先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】うがいで感染症予防をするのは、日本だけ?

ゆき

新型コロナのニュースで見たけど、海外の人ってマスクしないのね!

なつ

そうみたいね。さすがに今年の日本にいる外国人の方は、マスクをして歩いているけど…。日本ほど一般的ではないみたいね。

ゆき

国がマスクを国民全員に配布なんて、日本以外じゃ考えられないのか〜。
マスク不足で価格高騰とかも、日本ならではの話題だったんだね。

なつ

それだけじゃなく、海外ではうがいもしないらしいわよ。

ゆき

ええー!ほんと?

なつ

気候も文化も違うから、一概によい悪いではないけれど、風邪や新型コロナを防ぐときに、日本人ならうがいなしでは考えられないよね。

ゆき

そうか…外国人のダーリンとのキスは、今時期は考えモノだね…

なつ

そんな彼氏、いたっけ?

ゆき

コンパも飲み会も控えておとなしくしてるんだから、妄想くらいさせて〜

なつ

ちなみに相手が日本人であっても、うがいをしていても、うつるときはうつるからね、うかつな行動は控えるように!

登場人物
ゆき
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
なつ
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。

新型コロナの流行で、手洗いうがいをする習慣が今まで以上に重要視されています。新しい行動様式として、マスクや手のアルコール消毒も定着しました。中でものどにウイルスを入れない最大の防御策が、うがいです。

なつ

新型コロナウイルスであっても、結局は風邪ウイルスの一種。世界的な騒ぎになっていますが、予防としてはいつもの風邪と同じ方法しかないと思いますが…。

風邪は身体の急性の炎症

風邪とは、身体の急性の炎症です。悪化時の発熱や鼻水、咳などは、ウイルスを身体から追い出そう身体が戦っている証拠でもあります。

免疫力が高い人はさっさと戦いに勝ちますが、低い人はなかなか退治できずに風邪を長引かせる、というわけです。

風邪を予防し、早く治すためには、「鼻やのどにウイルスを付着させない」「免疫力を高める」という対策しかありません。

ゆき

風邪の治療薬を見つけたらノーベル賞もの、らしいです!

日本では当たり前のうがい、手洗い

日本で育った私たちは、子どもの頃から「家に帰ったらガラガラとうがいをする」と刷り込まれてきました。しかし日本ほど日常的にうがいが行われている国は、ないといわれています。

特にヨーロッパでは、「ガラガラうがい」の存在自体を知らない人も多いとか!「そもそも、うがいが風邪予防に効果的なの?」と疑問を持っている方もいるようです。その代わりに海外では、アルコール消毒液での食前の手消毒や、鼻掃除などの予防策が取られています。

ただし「海外にはうがいが存在しない」わけではありません。一般的には行われていないだけで、医療関係者はその有効性に関する知識は持っていますし、「しっかり予防したいから、うがいをしよう」と実践している人もいるはずです。安易に「日本だけだ」という極論を信じてしまうのも、考えモノではないでしょうか。

なつ

水がふんだんな日本では、なんと平安時代後期の文献にはうがいの事例が書かれているそうです!日本の公衆衛生のレベルの高さが分かりますね。

うがい薬は有効?

最近の研究結果では、うがい薬を使うよりも「水うがい」の方が、風邪の予防効果が高いという研究結果が知られ始めてきました。

うがい薬は高い殺菌効果を持ちますが、のどの粘膜細胞を傷つけてしまう可能性があります。さらに抗菌効果が強すぎると本来あるべき菌が減ってしまい、身体の抗菌力が弱まってしまう「菌交代現象」が起きるともいわれています。

おすすめは、帰宅後などの通常時は水うがい、風邪の引き始めや感染リスクの高い場所から戻ったときはうがい薬、と、シーンによって使い分けることです。

ゆき

新型コロナを防ごうと、毎回毎回うがい薬を使っていました…。

水で十分! 口の中をきれいに保とう

世界の事情はともかく、私たちは「水うがい」を徹底しましょう。口の中にはすでにウイルスが付着している可能性がありますから、先に口の中をすすいでから行ってください。

「朝起きてすぐに歯磨き・うがいをする人は、インフルエンザにかかりにくい」ともいわれています。風邪もインフルエンザも新型コロナも、予防の機序はまったく同じ。正しく恐れ、正しく予防策を取ってくださいね。

なつ

なるほど、ただうがいするだけではなく、シーンに合わせて効果的に行うべき、ということですね。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

なつ

先生、万が一、手に新型コロナのウイルスが付着しても、手を洗えばいい。そして万が一、口にウイルスが入ったとしても、のどの粘膜に入り込んでしまう前にうがいで除去すればいい…という認識で合っていますか?

先生

今回のパンデミックは、現代人にとって初めての経験なので、情報も混乱し、何が本当か判断が難しくなっていますね。専門医といわれる先生の間でも話が違うこともあり、一般の方は何を信じたらいいのか困っておられるというのが、本当のところではないでしょうか。

基本的には、コロナウイルスは風邪ウイルスの一種ですので、必要以上の特別な対策が必要なわけではありません。ウイルスは気道を経由して私たちの体内に入ってきます。鼻腔や口腔内にウイルスが入るのを防げたら、感染は成立しないということは覚えておいていただくといいと思います。

その上での、手洗いやうがいはとても意味があることです。細かいことをいうと、鼻腔を経由した上、咽頭に侵入したウイルスはうがいだけでは洗い流すことはできませんから、鼻うがいも有効かもしれませんね。ま、知らんけどね。

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