先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】ファクトフルネスで見つける、正しい健康リテラシー

なつ

ゆき、「ファクトフルネス」って知ってる?

ゆき

なになに、話題のサプリメント?
おすすめなら買ってみるよ〜。

なつ

サプリメントじゃなくて、あなたみたいな人が読むべき本よ。

ゆき

本か〜。そこにお金使うなら、美容に効く商品を買いたいなあ。

なつ

ねえ、サプリや美容商品に年間いくらくらいの投資をして、どれくらいリターンがあるの?

ゆき

うーん、サプリメントとドリンクだけで月に2万円以上は使っているから…年間30万くらい? ネットで話題の商品を買ってもなかなか痩せないし、なかなか美肌にもなれないけどね!

なつ

椅子に縛りつけてでも、「ファクトフルネス」を読ませたいわね…。

登場人物
ゆき
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
なつ
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。

ベストセラー「ファクトフルネス」には、データや事実にもとづき、世界を読み解く習慣について詳しく書かれています。

世の中には情報が溢れていますが、「自分は賢い」「情報を取捨選択できている」と思っている人ほどとらわれがちな「10の思い込み」から解放されることで、世界を正しく見ることができるようになります。


ゆき

でも、賢い人たちがいろいろ難しい理論をこねくり回しているだけじゃないの?

なつ

じゃあ、こういい換えたら?
ゆきが「どのサプリメントを買おう」と迷っているとき、自分の力で正しい情報を選択できるようになるスキルよ。

ファクトフルネスで見つかる、正しい健康情報

ファクトフルネスには、事実を事実のまま見ることを妨げている要因が分かりやすく書かれています。いくつか紹介しましょう。

分断本能
人や物事を2つのグループに分けて、その間には埋まらない溝があると思い込む

恐怖本能
危険を予知したとき、頭が恐怖でいっぱいになり、事実を見る余裕がなくなる

単純化本能
世の中のさまざまな問題に対して、1つの原因と1つの回答を当てはめてしまう

ゆき

どういうことだろう?

身近なところで活用できる、情報の取捨選択

たとえば「この食品は危険だ!」というニュースを見たとき、恐怖心にとらわれて「絶対食べてはいけない、すぐにキッチンにあるものを捨てよう」と思い込んでしまうことはありませんか?

その食品が本当に危険なのか、なぜ危険なのかを理解せず、たまたま見聞きした怖い情報に踊らされるのが、「恐怖本能」です。ネットで健康情報がすぐに手に入る時代だからこそ、事実にもっと目を向けましょうというのが、ファクトフルネスの主旨です。

なつ

最近は新型コロナのこともあり、雑多な健康情報があふれていますから、情報の取捨選択スキルは必須ですね。

健康リテラシーとは

健康リテラシーとは、健康情報を自己の目的に適合できるように使用できる能力のことをいいます。せっかく知った情報も、自分の幸せのために役立てられなければ意味はありません。

また情報に沿った行動でも、よりストレスが溜まったり不幸になるのであれば、それも正しい情報とはいえません。

なつ

その見極めができなければ、健康情報に振り回され、ストレスが溜まったり結果を人のせいにしてしまいますよね。

ゆき

でも、せっかく飲んだサプリメントで痩せなければ、それを誰かのせいにしたくなるのは当たり前じゃない? 教えてくれた人とか、宣伝していたメディアとか…

情報には発生源がある

では、「このサプリメントで痩せるよ」という情報をネット上に流しているのは誰でしょうか。

飲んだ本人の信頼できる情報を、「一次情報」といいます。それが誰かに伝わり「二次情報」になりますが、正確性は一次情報より劣ります。さらに、どこかで聞いたことがある、よく知らないけど見たなどの「三次情報」になると、ますます正確性は落ちてしまいます。

ゆき

ふむふむ…。


情報が人を介する機会が増えれば増えるほど、「その人のフィルター」を通って伝達されますから、ある部分は大きく、ある部分は矮小化されて世に届いてしまうのです。三次情報を信じて健康食品を買うことと、そこに真実(ファクト)があるかどうかは別の話です。

なつ

通販で口コミやレビューが重要視されるのは、少しでも一次情報を知りたいという意識があるからですね。

ゆき

うーん…自分が信じている情報の立ち位置を知ることが、無駄なお金を使わないことにもつながると思うと、ファクトフルネスの大切さが分かってきました。

情報のメタ認知

伝言ゲームのように届いた情報に惑わされないためには、「情報のメタ認知」がおすすめです。これは、その情報をひとつ上の次元から見るということです。

自分の正しいと思う情報を妄信せずに、正反対の意見も知ってみてください。人はどうしても、自分の考えに批判的な意見を受け入れたがりません。しかし、あなたの見えている世界と、真実は違うかもしれません。

なつ

詳しく知りたい方は、ぜひ「ファクトフルネス」を読んでみてくださいね!

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

なつ

先生、ファクトフルネスという考え方は、私たちが健康リテラシーを上げるためにとても有効に思えます。もう少し教えていただけますか?

先生

情報の発信者には、発信するだけの「何らかの意図」があると考えないといけません。普段の生活では、「その人がなぜこのような情報発信を行うのか」までは考えずに、その情報を鵜呑みにすることも多いのではないでしょうか。

あるいは、私たちは無意識のうちに「自分にとって居心地の良い情報」だけを受け入れて、「居心地の悪い情報」は無視してしまいます。つまり自分の頭に残った情報は、すでに主観的なフィルターで無意識に取捨選択されているわけですね。

先生のこぼれ話…

客観的でいるようでいても、「先入観」から逃れるのはかなり難しいことです。
つまり、私たちが「この情報は正しい」と思った時点で、それは公正な偏りのない情報からは大きく逸脱している可能性があるのです。

ネットを検索すればどのような情報でも手に入る時代だからこそ、情報を取捨選択する能力が重要になったといえますね。

ファクトフルネス」は世界的にもベストセラーになった本ですが、とてもボリューミーなので、そのエッセンスをまとめた動画を作りました。興味のある方は参考にしてみてください。

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