カラダによいこと
コラーゲンを体内で作るために必要な栄養素とは
お肌のうるおいをキープするため、スキンケアや部屋の保湿など、外側からの対策に気を使っている方は多いですね。うるおい効果が期待できる、コラーゲンのサプリメントや美容ドリンクも人気です。
実際、私たちの顔の皮膚の約70%はコラーゲンが占めています。真皮にあるコラーゲン分子をよく見ると、アミノ酸の鎖がつながった三重のらせん構造になっており、肌のうるおいとハリ・弾力を保つ働きをしてくれています。
年齢を重ねると、コラーゲンは減っていきます。だからこそ、サプリメントやドリンクに人気が集まるのですが…この記事では「自分の体内でコラーゲンを作る」という根本的な対策に目を向けてみたいと思います。
コラーゲンが手羽先や牛スジ肉に多く含まれることは知られていますが、単にそれらを多く食べればいい…というお話ではありません。体内で効率よくコラーゲンを作るためには、タンパク質とビタミンCの両方の栄養素をバランスよく摂る必要があるようです。
それは、いったいどういうことでしょうか?
\\\ そこのところ、専門医に詳しく聞いてみました ///
教えて先生!
小西康弘Yasuhiro Konishi
医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長
2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士
「人の身体の約60%は水分」とはよく聞きますが、全身の15〜20%がタンパク質でできていることは、あまり知られていません。
タンパク質は臓器や筋肉の原料となり、ヒトの身体を支えています。加えて、髪の毛、爪、肌の原料でもあります。もちろんコラーゲンも、身体を支える重要なタンパク質のひとつです。
タンパク質に含まれる必須アミノ酸
良質なタンパク質には、アミノ酸、それも体内では作ることのできない必須アミノ酸をバランスよく含む食材が多くあります。
私たちの身体は、主にタンパク質からできています。私たちの体を作っている何百種類もあるタンパク質はたった20種類のアミノ酸からできています。その20種類のアミノ酸は、大きくは「自分の体内で作れない必須アミノ酸」と、「体内で作れる非必須アミノ酸」に分けられます。
必須アミノ酸とは、私たちが自分自身で作ることのできないアミノ酸です。毎日の食事から摂らなければいけない、健康維持には欠かせないアミノ酸を指します。
必須アミノ酸が食事から補給されなければ、身体機能に影響が出て、病気や不調を引き起こしやすくなります。そうなれば、美容にも影響を及ぼすのは、いうまでもありません。
アミノ酸を効率よく摂るには
「アミノ酸スコア」をご存知ででしょうか。これは、その食材に含まれるタンパク質の中で、必須アミノ酸9種類が含まれる割合を示す数値を指します。
【アミノ酸スコア】
大豆・・・100
卵…100
牛乳…100
牛肉・・・100
鶏肉・・・100
豚肉・・・100
アミノ酸スコアの高い食材をあげてみました。カロリーを気にしてタンパク質を避け、野菜ばかり食べている若い女性は、おおよそ必須アミノ酸が不足しているといえるでしょう。
コラーゲンを自分の体内でつくろう
タンパク質源に必須アミノ酸が多く含まれることと、美容の関連性については、もっと知られてもいいと考えています。
体内でコラーゲンをつくるには、グリシン、プロリン、リジンなどのアミノ酸が必要です。しかし、アミノ酸だけではコラーゲンは完成しません。そのアミノ酸たちにビタミンCの力が加わってはじめて、コラーゲンが体内生成されるのです。
美容の基礎はバランスのよい食事から
手っ取り早くいえば、必須アミノ酸が入ったお肉と、ビタミンCをしっかり摂っていれば、コラーゲンを外から補う必要はありません。
美容にいいからといってビタミンCばかり摂っていても、タンパク質を十分に取らなければ健康なコラーゲンが生成されないということです。アミノ酸とビタミンCが両方が揃うことで、体内のうるおい生成機能がうまく働くと覚えておきましょう。
ビタミンCを摂るためには野菜・果物が適していますから、タンパク質を主菜とし野菜を副菜とする和食の定食などは、バランスが取れたメニューといえます。
タンパク質は、生命維持にも、美容と健康にも必要な栄養源です。わざわざコラーゲンドリンクを飲む前に、肉や魚と、野菜をバランスよく食べるようにしてみてください。気が付いたら、肌のうるおいが復活しているかも知れません。