先生に聞いてみた!
【先生に聞いてみた!】何がスゴイ?何でスゴイ?ブロッコリースプラウトの栄養価
あれ? カイワレ大根、残すの?
うーん、豚の角煮に必ず乗っているけど、なんか苦手なんだよね。
パセリみたいなもんでしょう? 食べなくていいよね。
パセリもかわいそうに…。
確かにそう美味しいものではないけど、栄養たっぷりだよ?
そうなの?
確か、野菜の新芽はスプラウトって呼ばれていて、栄養価が高いはず…。
こんな細い葉っぱに〜??
それウソじゃない?
ウソじゃないと思うけど…
私もうろ覚えだから説得力を発揮できないな…
子どもに野菜食べさせる親だって、もう少し前向きな説得するよ〜。
むむむ…なんかくやしい…。
こうなったら徹底的に調べてみるわ!
美容と健康情報が大好きな会社員。
新しいものに飛びつきがちだが、たいてい3日坊主。
スイーツ、パン、パスタと演劇、ドラマが好き。
分からないことは調べたいライター。
いつも取材に飛び回っている。
お酒と旅行とファッションが好き。
そうそう、スーパーでいろんな種類を見かけるけど、よく分かってなかったのよね。この機会にスプラウトについて調べてみましょう。
スプラウトの栄養価が高い理由
スプラウトとは、発芽直後の植物の新芽をいいます。
カイワレ大根・・・大根が発芽したもの
豆苗・・・エンドウ豆が発芽したもの
ブロッコリースプラウト・・・ブロッコリーが発芽したもの
以前はカイワレ大根くらいしか見かけませんでしたが、スプラウトの栄養価に注目が集まり、最近では一般的なスーパーでもさまざまな種類のスプラウトを目にするようになりました。
ブロッコリースプラウトの栄養
スプラウトの中でも、栄養価が高いことで知られるのがブロッコリースプラウトです。「野菜の王様」とも呼ばれるブロッコリーの新芽には、カルシウム、ビタミンC、β-カロテン、葉酸、食物繊維などが多く含まれています。
注目すべきは「スルフォラファン」という健康成分です。スルフォラファンは大人のブロッコリーにも多少含まれていますが、スプラウトの状態ではその濃度がグッと上がります。
特に発芽3日目の、「スーパースプラウト」という名で売られている商品には、ブロッコリーの約20倍にもなる高濃度スルフォラファンが含まれているといいます。
へえ、どうせ食べるなら、栄養たっぷりのスプラウトを食べたいね。
でもスルフォラファンってはじめて聞くけど…どんな効果があるの?
スルフォラファンは何がすごい?
スルフォラファンは植物由来の化学成分(フィトケミカル)です。フィトケミカルとは、植物に含まれる天然の化学成分の総称。炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラル、食物繊維につづく「第7の栄養素」と呼ばれ、栄養学的にも関心を集めています。
スルフォラファンはデトックス力を高め、肝機能の働きを助けてくれます。美容にも健康にも効果がありそうですね!
ブロッコリースプラウトの選び方
ブロッコリースプラウトは、見た目である程度選別できます。フレッシュでみずみずさがあり、軸(白い部分)がしなっていないものを選びましょう。また葉が濃い緑色で、黒い斑点がないことも新鮮な新芽を見定めるポイントです。
ただし類似品には注意してください。ブロッコリースプラウト、スーパースプラウトなどと書かれていても、スルフォラファンの含有量が少なければ意味がありません。
ブロッコリースプラウトの食べ方
ブロッコリースプラウトは、酵素を壊さないためにも、加熱せずに生食してください。食べるのは3日に1回で十分です。スルフォラファンによって活発化した解毒酵素は、その効力を約3日間持続できるといわれています。
しかし、できれば買った日のうちに食べましょう。残ってしまったら容器の底にあるスポンジをたっぷりの水で湿らせ、立てた状態で冷蔵庫へ。自宅栽培もおすすめです。
お飾りのように使っていたカイワレ大根たち、実力派だったんですね。ブロッコリースプラウトの栄養価が高いのもよく分かりました。
効率よく栄養が摂れそうだから、今度からちゃんと食べるようにします!
教えて先生!
小西康弘Yasuhiro Konishi
医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長
2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士
先生、スルフォラファンという栄養は、人体に必要不可欠なのでしょうか。他の食材から摂ることは可能ですか?
本文でも触れていますが、スルフォラファンというのは「フィトケミカル」の一種です。フィトケミカルとは、植物に含まれる「抗酸化物質」という理解でよいでしょう。抗酸化物質とは、体中の活性酸素を減らす働きを持つものです。詳しく解説した記事があるので、参考にしてください。
植物は、太陽の光を浴びて光合成を行いエネルギーをつくり出します。しかし太陽光に含まれる紫外線は、植物にも活性酸素を発生させてしまいます。植物にとっての太陽光は、命の源であると同時に、大敵だといえるでしょう。そこで植物はフィトケミカルを生成し、酸化を防げるようになったわけです。自然の神秘ですね。
そもそも、私たちはどうして病気になるのでしょうか。それは体内に活性酸素が必要以上に発生し、身体の歯車が「錆びついて」うまく働かなくなるからです。だから植物に含まれるフィトケミカルを積極的に摂れば、活性酸素の中和が期待できるというわけですね。
フィトケミカルを摂った人と、摂らなかった人とでどれほど病気の罹患率が変わってくるのかという研究結果があるのかは分かりませんが、身体にいいと思われるものを食べるという意識は、大切だと思いますよ。ま、知らんけどね。