正しい知識

遺伝子組み換え(GM)食品って安全?未知数なリスクと、私たちの付き合い方

「遺伝子組み換え食品」、どのような印象をお持ちですか?

遺伝子組み換えとは、英語で「Genetic Modification」といい、その頭文字を取って「GM」とよばれています。同じくバイオテクノロジーで改良された作物をは「Genetically Modified Organism」、略して「GMO」です。

日本で、遺伝子組み換え商品を避けようと思うなら、健康食品店やナチュラル系ショップに行くのが手っ取り早いでしょう。そのようなお店では「GM食品」「NON-GM食品」など、GM食材を使っているかどうかが記載された商品が多いからです。

昨今の健康・安全ブームを受け、一般的なスーパーの商品にも「遺伝子組み換えではない」という印字が目につくようになりました。

しかし「遺伝子組み換えではない」との表示は見かけても、「遺伝子組み換え食品を使用」と表示されたものは案外少ないもの。私たちがGM食品を食べていないかというと、決してそうではなさそうです。

なぜ、遺伝子組み換えを行うのでしょうか。
それは、人間が使いやすいようにするためです。

改良自体はよいのですが、問題視されるのはその危険性です。GM・GMOの品種改良は、農薬や害虫に強いDNAを掛け合わせて行いますが、その際、植物に「動物」や「バクテリア」の遺伝子を掛け合わせるなど、自然界で起こりえない操作が行われています。

自然の法則を度外視した遺伝子操作は、本当に人体へ悪影響を及ぼさないのでしょうか。食の安全を考える身としては、不安もいっぱいです。

\\\ 本当のところを、専門医に聞いてみましょう! ///

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

GMの基準は国によってさまざまです。
日本では、食品内のGM混入率が5%以下であれば表示義務はありません。逆に「遺伝子組み換えではない」は任意表示のため、混入率が5%以下であれば「組み替えでない」と使用できるのが、ややこしいところです。

2023年4月から表示の改定で、混入率5%以下であっても、混入があれば「遺伝子組み換えではない」と表示できなくなりますが、1%でも混入しているかどうかは、表示だけでは分からないのです。

日本の基準だけで「人体にとってOKか、NGか」を判断することはできません。

市民が監視の目を強めるアメリカ

GMOの栽培面積が世界一広いアメリカでは、GM表示規制が年々厳しくなっています。

現在、アメリカのGMに関する表示義務は、糖質類と油類以外のすべての食品にあります。しかし表示はQRコードのリンク先でもOKなため、抜け穴がある法律だと非難されています。

表示義務はGM混入5%以上なので、1%でも入っていないかどうか知るすべはありません。そのため自主ルールで「NON-GM」マークを提供する団体など、市民の意識が高まっています。

世界のどこを見ても、基準はさまざま

食品以外も無視できません。栽培面積が4位のインドでは、生産されている綿の95%がGMになります。口には入りませんが、日本に輸入されるインド綿は、その多くが「遺伝子組み換え作物」です。

とはいえ、インド綿で大きな健康被害が出ているでしょうか。そう考えると、漠然としたイメージでGMを排除していると、生活の中に不便が出てきそうです。

またEUでは厳しい管理がなされ、GM混入率が0.9%を超えると表示義務が課されています。このように各国の基準は違うため、表示を単純に信じることにあまり意味はなさそうです。

GMの危険リスクはまだ未知数

医師としての見解は、「GMの本当のリスクは、未来にならないと分からない」としかいいようはありません。単なる言葉のイメージで必要以上に怖がるのも問題だと思います。

食品添加物もそうですが、GMは人類の歴史の中で「つい最近、使われ始めたもの」です。日本政府や関連企業はすべて「安全」という宣言を出していますが、長いスパンでデータ検証しないと分からないものに、安全宣言が出ているのことには疑問を感じます。

さまざまなところに出る、GMのリスク

GMの影響は、食品にとどまりません。たとえばGMOの中でも、GM小麦は農薬の耐性があるよう変化させているため、GM小麦は通常の小麦より大量の農薬に暴露している可能性があります。

農薬使用は環境破壊にもつながりますし、利権も大きくなります。経済的・政治的な背景があれば、なかなか廃止はされないでしょう。

アメリカではGM食品が市場に出始めた時期から、アレルギー、甲状腺ガン、白血病、自閉症などの慢性疾患が急増しているともいわれています。本当に関係性があるのかどうかは、これからの検討で徐々にはっきりしてくると思います。

GM食品との付き合い方

ネガティブな話が続きましたが、GM食品がすぐに身体に悪影響を及ぼすかというと、そうともいい切れません。身体の仕組みはそう単純ではないからです。

・気になるなら、食べないことが無難
病気は蓄積された体内毒素、食生活の乱れ、ストレスからくる内臓疲労、腸内環境など、さまざまな要因が絡まり合って起きていきます。

その中に「GM食品を食べていた」という要素がどれくらいかかわっているかは、残念ながら今はデータ化できません。気になるなら口に入れないという心構えが必要です。恐れるだけではなく、何ができるのかを考えることが重要だと思います。

・身体の解毒機能を高めておく
自分自身の身体の解毒機能(デトックス力)も高める必要があります。生活習慣の乱れでボロボロになった身体に、GM食品がどんどん流し込まれては、身体は悲鳴を上げてしまいます。

・バランスよく食事を楽しむ
GM食品を気にして食べるものを制限しては、栄養バランスも崩れます。何より「食事を楽しむ」という、生きていくうえで大切な時間を失ってしまいます。結局はバランスのよい食事が一番としかいえません。

正しい情報と、正しい栄養

食の安全とは、危険なものを極端に避けることではありません。便利な世の中だからこそ、正しい情報を選択し、必要な栄養を補うことが求められています。

安全性を求めるなら、ドクターズサプリという選択肢も知っておいてください。
自分の身体に合う、危険性の少ない商品を選択することは、今の時代に生きる私たちの「自衛作戦」ともいえるはずです。

予防医学.jpでは、専門医によるサプリメントのご相談を受け付けております。

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