正しい知識

免疫力向上の注目栄養素、「ビタミンD」の特徴とは

サプリメント大国・アメリカで、一番売れているサプリメントは何だと思いますか?カルシウム?マルチビタミン?

答えはビタミンDです。

ビタミンDは免疫機能を向上させ、身体機能を強めるとされています。日本でも、新型コロナウイルスの流行で免疫機能への関心が高まったことにより、ビタミンDは注目を浴び始めました。

もちろん、ビタミンDが直接的に新型コロナウイルスに効くわけではありません。どれくらいの量が予防に効果的なのかの臨床試験は、世界中で行われていますから、私たちはそれらの結果を待つしかないのですが…

どうやら、新型コロナのことを抜きにしても、ビタミンDは身体に必要な大切な栄養のようです。そうでなければ、予防医学意識の高いアメリカで「一番」にはならないですよね!

ビタミンDの摂取には、どのような効果があるのでしょうか。
まずは専門家にしっかり聞いてみましょう。

\\\ ビタミンDについて、専門医に詳しく聞いてみました ///

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

一般的に知られているビタミンDの機能は、以下のようなものです。

  • カルシウム吸収を促し、血中のカルシウム濃度を一定に保ち、骨を強くする
  • 骨量を保って、骨粗しょう症などを防ぐ
  • 免疫機能を調節する働きを持つ

ビタミンDの不足は、糖尿病、自閉症、うつ病、アレルギー疾患などの原因にもなることが示唆されています。さらに生殖機能にも影響しますから、人体にとって必要な栄養素であることは間違いありません。

ビタミンDの特徴

ビタミン類は、水に溶けやすい水溶性(ビタミンB、C)と、脂に溶けやすい脂溶性(A、D、E、K)に分かれます。

脂溶性であるビタミンDは、細胞膜を通過して細胞の中や核の中にまで入り込み作用します。薬理学的な効果としては、ほとんどホルモンと似たような作用を持つことが分かっています。ビタミンDはそれだけ特殊で、人体に欠かせない栄養素だということです。

ビタミン類は基本的に体内では生成できず、食品やサプリメントで補う必要があります。しかしビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることで体内生成が可能という特徴も持っています。

ビタミンDとアレルギー

特に注目したいのは、ビタミンDの免疫調節機能です。

T細胞やB細胞などの免疫細胞の多くに、ビタミンDの受容体が存在することが分かってきました。それ以外にも抗菌物質を生成する機能や、ウイルス感染による肺の炎症や損傷を防ぐ役割など、さまざまな免疫関連機能が確認されています。

免疫機能が向上すれば、アレルギー症状の改善も期待できます。さらにビタミンDは、単体の栄養素としてもアレルギー改善に効果がありますから、アレルギーに悩む方は積極的に摂ってみてください。

ビタミンDは抗菌力も高めます。細菌やウイルスに対抗する「カテリジン」という抗菌ペプチド(タンパク質)がありますが、ビタミンDはこのカテリジンを生成することが知られています。また「β-ディフェンシン」という皮膚のバリア機能を強める抗菌ペプチドをつくることも分かっています。

ビタミンDが不足すると?

ビタミンDは、日本人の8割で不足しています。

厚生労働省は、2018年にビタミンD摂取基準値の引き上げを発表しました。昭和生まれの方は、子どものときに肝油を飲まされた経験はないでしょうか。肝油はビタミンD不足による「くる病」「骨軟化症」を防ぐために飲まれていました。現代では肝油に頼らずとも栄養摂取ができるようになりましたが、日本人のビタミンD摂取量はいまだ十分とはいえません。

前述の通り、ビタミンDは紫外線を浴びることでも生成されます。冬場にインフルエンザや風邪が増えるのは、ビタミンD不足で免疫が低下するためとも考えられています。アトピー性皮膚炎が冬に悪化する原因も、同様であると想定できます。

またビタミンDは、脳内物質セロトニンを調節する役目を持つことも分かってきました。冬場に気持が落ち込んだり、「冬季うつ」のような症状が増えるのは、日照時間が短いせいだと考えられています。

効果を求めるなら、高濃度のビタミンDを

現代的な食事と日光量で「やや不足」しがちなのであれば、サプリメントの活用などで不足しないように工夫する必要があるでしょう。

一般のドラッグストアでは、低濃度のビタミンDしか購入できませんが、医療用サプリメント(ドクターズサプリメント)には、高濃度ビタミンDのものがあります。

アレルギーや花粉症に悩む方は、ビタミンDの十分な補給で改善の可能性が高まります。さらに、高濃度ビタミンDの摂取には、抗ガン作用や、乳ガンの再発予防効果があることも分かってきました。

ただし闇雲に飲むことはお勧めしません。まずは血液中のビタミンDを測定し、適切な摂取量を見極めなくてはいけません。ビタミンDの効果的な摂取を考えるなら、専門医のアドバイスを受けることも検討してはいかがでしょうか。

予防医学.jpでは、専門医によるサプリメントのご相談を受け付けております。

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