先生に聞いてみた!
【先生に聞いてみた!】ボーンブロススープが気になるあなたへ
またまた、新しい健康ネタを見つけてきちゃった〜。
その名も「ボーンブロススープ」!
鶏とかの骨をぐつぐつ煮込んたスープだよ。腸内環境にいいらしいよ。
へえ。それって参鶏湯と何が違うの?
えーと…何が違うんだろうね。鶏じゃなくても骨ならいいらしいよ。
ふむふむ、煮干しの出汁とは何が違うの?
うん…?
煮干しも確かに骨のスープ…?
テールスープとの違いも知りたいな。
あんまり興味ないくせに、今日はぐいぐい掘り下げるね。
来月、健康雑誌の記事を書くかも知れないから、少しでもネタは持っておきたい。もっとちゃんと教えなさいよ〜。
ライターのネタ集めって、大変だね…
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。
栄養が溶けだしたスープ、考えるだけで身体によさそう〜!
ボーンブロススープ流行の背景
ボーンブロススープの歴史は古く、古代ギリシアから胃腸の弱い人の食事として取りれられてきたことが知られています。動物や魚の骨には豊富な栄養が含まれますから、世界各地で飲まれてきました。現代日本でも、煮干しや鰹節、魚のアラから出汁を取って料理に使うことは多いですよね。
最近のボーンブロススープ流行の始まりは、アメリカです。腸内環境改善に役立つとして、健康志向の高い人たちの間でどんどん広まっていきました。
アトピー性皮膚炎なんかも改善できる…と聞きましたが、本当かな?
ボーンブロススープの栄養が、リーキーガットを治す
ボーンブロススープには、骨や野菜から栄養成分がふんだんに溶け出します。その中にはカリウム、リン、カルシウム、マグネシウムなどのミネラル分や、骨からのゼラチンも含まれています。
そのような成分が、腸の炎症を修復して「リーキーガット(腸漏れ)」を改善し、結果アトピー性皮膚炎やアレルギー、慢性疾患の改善に役立つとされています。特にゼラチンには、免疫力アップや抗炎症作用・細胞保護の効果があるとされ、健康効果を期待する方が多いようです。
へえ、めんどくさくても作ってみる価値はある?
低カロリーで高栄養だけど、時間がかかる?
他にも脂肪燃焼や血糖値を安定させる効果があるとされ、炭水化物が少なく低カロリーなため、健康と美容に興味がある方なら作ってみたいと思うことでしょう。
ただしボーンブロススープは、それらの十分な栄養素を抽出するために、24時間〜48時間煮込むことなどが推奨されています。
48時間…ちょっと現実的ではないですね。仕事に行けない…。
「本当のボーンブロススープ」を飲むのは、至難の業?
手間とコストは、ボーンブロススープのデメリットです。スープに溶け出す栄養素にこだわるのであれば、骨だけではなく野菜や調味料も選別する必要があるでしょう。せっかく作っても、農薬や食品添加物入りのスープであれば、意味はありません。
ボーンブロススープが免疫力を上げ、リーキーガットを改善するのはウソではありませんが、数回飲んだだけでは効果は得られません。健康に関する情報は巷に溢れていますが、本当に活かすには継続が大切です。ボーンブロススープは文字通りあなたの血となり肉となるもの。情報に踊らされず、自分の健康に向き合っておきたいですね。
本当にリーキーガットを治そうと思ったら、半年や1年の継続が必要です。自己満足
で終わらないようにしないといけませんね。
教えて先生!
小西康弘Yasuhiro Konishi
医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長
2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士
先生、魔法のようなボーンブロススープですが、栄養学の専門家としてどうお考えでしょうか。
身体にいいものが話題になり、皆さんの健康意識が高まるのはいいことですね。
しかしリーキーガットやそれに伴うさまざまな不調を改善したいとからといって、ボーンブロススープだけを毎日、せっせと飲めますか?
ボーンブロススープを毎日飲んで、乳酸菌のために毎日ヨーグルトを500グラム、亜鉛のために牡蠣を毎日10個…って食べ続けることは困難でしょう。
割り切ってリーキーガットのためのサプリメントを毎日飲む方が、安定して必要な栄養素が取れますし、かえって経済的で続けやすいんじゃないかな…とも思いますよ。