ストレス・疲労

【医師に聞く】不眠とストレス、心の問題から逃げないことが大切

昼夜問わずパソコンやスマホを見る生活、夜遅くまで続く仕事。
そんな毎日を送っていると、「睡眠の質が下がってしまった」「ぐっすり眠れている気がしない」と感じることが増えると思います。

そこで今回は、睡眠を阻害するストレスについてと、うまく対処するための「考え方」について、医師に聞いてみました。

脳が興奮していると、眠れない

昔は、寝る前に布団の中でマンガや本を読んでいると
「眼を悪くするから、やめなさい」と怒られたものでした。

しかし最近では、寝る直前までパソコンで仕事をしたり、暗い室内でスマホをいじったり、ゲームをしたり…
そんな生活が続くと、目が悪くなるだけではなく、寝付きも悪くなってしまいます。

また、ちょっと寝付きが悪いだけならまだしも、2時間以上眠れずに「不眠」という状態になってしまい、悩んでいる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。

脳の興奮に注意

不眠の原因はさまざまです。

まず、脳が興奮している状態では、ゆっくり入眠できません。

たとえば、小学生が遠足前夜に眠れないのは、脳の興奮のせいですね。
強いプラスのストレスを感じ、脳が休まらない状態になっているのです。

寝る直前まで、バトルゲームをしているような場合も同様です。ゲーム中に感じるスリルや緊張感は「ワクワク」にもつながっていますが、いざ入眠時には、その興奮がおさまりきらず、なかなか眠れなくなってしまうのです。

また、不眠には自律神経も関係しています。
ぐっすりと眠るためには、副交感神経を優位にして、リラックスした状態に心身をもっていくことが大切ですが、脳が興奮しているとなかなかそうはいきません。

単眼的な考え方はNG

「眠れなくて…」という方に、おすすめしたいことがあります。
それは、ただやみくもに対策をするのではなく、「考え方」を変えてみてはいがかでしょう、ということです。

眠れないことに悩むと、何とかして改善したいと情報を集めることでしょう。

そして
「寝る前はブルーライトを避けましょう」とか
「寝る前にホットミルクを飲んでリラックスをしましょう」
という、一元的な情報を読み、「やってみよう!」とその気になるかと思います。

しかし、その対策は、あなたの毎日にとって非現実的ではありませんか?
そもそも、寝る3時間前にはテレビ・パソコン・スマホを排除し、ゆっくりホットミルクを飲めるような、ゆったりとした生活ができるなら、不眠とは無関係ではないでしょうか。

眠れない要因は、ひとつではない

「効果がある」という断片的な情報に飛びついても、本質的な部分の解決にはなりません。

寝る前にホットミルクで身体を温めることを、否定はしません。しかし、不眠の原因が「冷え」だけとは限りませんよね。

他にも、カフェインはNGなのでコーヒーを飲まない、寝る直前に熱いお風呂に入らない、運動をして適度に疲れておくなどの対策を取っている方もいると思います。

これらの情報ですが、決して間違ってはいません。やってみて損はないでしょう。
ただし、「忙しいビジネスパーソンがぐっすり眠るためには」というネット上の情報は、どうしても画一的になりがちです。

それらの情報をうのみにして、手当たり次第に取り組んだとしても、残念ながら根本解決ができるとはいえません。

当てはまる!と思い込んでしまう「心の罠」

ネットで「カフェイン」「冷え」などが睡眠に良くない、と見ると、人はついつい「自分に当てはまっている」と思い込みがちです。
しかしその情報ひとつひとつには、当てはまる人も、そうではない人もいます。

気を付けて欲しいのは、情報をゼロイチでとらえてしまうこと。

「カフェインが良くない」と聞いたら、「何が何でも良くない!」と決めつけてしまい、コーヒーを飲んでもぐっすり眠れる人にも、「良くないですよ」と忠告したくなってしまう。

