先生に聞いてみた!
【先生に聞いてみた!】あなたの平熱は何度?熱は出し切った方がいい理由
最近、お店に入るたびに体温を測られるから、自分の平熱が何となく分かってきた!
平熱の把握は大切よね。体温が上がると健康度も上がる、ってよく聞くしね。
あれ…
低い方がいいんじゃないの?
どこでそんな間違った認識を?
平熱が1度上がるごとに、免疫力が上昇するって知らないの?
そういえば…「熱があると入店できない」と思い込んでいるから、最近は低ければ低いほどラッキーって思うようになっていました…。
お店のリスクヘッジとしては熱っぽい人を断りたいだろうけど、健康管理としては36.5度くらいないと。そもそも36度以下は低体温だよ!
そ、そうか…。35度台は低すぎるのか…。
まあ、非接触型の体温計は数値がブレブレだけどね。だからこそお店の測定に依存しないで、自分の平熱を知っておくことは大切です。
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。
体温が36.5℃以上あって、はじめて自然免疫のナチュラルキラー細胞が働くことも分かっています。もう少し詳しく見ていきましょう。
体温が上がることは、悪いことではない
高熱は体力を消耗させ、ときに命をおびやかしますが、発熱自体は身体に悪いことでもありません。熱の因子を排出しようと、身体がフル回転している証でもあります。高温によって悪い細胞や菌を殺そうとしているのです。
そして、熱が下ることと病気治癒はイコールではありません。最近は、解熱剤を飲まずに熱を出し切った方がよいという説も定着し始めました。小児科などでも解熱剤の処方が減っているようです。
ふーん。熱って大切なんだ。
ヒートショックプロテイン
身体の持つ熱の重要性は、ヒートショックプロテインの認知度向上によってより知られるようになってきました。
ヒートショックプロテインとは、傷んだ細胞を修復する働きを持つタンパク質のことです。
とても身近な例ですが、卵を温めると白身が固まります。これはタンパク質細胞の分子構造が変化して固まっていくからです。人体でも、体内の温度が上がると「ヒートショックプロテイン」というタンパク質が分泌され、免疫力を上げたり、乳酸の発生を抑制するなどのプラスの働きを持つことが分かり始めてきました。
ヒートショックプロテインは、増えれば増えるほどいいわけね!
でも発熱すればいいわけじゃないからね。
日々の生活でできる、ヒートショックプロテイン活性法
とても単純な話ですが、入浴で体温を上げることでもヒートショックプロテインを増加させられます。ヒートショックプロテインを活性化させるには、38度程度の体温が必要といわれています。ただし平熱が低い人が急に38度まで上げるのは危険です。平熱プラス1〜2度を目安に上げていきましょう。
最近人気のサウナでも、同様の効果が得られます。細胞にサウナの熱が加わることでタンパク質が損傷し、代わりにヒートショックプロテインが生まれます。
お風呂やサウナを活用しつつ、平熱を上げていきます!
教えて先生!
小西康弘Yasuhiro Konishi
医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長
2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士
先生、体温と健康のかかわりについて、もう少し教えていただけますか?
たとえば、ハイパーサーミアという温熱療法があります。これは42度以上になるとガン細胞は死滅するけれども、正常な細胞は死滅しないということを利用した治療法です。
どうして正常細胞が死滅せずにガン細胞だけが死滅するのかというと、ガン細胞は血管に乏しく局所の温度が上がりやすいのに対し、正常細胞には血管がたくさん入っており、クーリング効果により温度が上がりにくいという特徴があるからです。
それとは別に、基礎体温の高い方はガンになりにくいとされています。これは体温が上がると血液の流れがよくなり、免疫力が高まるからです。このように、身体が熱を持つこと自体は決して悪いことではありませんよ。