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2018年風疹流行 30〜50代の働き盛りの男性はワクチン接種を


「風疹が流行している」
そんなニュースを聞きつつも、自分には関係がないと思っている男性の皆さま。実は、風疹は自分がつらいだけではなく、これから生まれてくる赤ちゃんに大きな影響を及ぼしてしまう、とても危険な感染症です。
あなたの予防が、家族や妊婦さんを守ります。まずは風疹のことを知って、ワクチン接種を検討してみてはいかがでしょうか。

2018年に風疹が流行している背景は?

国立感染症研究所による2018年11月21日現在の情報によると、2018年度の風疹患者累積報告数は2,186人。
2017年の同時期には82人しか確認されておらず、まさに27倍もの風疹患者がいるということになります。
この流行の背景には、ワクチンを接種していない世代の存在があります。
風疹の予防接種は通常2回です。それによって十分な免疫を得ることができますが、実は定期接種の対象者は女子中学生のみ、という時代がありました。
2018年現在、39歳〜56歳の女性は、2回の予防接種を受けている世代です。しかし、56歳より上の世代の女性と、40歳以上の男性は、1回もワクチン接種をしていません。
つまり、子どものころに予防接種をしていない男性が、社会人となり、今回の流行の中心となっているのです。

具体的に、何歳の人にリスクがあるの?

それでは、ご自身の感染リスクを確認してみましょう。

・昭和37年4月1日以前生まれ
風疹の定期接種制度が行われる以前に生まれた方たち。
しかし予防接種がなかった分、風疹に自然感染して、男女ともに免疫を持っている確率も高い世代です。

・昭和37年4月2日~昭和54年4月1日以前生まれ
中学生時に女性のみを対象として、集団接種が1回のみ行われました。
男性は定期接種制度が行われていないので、免疫がない人が多く、感染リスクが一番高い世代です。

・昭和54年4月2日~昭和62年10月1日生まれ
男女とも中学生の時に予防接種を受ける対象ではありますが、医療機関で個別に受ける制度であったため接種率が低いのが問題となっています。男女ともに免疫を持っていない確率も高い世代です。

・昭和62年10月2日~平成2年4月1日生まれ
男女とも幼児のときに予防接種を受ける対象となりました。そのため接種率は比較的高いといえます。しかし自然感染の機会がさらに減少した時代のため、未接種の場合は免疫を持たない人が比較的多い世代です。

・平成2年4月2日以降
2回接種の機会があります。

どうでしょう。
つまり、今成人している人たちは、自発的に2回の接種をしていない限り、ほとんどが「受けていない」もしくは「1回しか打っていない」ということになっているのです。

これが、近年の数年ごとの流行を引き起こしている大きな理由です。

風疹の感染経路と、その危険性

「風疹といっても、風邪の激しいやつじゃないの?」
とイメージしている方もいるかも知れません。

そこでまずは風疹の基礎知識を知っておきましょう。

風疹はどんな感染症?

原因:風疹ウイルスが原因でかかる感染症
潜伏期間:2〜3週間
症状:発疹、耳の後ろや全身のリンパ節の腫れ、発熱など
感染経路:くしゃみや咳などの飛沫感染、ドアノブやタオルなどの接触感染が主

潜伏期間があるため、「かかったかも」と思っても、ウイルスに接触したのがいつなのか特定することはなかなか難しいのが実情です。

風疹の何が危険なの?

まず、大人になってからかかる風疹は、子どものときよりも重症化する傾向にあります。

子どもなら数日でおさまる発熱や発疹が長引き、リンパ節の腫れは1カ月以上続くことも。
まれに脳炎や溶結性貧血などの合併症を起こすこともありますので、楽観視はできません。

合併症にかからなかったにしても、風疹の症状が出ている間は、当然仕事を休むことになりますし、感染拡大を防ぐため、人との接触も禁じられます。

しかし怖いのは、「自分がかかる」ことだけではありません。

特に警戒したいのは、妊婦さんです。

妊娠初期(20週以前)の女性が風疹に感染すると、おなかの赤ちゃんにも感染してしまう「母子感染」の危険が起こります。
この「先天性風疹症候群」にかかった場合、心疾患や難聴、白内障を持つ赤ちゃんが生まれるリスクが高まるため、妊娠初期の女性への感染を予防しなくてはなりません。
そして、これは決して女性側だけの話ではありません。
何より、働き盛りで、外からウイルスを家に持ち帰る可能性の高い30〜50代の「未接種世代」の男性にこそ、気を付けて欲しいことなのです。
風疹は「不顕性感染」といって、感染はしていても症状があらわれないこともあり、自覚症状はなくとも人にうつしてしまう可能性もあります。今は首都圏での感染が多く報告されていますが、自覚をしない人が移動をすることで、それ以外の地域で広がっていくことも十分に考えられるのです。
もしこの記事を読んでいる男性に、結婚を考えている・妊娠を希望しているパートナーがいるなら、予防を甘く見ると、自分がかかるよりも大きな影響を与える可能性があることを知っておきましょう。

ワクチン接種はどこで?かかる費用は?

では、「風疹のワクチン接種をしよう」と思った方は、何からすればいいのでしょうか?

予防接種と聞くと、「まず病院へ」と考えがちですが、すべての医療機関で実施しているわけではありません。かかりつけの病院などへは、確認をしてみましょう。

また風疹に関しては、病院の前に、お住まいの自治体の情報を確認しましょう。特に妊娠を希望している女性、妊婦の同居家族などを対象にした抗体検査を無料で受けられる自治体も多くあるため、まずは地域の保健所への問い合わせをおすすめします。

気になる費用ですが、今年の流行を受けて、多くの自治体で、風疹対策の補助金などの制度を整えています。

一般的な医療機関で、自費診療でワクチン接種を受ける場合は1回につき1万円ほどかかる可能性がありますが、助成金を受け取ることで、その負担を軽くすることが可能です。

最新情報
2018年の風疹大流行をうけ、厚生労働省が動き出しました。(2018年12月11日のニュースより)

2019年より、風疹流行の中心となっている30〜50代の男性を対象に、予防接種を原則無料とすることが決定されました。
まずは現在免疫を持っているかどうかを、無料の抗体検査で確認し、その後免疫がないと分かった場合に、ワクチン接種を受けることができるという制度です。

本当は来年といわず、すぐにワクチン接種を受けていただきたいのですが、それでもこのような制度があると、今まで関心のなかった方たちへの注意喚起も進んでいきます。これを機に、風疹でつらい思いをする方が一気に減るといいですね。

まとめ

風疹ウイルスを受け取りやすいのは、「職場」だといわれています。また昔よりも、妊娠可能年齢の女性が社会に出て仕事をしたり、交通網の発達により人の移動が激しくなっていることも、感染拡大の一因といえます。
だからこそ、ワクチン接種をしていない世代と、自分もしくはパートナーが妊娠を希望している方には、積極的な予防をおすすめします。

ハッキリ分かっている病気のリスクに対処することも、立派な予防医学。
「あのとき、きちんと打っておけばよかった…」と後悔することのないようにしたいですね。

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