そのように、単眼的になってしまっては、よくありません。その結果、「あれもこれもしたのに、眠れるようにならない!」と、ますます自分を追い詰めてしまうことになるからです。

現代社会は、ネット情報社会ともいわれ、色々な情報を簡単に得ることができます。健康法にしても然り、病気にならないようにする方法も然りです。

ただし、全ての人に当てはまる健康法はないといっていいでしょう。ある人にはとても効果的な方法が、他の人にとっては全く効果がないということもあります。

ただ、マス・メディアやネット情報で、「この方法はある人には当てはまりますが、他の人には当てはまりません」などと書いても、全く説得力のない文章になってしまいます。だから不特定多数に発信された情報というのはどうしても画一的になってしまうのですね。

ですから、その情報が自分に当てはまるのかどうかを見極める力が必要なのです。

心のざわつきがおさまれば、睡眠の質は上がる

もしあなたが本気で不眠の要素を減らしたいのなら、カフェインよりも「心の問題」に注目すべきです。

眠りに限らず、人の病気や症状というものは、いくつもの要素が絡まり合い、人によって違った反応を起こします。

まずはそれらの要素をチェックし、思い当たったものから排除する。
この段階が、「寝る前にスマホを見ない、ブルーライトをカットする」ということですね。

しかし、それで眠れるようになるほど、人間の体は単純ではないでしょう。しばらく取り組んでみても改善が見込めないなら、やはり精神的なことが要因となっている可能性が高いです。

その場合は、自分の内面を見つめることが必要です。そこに立ち戻らないと、根本解決はできないからです。

ストレスは無意識の領域にある

眠れない、の原因をおおざっぱにまとめると、「脳の疲れ」ということになるでしょう。

脳を疲れさせる一番の要因は、心のストレスです。
眠ることによってネガティブなことから離れ、脳内をリセットできるはずなのに、あれやこれやとイヤなことを思い浮かべたり、今考えても仕方ないことなのに心から離れないようなストレスは、睡眠以前に人生を削り取ってしまいます。

その場合、病院へ行って睡眠剤を処方してもらうという手もありますし、脳の興奮をおさえるサプリなども存在します。

それらを試すのは、悪いことではありません。しかし飲まないと眠れないほどに依存してしまったり、根本のストレスから目を背けて薬に頼るのは良くないですね。

要因をつぶし、並行して根本解決を

睡眠剤は、寝る時間の脳を休め、翌日への活力をチャージするためのあくまで一時的なツールです。

ストレスの元を断ち切るのには、エネルギーを必要としますよね。
たとえば旦那さんのことで悩んでいる、仕事の人間関係が頭から離れない…
それらのストレスに対処し、その状況から離れる・解決するための行動は、元気でなくてはできません。また、それらはあくまで「眠れたあと」の次のステップですし、どう解決するかは各自の判断です。

だからこそ、まずは、冷え、カフェイン、お風呂、ブルーライトなど、「不眠の要因と思われるもの」をひとつひとつつぶしていく。そして、「これで万全」とは思わず、脳をざわつかせている原因を、解決していくことが必要です。

一番大切なのは、安易な情報に踊らされず、自分の不眠の原因を探ることです。

あなたが眠れなくて悩んでいるのなら、生活を見つめ直したうえで、ご自身の「心」にも向き合ってみてはいかがでしょうか。

まとめ

たとえば、寝る間もないほどの仕事に追われ、ストレスフルな毎日を送っていても、その仕事が終わったら休みが取れてぐっすり眠れるのであれば、その不眠は一時的なものですね。そう心配することはありません。
問題なのは、心の問題から目を背けてしまうことです。不眠は、心からのSOSでもあるのです。

監修医師/小西康弘(医療法人全人会理事長)

2013年に小西統合医療内科を開院。2018年9月より医療法人全人会を設立。分子栄養学や機能性医学の最先端の知識に基づき、私たちの体が本来持っている「自己治癒力」を高める医療を提供。
豊富な臨床経験に基づいた有益な情報を発信中。

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