先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】飲む点滴・甘酒が体調を整えてくれるのはなぜ?

ゆき

疲れた〜。
アクティブに動く元気が出ない…

なつ

どうしたの?

ゆき

それはずばり、運動不足、食生活の乱れ、睡眠バランスの崩れなどによる、総合的な身体の不調です!だるくて、ベッドから出たくない日が続くの、何とかならないかな。肌もボロボロだし…。

なつ

すごく偉そうに自己分析しているけど、自己管理がなっていないってことじゃない?

ゆき

うーん。栄養ドリンクも、いつものビタミン剤も、効かなくなっちゃったよ。

なつ

甘酒、飲んだら?
「飲む点滴」っていわれているくらいに滋養たっぷりだし、変なドリンク剤よりずっと安全だと思うけど。

ゆき

甘酒って、そんな効果があるんだ。
でもお正月に初詣で配ってくれるのしか、飲んだことないよ。

なつ

確かに、冬に飲み物のイメージが強いわね。でも江戸時代には、夏バテ予防の飲み物として甘酒屋さんがたくさん町を歩いていたみたいよ。俳句でも「甘酒」は夏の季語だし。

ゆき

そういえば、ドラッグストアやスーパーでも甘酒ドリンクは年中並んでいる気がする。自分には関係ない飲み物だと思い込んでいたけど…。

なつ

いい機会だから、甘酒について調べてみましょう。

ゆき

あっ、でも私、お酒はあまり飲めないからね。

なつ

その辺は、大丈夫です!

登場人物
ゆき
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
なつ
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。

市販されている一般的な甘酒は「アルコール入り:酒粕甘酒」と「アルコールなし:麹甘酒」の2種類で、アルコール成分が含まれるかどうかは、原材料の違いによります。

なつ

甘酒という名前で販売されていても、アルコールが入っていない種類のものもあります。まずはその違いから確認していきましょう。

酒粕甘酒と、麹甘酒

日本酒をつくる段階で生まれる「酒粕」を溶かし、飲みやすくするために砂糖などを加えたものが「酒粕甘酒」です。酒粕に含まれるアルコール分は、当然ながら酒粕甘酒にも残ります。

それに対し、お米を米麹で発酵させてつくるのが、麹甘酒です。アルコール分は含まれません。麹甘酒がほんのり甘いのは、発酵過程でお米のでんぷんが糖に変わるため。砂糖を加えなくても、飲みやすい甘さに仕上がります。

どちらがいいのか、というのは好みの問題でしょう。酒粕甘酒をお酒として楽しむのもよいですし、麹甘酒なら子どもや妊婦さんまで幅広く飲めるという利点もあります。

なつ

ただし、「栄養」「健康効果」という視点で優れているのは麹甘酒なんですって!

麹甘酒は必須アミノ酸の宝庫

麹甘酒が飲む点滴とまでいわれる大きな理由のひとつに、自分の体内では生成できない9種類の「必須アミノ酸」がすべて含まれていることがあります。

必須アミノ酸は筋肉・皮膚・臓器、そして酵素やホルモンの原料でもあります。肉や魚、野菜をバランスよく食べなくても効率よく必須アミノ酸を摂取できることから、麹甘酒に注目が集まっているのです。

それだけじゃない麹甘酒の栄養メリット

麹甘酒の栄養メリットは、アミノ酸だけではありません。

  • ブドウ糖
  • コウジ酸
  • ビタミンB群

ブドウ糖は脳のエネルギーとなり、集中力・記憶力をサポートします。疲労や体力が落ちたときに打つ点滴は、まさにこのブドウ糖と電解質溶液を静脈に注入するもの。ブドウ糖は、人が元気に動き回るために必要な栄養なのです。

麹甘酒に含まれるコウジ酸は、シミやくすみの原因となるメラニン生成を抑える美白有効成分として、医薬部外品のスキンケア商品などに用いられています。

麹甘酒にはビタミンB群(ビタミンB1,B2.B6)も含まれています。ビタミンB1は疲労回復、ビタミンB2は新陳代謝の促進に。ビタミンB6はホルモンバランスを整え、お肌や粘膜を強くする役割を担っています。

ゆき

なんかよく分からないけど、とにかく、身体にいいことは分かってきた…

腸内環境の改善も期待できる

麹甘酒には食物繊維とオリゴ糖が含まれています。オリゴ糖は、大腸まで到達し、善玉菌やビフィズス菌のエサとなります。オリゴ糖は消化吸収されないため、血糖値も余り上昇しません。血糖値が気になる方にも、麹甘酒はおすすめです。

人の免疫細胞の60%は腸内に存在します。腸内環境が整えば、免疫の活性化を高める効果も期待できるのではないでしょうか。

ゆき

メリットが多すぎて、覚えられない…
頭の容量いっぱいです…

栄養は身体の中でジワジワ成果を出す

麹甘酒が美容健康によい理由は本当にたくさんありますから、すべてを覚える必要はありません。

まずは麹甘酒を飲んでみましょう。もちろん病院で打つ点滴とは違いますから、即効はありません。

しかし、数日様子を見て「なんか調子がいいな」と思えたら、それはさまざまな栄養素たちが身体の中で頑張ってくれている証拠。肌トラブルや目の下のクマが少し減る、頭がスッキリする…という日が増えたなら、麹甘酒のおかげかも知れません。

なつ

万能薬感がありますね。でもブームに乗って短期間だけ飲んだり、もしくは飲み過ぎたりは、意味がありません。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

なつ

先生、麹甘酒は、日常的に飲んでもいいものなのでしょうか?
本当に健康によいなら、たとえば毎朝飲む習慣にしてもよいですか?

先生

確かに、麹甘酒には、腸内環境を整える上でとてもいい成分が含まれていますね。毎日の習慣にしてもいいと思いますよ。

ただし、一般に市販されている麹甘酒には、甘さを強めるために糖分が入っていたりすることがありますので、成分をきっちりと確かめてから選択されるのがいいのではないでしょうか。「身体にいいから」と毎日飲む麹甘酒が、腸内環境を整えるどころか、腸管内のカンジダの餌になっていたというのでは洒落になりませんからね。ま、知らんけどね。

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