインナップで揃えました!!!

なつ

相変わらずすぐ影響されるね…。でも力士でも日本酒がキライな人もいるだろうし、ちゃんこ鍋の要素の方が大きいかもよ。稽古もインドアだろうし…。
そもそも塗ることで美白効果が出るのかな。イメージに左右されすぎじゃない?

ゆき

まためんどくさいこと語る〜。飲まなくても美白効果があるなら、その可能性に賭けるの、私は!

なつ

じゃあ私は、日本酒を日常的に飲んでいるからOKね。

ゆき

夜中まで飲み歩いてちゃ、そもそも美容に悪いからね!

登場人物
ゆき
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
なつ
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。

日本酒に含まれる美白成分に注目が集まり、多くのメーカーから日本酒由来の成分が配合されたスキンケア商品が発売されています。

なつ

お肌によいといっても、どうしてなのかよく分からないわね…。まずは調べてみましょう。

αエチルグルコシドとコウジ酸がメラニン生成を抑える

日本酒が美白によいとされるのは、メラニン色素の生成を抑制する成分が入っているから。

まずはαエチルグルコシド。日本酒にしか含まれていない成分で、紫外線が肌の内部に浸透するのを防ぎ、メラニン色素の生成を抑制します。

また日本酒には麹から発見された化合物「コウジ酸」が含まれています。コウジ酸はメラニン合成酵素チロシナーゼの活性を抑制し、メラニン生成を防いでくれることが知られています。コウジ酸は、医薬部外品の有効成分として厚生労働省から承認を得た、代表的な美白有効成分のひとつ。決してイメージだけの話ではありません。

なつ

今使っている美白化粧水のラベルを見たら、確かに「コウジ酸」って書いてあったわ。

ゆき

日本酒ってスゴイね。塗るだけじゃなく、飲んでも効果はあるの?それなら私も飲んでみようかな…。

メラニン抑制だけではない、日本酒のパワー

適量の飲酒であれば、メラニン抑制以外のメリットも受け取れます。

日本酒には自分で生成できない必須アミノ酸がたっぷり入っています。それ以外にも免疫機能を維持するグルタミン酸、循環器系をコントロールして成長ホルモン分泌を促すアルギニンなど、健康維持に欠かせないアミノ酸の含有バランスはとても優秀。アミノ酸はお肌の角質層の原料ですから、日本酒以外からも積極的に摂りたいですね。

また血流をよくして新陳代謝を活発にし、老廃物のデトックスを助ける効果や、リラックス効果も無視できません。日本酒には血管の収縮を防ぐアデノシンという成分が入っています。心身ともに緊張が続き、肩がこわばっているような夜は、いい香りの純米酒を飲んでみてはどうでしょうか。

なつ

こう聞くと、私はやっぱり「飲む派」でいいかな。

お肌のためにも、健康のためにも適量を

最近では、糖尿病の方であっても日本酒は厳禁ではありません。日本酒から発見された活性ペプチドが、インスリンの感受性によい効果をもたらすと実証されたからです。抗酸化力の高いアミノ酸が悪玉コレステロールを減らし、高血圧や動脈硬化などの生活習慣病を予防する効果も期待できます。

ただし当たり前ですが、飲み過ぎはいけません。日本酒は適量だからこそ、健康と美容に力を貸してくれる飲み物です。

適量は「1日2合」。余ってしまったら、無理して飲み切らずに、お風呂に入れてお肌にために使ってみてはどうでしょうか?

ゆき

無理せず併用するのがよさそうね。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

なつ

先生、日本酒にはコウジ酸など、美白によさそうな成分が含まれていることは分かりました。でもそれらの成分がお肌から浸透するかは、イマイチしっくりこないのですが…。

先生

相変わらず面白い話題をみつけきてくれますね。「美白」にも定義があるのはしりませんでした。それにαエチルグルコシドという成分の名前も初めて聞きました。

私も、日本酒が世界的にもっとメジャーになって、たくさんの人に楽しんでもらえるようになればいいと思いますよ。

ただしそれと「化粧水として肌に塗ることで、肌が白くなるかどうか」は別ですね。メーカーとしてはいい売り文句がないかを常に探しています。これだ!という成分があれば大々的に宣伝するでしょう。果たしてどこまで科学的に検証されているのか知りたいところです。

たとえば販売先のホームページを見たとき、コウジ酸の入った化粧品とそうでない化粧品とを比較して、「肌が白くなる効果を確認できました」という実験結果が示されてあればある程度信頼できると思いますよ。そうでなければ、単にコウジ酸に美白効果があると分かったから、それを売りにして商品がつくられた可能性があります。

以前、ポリフェノール(クロロゲン酸)が含まれていることを売り文句にして発売されていた缶コーヒーがありましたが、微量しか含まれていないコーヒーポリフェノールが、実際に体中で抗酸化作用を及ぼすかどうかは疑問だと私は思っています。それよりも缶コーヒーなどに含まれる砂糖が及ぼす健康被害の方が大きいだろう…とツッコミを入れたくなってしまいます。

それでも、「大企業の商品だから本当なんだろう」と信じてしまうのは、日本人の人のよさだと思います。これ以上は身も蓋もない話になってしまいそうですが、決してこれらの商品を個別に攻撃しているわけではないので、悪く思わないでくださいね。ま、知らんけどね。

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