先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】リンゴでアレルギー反応が出る?それなら「バラ科」を調べてみて!

ゆき

フルーツパフェ食べたい。

なつ

たまにはいいね。付き合おうか?

ゆき

でも実は私、リンゴ食べると口の周りにアレルギー出るんだよね。大人になってからはマシだけど、小さいときは大変だったの。

なつ

それは知らなかった!

ゆき

だからパフェのときは、お店に頼んでリンゴだけ抜いてもらま〜す。

なつ

他は大丈夫なの?

ゆき

小さいときに受けたアレルギー検査で「リンゴですね」っていわれたっきりで、他は知らないよ。怖がらせないで〜。

なつ

いや、あくまでイメージだけど…果物アレルギーの人って、複数の果物に反応することが多い気がして。

ゆき

もしや私の不調や湿疹…リンゴ以外にも原因が…?

なつ

これは調べてみましょう。
私も知っておかないと、秋の果物狩りも、フルーツビュッフェも誘いにくいから。

ゆき

余計に行きたくなるからやめて〜!

登場人物
ゆき
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
なつ
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。

リンゴはバラ科の果物です。一般的な食材ですが、リンゴアレルギーを持つ方は意外と多く、その裏側にバラ科アレルギーが潜んでいることがあります。

なつ

リンゴアレルギーのケースは2つ。リンゴそのものにアレルギーがあるときと、花粉症に関連した「口腔アレルギー症候群」のとき…なるほどね!

口のまわりに症状が出るときは

リンゴをはじめとするバラ科の果物では「口腔アレルギー症候群(OAS)」に注意が必要です。果物を食べている最中か、食べた直後に口元がピリピリしたり、腫れてくるような症状があれば、口腔アレルギー症候群(OAS)の可能性があるでしょう。

OASでは、果物に触った手などに症状が出ることはほとんどありません。もし、果物を食べたあとに呼吸困難や喘息、嘔吐などの症状が出たり、アナフィラキシーショックで意識を失った場合は、すぐに病院へ搬送してください。

ゆき

こわいなぁ。
でも私はリンゴだけだと思うんだよね…。

バラ科アレルギーは気付きにくい

バラ科の果物はリンゴだけではありません。イチゴ、モモ、ナシ、サクランボなどの、日常的に食卓に上がるものが多くあります。

検査で「あなたのアレルゲンはリンゴです」と明確になったとき、その方はリンゴを食べるのを避けるはずです。しかし、もしリンゴアレルギーではなく「バラ科アレルギー」であったとしたら、リンゴだけを避けた生活にあまり意味はありません。

しかし共通項を見つけられず、自分がバラ科の果物全般に反応していると認識できないことも多くあります。

なつ

なるほど、自分の体調不良を「バラ科」に結び付けられる方は少なそうですね。

ゆき

そんなの分からないよ!

アレルギー科を受診

一般的なクリニックでも、簡単なアレルギー検査はしてもらえます。ただし「リンゴとナシに反応が出ていますね、この2つは避けてください」というレベルで終わってしまえば、その裏側にあるバラ科アレルギーの可能性に行き着かないままになってしまいます。

アレルギー科や、専門医であればアレルゲンの共通点を見つけることもできるでしょうし、詳細な検査も可能です。もし「現在分かっているアレルゲンを避けても、体調不良が治らない」ということがあれば、専門機関を受診してみてください。

なつ

アレルゲンがひとつだけ、というケースは稀のようです。

食べるのをやめるのは根本的な解決ではない

すべてのフードアレルギーにいえることですが、「アレルゲンを食べるのを避ける」はあくまで対症療法です。反応しているのは「アレルギーを起こす腸」ですから、アレルゲンに過敏に反応しない強い腸をつくることが、根本治療といえます。

症状が重い場合は「食べない」という選択肢も重要ですが、忌避し続けるのではなく、並行して腸内環境を整えることも意識しましょう。

そしてバラ科には、意外な食材も含まれます。アンズやアーモンドなどもバラ科ですから、自分が「バラ科アレルギーかも」と思ったら、一度バラ科の食材を丁寧に調べてみてはいかがでしょうか。

ゆき

アーモンドは盲点!

なつ

でも確かに、猫アレルギーの人はライオンにもアレルギー反応を起こすかもしれないと思えば、「バラ科」というくくりもあり得る話ですね。

ゆき

わ、私は、今からどうすればいいのでしょうか…。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

なつ

先生、リンゴでアレルギーが出る人は、どうしてバラ科全般にアレルギーが出るのでしょうか?

先生

リンゴにアレルギーが出る人は、バラ科全体に反応する可能性があるというのは、意外だったのではないでしょうか。食材にアレルギーがある場合、どうしてもその食材だけにアレルギー反応が起こるように思ってしまいますが、本当は違います。

アレルギー反応というのは、実は食材全体に出ているのではなく、一部に含まれている特定のタンパク質に反応を起こしているのです。そのタンパク質を「抗原(アレルゲン)」といいます。アレルゲンが含まれているものであれば、どのような食材でも反応が起こる可能性があり、このことを「交差反応」といいます。

このことは、リンゴに限らずアレルギーに悩む方々に知っておいてほしいですね。

先生のこぼれ話…

では、アレルゲンを含む食材はすべて食べるのを止めないといけないのか…というと、そうではありません。

そもそもアレルゲンに対して異常なアレルギー反応が起こるのは、身体の免疫反応がバランスを崩しているからです。そして、異常なアレルギー反応を起こす原因のひとつとして、腸内環境が非常に重要な役割を果たしていることも、あわせて知っていただきたいと思います。

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