先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】信頼していいの?mRNAワクチンのメリット、デメリット

しんじ

「mRNAワクチン」って理解できているか?

さとみ

新型コロナウイルスの遺伝子の設計図を注入するんでしょう?

しんじ

そういうことはネットを見ればだいたい書いてあるんだけど、知りたいのは、ワクチンの概要ではなく「その技術を信頼していいのか」ってことなんだよ。

さとみ

もう信頼するしかないじゃない。

しんじ

でもよく分からない成分を体内に入れるんだぞ?
安心していいのか、知っておきたいじゃないか。

さとみ

心配性ね。ここまで来たら、イチかバチかどーんと構えて打つしかないじゃない。

しんじ

とにかく、mRNAワクチンワクチンの仕組みと、その安全性について教えてくれ〜!

登場人物
しんじ
健康診断の結果と、ラクにできそうな健康情報に敏感な会社員。
メタボが気になりだして最近ジョギングを始めた。
情報源はネットニュース。ラーメンとTVドラマが好き。
さとみ
何より無駄遣いが嫌いな、計画的しっかり主婦。
週に3回、英会話教室の講師をしている。
趣味は温泉旅行とワイン。子どもはいない。

賛否ある新型コロナウイルスのワクチン。その理由のひとつに、「mRNA」という新しい技術を使ったワクチンということがあります。果たしてこのmRNAワクチンを、信頼してもいいのでしょうか。

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

さとみ

先生、ウイルスとワクチンの仕組みについて教えてください。

先生

ウイルスは、生物なのか物質なのかハッキリしない、不思議なものです。

まず人間などの動物の細胞には核や細胞質があり、遺伝子(DNA)に描かれた地図を元にタンパク質を生成します。私たちの身体はそのタンパク質によってつくられています。

しんじ

ウイルスにも遺伝子ってあるのでしょうか。

先生

ウイルスも人間同様に遺伝子(DNAやRNA)を持っています。しかしウイルスの遺伝子には、設計図はあってもタンパク質をつくるところが存在しません。自力でタンパク質をつくれないということは、自力で増殖できないということです。だからウイルスは人や動物に感染して、その設計図を元にタンパク質をつくり出し、増殖システムに入り込んでいくのです。

しんじ

だから感染しないと増えていかないのか…。

さとみ

自分で増殖できないものを「生物」と呼んでいいのか、謎ですね。

先生

そんなウイルスに対抗するため、人類は新しいワクチン技術をどんどん生み出してきました。現在接種が進んでいる新型コロナのワクチンは、一般的に「mRNAワクチン」と呼ばれている種類です。

しんじ

詳しく教えてください。

先生

従来のワクチンには「生ワクチン」と「不活化ワクチン」があります。

生ワクチンは生きたウイルスや細菌の毒性をできるだけ抑えて、免疫ができるギリギリまで弱めたもので、風疹や水ぼうそう、はしかなどの予防に使われています。

しんじ

子どものときの予防接種で受けたやつですね!

先生

不活化ワクチンは、ウイルスや細菌の毒性を完全に消し、抗体を作るのに必要な成分だけを製剤化したものです。ワクチンによって複数回の接種が必要なことが多いですね。インフルエンザには、不活化ワクチンが使われています。

さとみ

ではmRNAワクチンは、どのような特徴を持つのでしょうか。

先生

身体の免疫システムが「抗原」と認識する部分のRNAだけを、遺伝子工学の技術を使ってつくり出し、人間に接種します。ここではウイルス自体はまったく使われていないのです。ウイルスのRNA配列はすべて分かっていますから、人工的に設計図のダミーをつくったようなものだと考えてください。

人間のタンパク質増産システムは、この設計図を読み取って抗原認識に必要なタンパク質をつくり出します。すると、私たちの免疫システムがこの抗原を認識して抗体をつくり出す、というのがmRNAワクチンの仕組みです。

さとみ

ウイルス自体は入れないだけでなく、RNAもウイルスのものではないのですね。
不思議だと思っていました。

先生

そうです。生ワクチン不活化ワクチンのように、ウイルスそのものを利用するわけではなく、ウイルスの設計図だけを、遺伝子工学技術を用いて、人工的に作成し、注入する方法です。ワクチンという名前が付いていますが、今までとはまったく違うものだと覚えておいてください。

しんじ

新しい技術なのは分かりましたが、どうしてこの新型コロナのタイミングでmRNAワクチンが出てきたのでしょう。

先生

mRNAワクチンは長い期間研究されてきました。しかし実用化はもっと先だと思われていました。安全性検査や臨床試験に、相当な時間がかかると考えられていたのです。

しかし今回のコロナ騒動で、ゆっくり研究をしている余裕はなくなりました。確かに、何が起きるかは誰も分かりません。接種して数年後に予想外の反応が出る可能性も否定できないでしょう。いきなりの世界的な人体実験ですから。

しんじ

SF漫画の世界ですね。正直、自分がその実験に加わるのはちょっと勘弁して欲しいという気持ちもあります。

先生

でも、実験を今すぐ進めていかないと、世界の人口の2%は死にますよ。

参考記事:コロナワクチンを打たない人が多ければ、社会はどうなる?副反応と死亡率から考える

ワクチンに反対されている方はその事実をご存じなのでしょうか。

さとみ

極端な話をされる方も多いですね。
mRNAワクチンのメリットデメリットをもう少し教えてください。

先生

mRNAワクチンのメリットは、早くつくれて値段も安いことです。だから一気に接種が進められています。

一般的な副反応以外に心配されているデメリットは、ADEという副作用ではないでしょうか。抗体依存性免疫増強といわれる現象で、抗体を持っているがゆえに本物の新型コロナウイルスが入ってきたときに激しい反応がおき、重症化する可能性があります。

さとみ

ADEが何%くらいの確率で起きるかは、分からないのですよね。

先生

はい、まだ不明です。
もし、コロナ感染による死亡率の2%を超えて、10%の人にADEの症状が出るのならば、ワクチンは中止になるのではないでしょうか。検証はこれからですが、データによるディスカッションが求められます。
つまり、私たちは、まだ結論が出ていない問題の真っ只中にいるわけです。

しんじ

やっぱりいろいろ不確実ですね…。

先生

今回は、コロナワクチンの持つ不確実性のお話をしていますが、もう少し希望の持てるお話をしましょう。

私の勝手な推定の話ですが、mRNAワクチンではなく、旧来の製造方法による新型コロナワクチンが出る可能性もありますよね。経験則が多くデータが取れている種類なら、副反応の確率ももっと見えています。少なくとも従来のワクチンで予想外に高いADEが起こる可能性は極めて低いでしょう。

mRNAワクチンが想定外のことで使えなくなったとしても、医学はどんどん進んでいますから、遠くない未来に新型コロナの治療ができるようになっていると思いますよ。

さとみ

希望の持てるお話、ありがとうございました。

先生

新型コロナウイルスで人類が滅亡することはありません。ただしワクチンを打ってからも、密を避けて手洗いうがいを徹底する。これは継続して守っていただきたいと思います。

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