先生に聞いてみた!

【先生に聞いてみた!】サプリで飲んでもいい?抗酸化力が欲しい人のための、フラボノイドの基礎知識

ゆき

緑茶にはカテキン、赤ワインにはポリフェノール…

なつ

何をブツブツいってるの?

ゆき

毎日飲むものを、できるだけ健康にいいものにしようと思って。

なつ

それはいい心掛けね。でもカテキンもポリフェノールの一種だよ?

ゆき

え?カテキンはカテキンだし、ポリフェノールはポリフェノールでしょう?

なつ

えーと、カテキンはポリフェノールでもあり、フラボノイドの一種で…

ゆき

ちょっと待って!今飲んでるルイボスティーに「フラボノイドたっぷり」って書いてあるよ。カテキンとフラボノイドは違うでしょう?

なつ

カテキンだけじゃなくイソフラボンとかも、フラボノイドで、そのフラボノイドがポリフェノールの一種なのよ。わかる?

ゆき

呪文みたいで分からないよ!
私は結局何を飲めばいいの〜?

登場人物
ゆき
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
なつ
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。

フラボノイドとは、野菜などの植物によって合成される、多くのポリフェノール化合物のことをいいます。同じ化学式を持つグループの総称で、ひとつの物質だけをさしているわけではありません。

ゆき

まずは一番大きなグループ、ポリフェノールからみていきましょう。

フラボノイドは、代表的なポリフェノール

ポリフェノールは自然界の中に多く存在し、いくつかのグループに分かれます。クルクミン系、フェニルカルボン酸系などいろいろありますが、その中に「フラボノイド系」があり、美容や健康に役立つとしてよく知られています。

フラボノイドは植物の葉、茎、幹などに含まれています。その種類はなんと4,000以上! そしてその中に、皆さんもよくご存じの「イソフラボン」「アントシアニン」などが含まれます。

ゆき

イソフラボン、アントシアニン、カテキン、ルチン、セサミン、タンニン、ケルセチン…よく耳にするこれらの成分は、ぜんぶフラボノイドの一種なのか〜。そして4000種類もあるのはすごい!

フラボノイドの健康効果

特定の生理調節機能にアプローチする「機能性成分」として、注目を浴びているフラボノイド。

植物に含まれるフラボノイドは、紫外線を浴びることによって生まれる活性酸素から自分自身を守るため、抗酸化作用を持っています。活性酸素は人間の老化の原因でもありますから、フラボノイドを摂取することは、シミやしわ、動脈硬化などの老化現象への対策になるといえます。

特に、赤ワインのアントシアニンや緑茶のカテキンなどは、抗酸化力が強いと有名です。

なつ

害虫などから身を守るため、フラボノイドには殺菌作用もあるようです。植物の自己防衛力、強いですね。

フラボノイドを多く含む食材は?

米国農務省によると、100グラムあたりのフラボノイド含有量は、そば(ケルセチン23.05mg)、ニラ(ケンフェロール10mg)、赤タマネギ(ケルセチン19.93mg)、さつまいもの葉(ケルセチン20.54mg)、クレソン(ケンフェロール13mg)とされています。

その他、多くの野菜に含まれていますから、毎日の食事でしっかり野菜類を食べましょう。このとき注意したいのが、皮をむいて食べる野菜です。フラボノイドは皮や種、ワタの部分に多く含まれます。皮をむかずに食べることができる野菜は、なるべく料理に使いたいですね。

ゆき

フラボノイドは、野菜の色や苦みの元なんだって。皮や種が苦い野菜には、フラボノイドがたっぷりってことよね?

なつ

そうだけど、まるごと食べるときは、農薬や産地には気を配ってね!

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

なつ

先生、フラボノイドがポリフェノールの一種であることと、抗酸化力が高いことが分かりました。サプリメントで摂ってもいいでしょうか?

先生

健康維持の一環としてフラボノイド系のサプリを選択することはよい方法だと思います。ただ、まだまだ人体に対するエビデンスの積み上げは十分ではないことは知っておいてください。

「フラボノイド◯◯mg含有」という言葉だけを信じて、サプリメントを摂り続ける生活には注意が必要です。サプリメントを売る側の立場で考えてみることも重要ではないでしょうか。

先生のこぼれ話…

「人体に対するエビデンス」について補足します。フラボノイドの抗酸化作用について、動物実験のレベルでの報告は多くあっても、それをサプリメントととして人間が摂ったときどれほどの「効果」があるのかについては、まだ不確定ではないか、ということです。

ただし、フラボノイドの中でもクルクミンについては薬理効果が詳しく研究されています。NFκβ(カッパ・ベータ)という炎症物質を抑制することや、抗ガン作用があることが明らかになっているのです。抗酸化系、フラボノイド系のサプリメントを選ぶならば、クルクミンを含んだものを選択されるのもいいかもしれません。

サプリメントもいいですが、日常生活で大切なのは、フラボノイドを多く含むという苦味のある野菜をできるだけ多く食べることだと思いますよ。

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