カラダによいこと

食べるコラーゲンにも「案外意味がある」

コラーゲンは皮膚や軟骨などにある、お肌の弾力や関節の柔軟性をキープしてくれるタンパク質で、鶏の手羽先やフカヒレ、魚の皮などに豊富に含まれています。最近では「コラーゲンボール」というコラーゲン成分を凝縮させたものを鍋に溶かし入れて楽しむ、コラーゲン鍋も人気ですね。

食事で摂取したコラーゲンは、消化酵素によってアミノ酸やペプチドに分解されて吸収されます。骨や軟骨だけではなく、胃や腸などの臓器、血管壁などもコラーゲン抜きには成り立ちません。コラーゲンは、細胞と細胞をつなぐパテの役割を果たし、細胞を元気にしてくれているようです。

美容だけではなく健康にも効果があるなら、積極的に食べたいですね!

しかし「コラーゲンは食べて摂取しても意味がない」という説もあり、ネット上では意見が分かれているのも事実。食べて吸収されたコラーゲン由来のアミノ酸やペプチドが、本当にお肌や軟骨に再生成されるかというと、明確に「そうです」とはいえなさそうですが…

\\\ 本当のところを、専門医に聞いてきました ///

教えて先生!

小西康弘Yasuhiro Konishi

医療法人全人会 理事長 / 小西統合医療内科 院長

2013年より 小西統合医療内科 院長 総合内科専門医 / 医学博士

まず、コラーゲン入りの食材やサプリメントを摂った翌日に、お肌がプルプルになることはあり得ません。もしそう感じたのなら、残念ながら「気のせい」かも知れません。

コラーゲンは、外から補わなくても体内で生成できるタンパク質です。グリシン、プロリン、リジンなどの必須アミノ酸にビタミンCが加われば、コラーゲンは作られます。手っ取り早くいえば、アミノ酸が豊富なお肉とビタミンCを食べていれば、コラーゲンを外から補う必要などありません。

食べることにも意味はある?

一度コラーゲンに使われたアミノ酸は壊れてしまうため、再度コラーゲンとして生成はされません。コラーゲン効果を期待して食べるアンコウ鍋も、壊れているアミノ酸を食べているに過ぎません。これこそが「コラーゲンを食べても意味がない」といわれるゆえんです。

しかし体内に入ったコラーゲンは、ちょっと面白い働きをしてくれます。壊れてしまったリジンやプロリンなどの「アミノ酸の切れっぱし」が血中を流れると、身体はコラーゲンがダメージを受けたと誤認し、体内のコラーゲン生成装置を再起動させることがあります。外からコラーゲンで刺激してシグナルを鳴らし、生成を促すわけです。そう考えると、食材として食べるコラーゲンが完全に無駄とはいい切れません。

コラーゲンの原料がないと、生成できない

ただしコラーゲン生成装置が再起動しても、原料となるアミノ酸とビタミンCが不足していては意味がありません。まずは日常の食事で、肉や魚、ビタミンCをしっかりと摂りましょう。その上でコラーゲンの豊富な食材を食べ、体内にコラーゲンシグナルを流せばいい循環が生まれます。すべての基本は、食事にあります。

コラーゲンは全身を支えるタンパク質ですから、肌だけではなく骨や筋肉にも影響を与えます。過度なダイエットや食事制限で、髪がやせ細ったり爪にシワが寄ることがありますが、適切にタンパク質を補えば健康的な髪や爪は取り戻せるでしょう。

【コラーゲンが多く含まれる動物性食品】

  • 手羽先、鶏の皮
  • 豚足、豚バラ肉
  • 牛スジ、牛テール

【コラーゲンが多く含まれる海洋性食品】

  • 魚の皮、うなぎ、ナマコ
  • カレイ、エビ、クラゲ
  • ふかひれ、エイひれ、すっぽん

注意点は高カロリーの食材を摂り過ぎないことです。揚げ物など脂質が多くなるとアディポネクチンという善玉ホルモンが減少し、コラーゲン生成を阻害します。糖分にも注意しましょう。高血糖の状態が続くと、コラーゲンが糖化し効果が出なくなってしまいます。また外食先や栄養食品でコラーゲンを摂るときは、不要な添加物や合成調味料が入らないものを選んでください。

老化で減少するコラーゲン

体内のコラーゲン量は20歳をピークに減少し、60歳代では、20歳代の約75%にまで減るといわれています。老化はコラーゲンの質も低下させます。ストレスや生活環境の乱れから発生する活性酸素もコラーゲンを変質させ、肌の弾力が失われたり、骨や関節がもろくなると考えられています。またコラーゲンの減少は血管を硬くしますから、動脈硬化の防止にも無視できない成分ともいえるでしょう。

健康をコラーゲンだけは語れませんが、身体に必要な成分であることは確かです。サプリメントやドリンクに頼り過ぎず、バランスよい食生活の中から補うよう、意識してみましょう。

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