栄養

大人にもカルシウムが必要な理由と、効果的な取り方について

カルシウムといえば、「骨が丈夫になるから」と、子どものときにたくさん摂らされる栄養素。
しかし実は、大人になってからこそ、カルシウムの補給が大切だということをご存知ですか?

「もう大人だし、身体ができ上っているから、カルシウムはそう摂らなくていい」
今回は、こう思っている方に、カルシウムを適切に摂取することの重要性をお伝えします。

カルシウムは身体に必要なミネラルの一種

カルシウムは、人間の身体の中にもっとも多く存在するミネラルです。

カルシウムの99%は歯や骨などの硬組織に、残りの1%は、筋肉や血液、神経などの軟組織に存在しています。だから「カルシウムが不足すると骨が弱くなる」といわれるのですね。

実は、日本人のカルシウム摂取量は、欧米人の約3分の1。

欧米では「カルシウムを摂ろう」とわざわざ努力することはあまりありません。それは、日本の軟水と違い、欧米の硬水にはカルシウムがふんだんに含まれていることと、普段の食事の中でチーズなどの乳製品をたくさん食べているから。

そう聞くと、「私たちはカルシウムをしっかり摂らないと」と思えてきますね。

カルシウムの1日の摂取基準量は?

「日本人の食事摂取基準」によると、推奨される大人の1日のカルシウム摂取量は、以下の通りです。

【18歳〜29歳】
男性 800mg
女性 650mg

【30歳〜49歳】
男性 650mg
女性 650mg

【50歳〜69歳】
男性 700mg
女性 650mg 

【70歳以上】
男性 700mg
女性 650mg

これだけではピンと来ないと思いますが、人生で一番カルシウムを摂取した方がいいとされるのが、
【12歳〜14歳】
男性 1000mg
女性 800mg
ですから、大人になったからといって、カルシウムの必要量がぐんと下がるというわけではないのです。

つまり、カルシウムは一生を通じて強い身体をキープするための、要ともなるミネラルなのですね。

しかし、実際の年代別カルシウム摂取量は、40〜49歳で456mg、50〜59歳で496mgと、推奨量よりも少なくなっているのが現状です。

これは、年齢を重ねると次第に少食になることと、腸でのカルシウムの吸収が悪くなってしまうため。だから大人こそ、カルシウム不足に気を付けないといけないのです。

大人のカルシウム不足が招く危険な症状

幼少期のカルシウム不足は骨の発達障害などに直結しますが、大人の心身にも大きな影響を及ぼします。

身体のリスクには、
・高齢女性(特に閉経後)は、骨粗しょう症になりやすい
・神経の興奮が高まるため、てんかんの原因となったり、筋肉のけいれんなども起きやすくなる
・動脈硬化、高血圧、糖尿病などの生活習慣病になりやすくなる
・アルツハイマー病や、変形関節症などのリスクが高まる
などがあげられます。

心のリスクも無視できません。

「カルシウムが不足するとイライラする」といわれますが、実際にカルシウム不足だけが原因で精神が不安定になることは考えにくいでしょう。

しかしカルシウム不足は神経伝達物質に悪影響を及ぼすため、「イライラする・うつになる」という神経過敏状態を招くということが分かっています。

また心配なのは、ダイエット中の方や、ジャンクフードばかりを食べている女性です。日常の食事からのカルシウムが不足しますし、ダイエットや偏食のストレスの影響でカルシウムが尿に溶けて出てしまい、骨の量が減って行ってしまうのです。

「食べない」だけのダイエットは心身に悪影響を及ぼします。くれぐれも注意をしましょう。

バランスの良い食事で、一定量のカルシウムは補える

それでは、何を食べたらカルシウムを補えるのかを見ていきましょう。

カルシウムを多く含む食品

・牛乳、乳製品(ヨーグルト、アイスクリーム、プロセスチーズ、スキムミルクなど)
・大豆製品(木綿豆腐、凍り豆腐、生揚げ、納豆など)
・野菜類(チンゲンサイ、小松菜、切り干し大根など)
・小魚、海藻(干しエビ、しじみ、ワカサギ、イワシ、干しワカメ、乾燥ひじき)

私たちが日常の食事で口にする食材に広く含まれるため、バランスの取れた食生活を送っている限り、まったく不足するということはないでしょう。

しかしカルシウムの含有量は食材によって差があります。また食べ合わせによっては吸収率を下げてしまう食べ物もあるため、「不足をカバーしよう」と思うなら、含有量の多いものを積極的に食べるように心がけてください。

効率よく不足を補うならば、乳製品がおすすめです。牛乳をゴクゴク飲むというだけではなく、チーズやヨーグルトなどを食事に加え、バランスよくカルシウムを摂ってみてください。

カルシウムの摂り過ぎには注意

最後に、カルシウムは不足だけではなく過剰摂取でもリスクがあることをお伝えさせてください。

カルシウムの過剰摂取は、
・高カルシウム血症、高カルシウム尿症
・鉄分や亜鉛など、他のミネラルの吸収を阻害してしまう
・泌尿器科結石、軟組織の結石化
・前立腺がん
・便秘
などの健康障害の元となってしまいます。

ただし厚生省の定めたカルシウム摂取量の上限値は、2300mg。これを普通の食事で摂ることはまずありえませんので、過剰摂取に気を付けてほしいのは、カルシウムをサプリメントで補給している方です。

健康のために飲んでいるサプリメントで、かえって不健康になった…なんてことが起きないように、サプリメントを活用してカルシウムをたっぷり摂るときは、専門医のアドバイスを受けるなどの配慮をしてみてください。

まとめ

骨も歯も筋肉も、一生大切に付き合うもの。大人になったからといって、その維持から手を抜いてはいけません。またカルシウムの適切な摂取は、身体の各機能をスムーズに動かし、身体だけではなく心も健康にしてくれます。
今日の食事から、カルシウムを摂ることを意識してみてはいかがでしょうか?

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