食事

善玉菌を増やす!発酵食品「ぬか漬け」を冷蔵庫でつくろう


和食のよきサポート役、ぬか漬け。
メインディッシュにはならずとも、定食の小鉢として、白いご飯のお供として、またお酒の肴として、さまざまなシーンで活躍しています。
さらに、ぬか漬けは美味しいだけではなく、私たちの「腸」にダイレクトに働きかけ、おなかの調子を整えてくれる日本の誇る発酵食品でもあるのです。

ぬか漬けは、よき微生物の宝庫

ぬか漬けは、ぬかに塩を混ぜた「ぬか床」に野菜を漬け込み、植物性乳酸菌によって発酵させてつくります。

しかし、ぬかを発酵させているのは乳酸菌だけではありません。

ぬか漬けの中には、酵母・各種の細菌や微生物が入り混じっており、とても「1種類の菌でできている」などとはいえない、複雑な状態になっているのです。

家によって味が違う? 菌の生育環境で味が変わるぬか漬け

かつて、庭の物置や台所の隅には大きな樽が置かれ、季節に合わせた野菜のぬか漬けがつくられていました。

ぬか床は、定期的にぬか・塩を足すことで半永久的に使用が可能です。だから各家庭では、祖母から母、そして娘へと代々受け継がれ、また「お嫁に行くときにぬか床を持たされる」ということも当たり前だったのです。

そう。ぬか漬けの面白いところは、各家庭で味が異なること。

その理由は、入っている発酵成分や微生物のバランスには、再現性がないためです。だから毎日かき混ぜるお母さんの手の常在菌や、置かれている環境の温度、またどのような状態の野菜を入れるかなどによって、ひとつとして同じものにならない…という不思議さを持つのです。

ぬか漬けの乳酸菌が、悪玉菌が増えるのを防いでくれる

状態、環境、混ぜる人によって、含まれる菌の種類や数が変化するぬか漬け。

しかし、どんなぬか漬けにも共通しているのは、「腸内環境を整えてくれる!」ということです。

ベストな腸内環境とは、
・善玉菌
・悪玉菌
・日和見菌(善玉菌、悪玉菌の強い方に味方する、あいまいな立場の菌)
の3つの勢力のバランスがうまく取れており、善玉菌が優勢となって働いてくれている状態のことを指します。

ぬか漬けが腸内環境を整えてくれるのは、主に乳酸菌の力によるものです。乳酸菌は、腸の中で乳酸と酢酸をつくり出し、悪玉菌が増えるのを防いでくれるのです。

自分でつくるのが難しい理由

しかし、働き方や社会の仕組みが大きく変化した現代では、なかなか各家庭でぬか床をキープすることが難しくなってきています。

毎日かき混ぜるの? 定期的なメンテナンスがネック

ぬか床は、毎日のようにかき混ぜなくてはなりません。これは、ぬか床の表面の微生物を全体に均一に混ぜ込むため。
混ぜ込みをサボると、微生物のバランスが崩れ、酸っぱくなったりカビが生えたりと、状態に響いてしまいます。

また野菜から出る水分でぬか床が水っぽくなってしまうことでも、微生物のバランスは崩れます。それを防ぐためにも、定期的に足しぬかをし、腐敗を避けるために塩を混ぜ込まなくてはなりません。

この
① 毎日混ぜる
② 定期的に足しぬかをして、塩でバランスを整える
というルーティンワークをしっかりこなしてこそ、美味しいぬか漬けができ上るのです。

しかし、自炊の回数が少ない方、旅行や出張が多い方にとっては、とても難しく感じられますね。これが、自作のぬか漬けが敬遠される理由のひとつになっています。

匂いと場所の問題のある

ぬか漬け特有の甘酸っぱい匂い。
食欲をそそるものではありますが、気密性の高い住宅が増えている昨今では、嫌われる傾向にあります。

また置き場所も問題です。広い納戸や土蔵があった昔とは違い、漬け物の樽などを置く場所を確保できない、という現状もあるでしょう。

冷蔵庫でできる!

いろいろ面倒だから、ぬか漬けは市販のものを買っている、という方もいらっしゃいます。

しかし市販のぬか漬けに含まれる乳酸菌の量は、自作に比べてとても少ないといわれています。

また市販のぬか漬けは、さまざまな調味料や添加物で味を整えられているのも気になります。特に、漬け物に使われる保存料の中には、腸内の善玉菌を殺してしまう作用を持ったものもあるため、腸内環境を整えるどころか、逆効果になってしまう可能性も…。

残念ながら、市販のぬか漬けからは、ぬか・塩・野菜だけで発酵されたナチュラルな手作りの良さは失われてしまっているのです。

冷蔵庫でつくるぬか漬けのメリット

そこでおすすめしたいのは、「冷蔵庫でつくるぬか漬け」です。

これにはいくつかのメリットがあります。

・臭いやカビの発生を抑えることができ、失敗が少ない
・雑菌の繁殖も抑えられるため、かき混ぜる回数を減らせる
・低温で保存することで発酵スピードが落ち、塩分控えめのぬか漬けがつくれる

どうでしょう!?
いいことだらけですね。

もちろん田舎のおばあちゃんがつくる味とは、同じにはならないかも知れません。
しかしやってみると、意外と美味しくつくれるものです。

必要なもの

・冷蔵庫のサイズに合った容器(プラスティック、ホーロー、陶器、どれでもお好みで)
・塩(未精製の自然塩がおすすめ)
・市販の熟成ぬか

もし「実家のぬか床を分けてもらえる」というならラッキー。
容器に入れて、野菜を漬け込み、冷蔵庫に保管して数日に1回混ぜるだけです。

しかしゼロから始めるという場合は、市販の熟成糠を買ってくることをおすすめします。これで、手間が一気に省け、またスタートからそこそこ美味しいぬか漬けをつくることができるからです。

基本のつくりかた

① 容器に糠と塩を入れます(水や塩が必要かどうかは、その糠のタイプに合わせてください)
② 野菜をカットして洗い、水気をふき取っておきます
③ ぬか床に野菜を埋め込み、冷蔵庫で寝かせます

あとは、①②を繰り返しながら、野菜を出し入れするときにぬか床をかき混ぜ、ときどき塩で味を調整するだけ!

予想以上に簡単な冷蔵庫でつくるぬか漬け。
数週間もすれば菌の発酵も進み、「あなたの家の味」のぬか漬けができ上ることでしょう。

まとめ

美味しいだけではなく、腸内環境を整えてくれるぬか漬け。せっかくなら、乳酸菌をたっぷり含んだ自作のぬか漬けを毎日の食卓に出してみてはいかがでしょうか。
家族の健康のためにはもちろん、野菜不足を解消したいと考える方にとっても一石二鳥の、「スーパー保存食」を冷蔵庫でつくってみましょう!

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