おすすめすること
正しく摂りたいビタミンC、食事とサプリの活用方法
ビタミンCの発見は、なんと大航海時代にさかのぼります。長い船旅をする船員たちが、野菜や果物不足で壊血病になるのを予防するため、オレンジの果汁から発見されました。
あのヴァスコ・ダ・ガマの船団がインドに行き、帰国したときには、既に半数以上の船員が壊血病で亡くなっていたというエピソードがありますから、当時において壊血病は大きな問題だったのでしょう。
その後「壊血病にかかった船員にオレンジ・レモンを与えることで、6日後には回復した」などという実験が繰り返され、ビタミンCは発見されました。
今や私たちの美容や健康に欠かせないビタミンC。
せっかくなら、正しく選び、正しく飲んで最大限の効果を受け取りたいですよね!
\\\ そこのところ、専門医に聞いてみました ///
教えて先生!
小西康弘Yasuhiro Konishi
医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長
2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士
ビタミンCは、体内でコラーゲンをつくるときに必要な栄養素です。かつて船員がかかった壊血病とは、ビタミンCの不足によりコラーゲンが減少し、血管がもろくなって引き起こされる病気です。大航海時代と違い、私たちの日常生活で極端にビタミンCが不足することはそうそうありませんが、意識的に摂る必要があります。
ビタミンCは体内で多くの役割を担っています。
- ・メラニンの生成をおさえて、日焼けを防ぐ作用がある
- 身体の抵抗力を強め、風邪などの病気を防いでくれる
- 抗酸化作用があり、動脈硬化やガンの予防に有効である
- 歯や軟骨を正常に保ってくれる
- 貧血になるのを防いでくれる
ビタミンCは老化防止にも役立ちます。体内で発生した活性酸素に対抗し、細胞の酸化を防ぎます。
ビタミンCは「つくれない・ためれない」
人間はビタミンCを自分の体内でつくる酵素を持っていませんから、食事から効率的に摂取しなくてはいけません。またビタミンCは水溶性ビタミンですから、摂り過ぎた分は尿と一緒に体外へ出てしまうことが知られています。つまり大量摂取しても体内に蓄積できないのです。
身体にとっての必須栄養素でありながら「つくれない・ためれない」という性質を持ちますから、こまめに摂取しなくてはいけません。
食事のポイント
ビタミンC摂取の基本は、毎日の食事です。一般的な食材で十分ですから、旬の野菜・果物を積極的に食べるようにしてください。ただし以下のポイントを覚えておいてください。
まずビタミンCは熱で壊れる・水に流れるという性質を持っているため、生食ができる食材はそのまま食べましょう。たとえば苺はビタミンCが豊富ですが、過熱してジャムにしてしまっては、ビタミンC摂取の観点からはもったいないです。柑橘類の白いスジや薄皮の部分には、ビタミンCの摂取効果を高める「ビタミンP」が含まれています。神経質に全部取ってしまうのはおすすめしません。
バナナ・りんご・キュウリや人参に含まれる、「アスコルビナーゼ」という酵素はビタミンCを破壊しますが、だからと言って全く排除する必要はありません。栄養バランスとは、多くの品目を食べて総合的な栄養摂取を目指すことですから、偏らないように意識すれば問題ありません。
空腹時に食事をすると、急速に吸収され、その分早く排出されてしまいます。ビタミンCも同様です。フルーツなどビタミンCが豊富なものを単品で食べるときは、食後の満腹時がおすすめです。ゆっくりと吸収され、効率よくビタミンCを摂ることができるでしょう。
ビタミンCを減らしてしまうのはどんな行動?
食事やサプリメントからビタミンCを摂っても、減らす行動が多ければ意味はありません。
まず過剰なストレスは、通常の3〜8倍もの量のビタミンCを消費するといわれています。喫煙もいけません。たった1本で約25〜100mgものビタミンCが失われてしまいます。アルコールを分解するときにもビタミンCは使われますから、ストレスによる飲酒喫煙が多い方は毎日大量のビタミンCを消費し続けている状態です。
筋トレやジョギングをする方も、ビタミンC不足には気を付けてください。エネルギーが消費されるとビタミンCも消費されます。
食事とサプリメントの併用
不規則な生活や、ストレスや運動などによるビタミンC不足が心配な方は、食事とサプリメントの併用をおすすめします。余分に摂取しても排泄されるため、摂り過ぎに神経質になる必要はありません。ただし、サプリメントの質には気を配ってください。安価なサプリメントは、ビタミンCの含有量や安全性の面で不備がある可能性もあるからです。
もしビタミンCのサプリメントをたくさん飲んでいるのに、気になる症状が改善しない、逆に不調が出ている、という方には、サプリメント使用法や容量の見直しをお願いしています。せっかくのサプリメントも、自身に合っていない飲み方をしていれば、逆効果だからです。不安があれば専門医に相談するようにしてください。
予防医学.jpでは、専門医によるサプリメントのご相談を受け付けております。