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うつ病に気付けないのはなぜ? 前兆を放置せず、「助けて」といえることが大切


うつ病にかかってしまう方が増えています。
しかし、「なってから」の情報はたくさん溢れていますが、「なる前のこと」はあまり語られていません。
うつ病だって、風邪と同じく、「かからないようにする」ことと、「初期症状が出たら、早めに対処する」ことが大切。今回は、うつ病のサインと、早期発見の大切さをお話します。

重くなってからうつ病は

うつ病は、手術や入院で治せるものではありません。
また、回復までに長い時間がかかるのも特徴のひとつです。

そんなつらい病気にもかかわらず、苦しんでいる方が多いのには、
「初期で気付けず、仕事に行けないような重い状態になるまで放置していた」
「まさか自分が…という否定の気持ちから、正しい対処をしていなかった」
という理由があります。

では、どうしてうつ病は初期で発見しにくいのでしょうか?

過小評価しがちな小さなストレス

うつ病の人は、自分では気が付かなかったにしても、何らかのストレスにさらされていたはずです。

それは、人間関係や金銭問題などの分かりやすいストレスから、幼少時代に受けた心の傷、また災害や家族の死などの避けられない出来事まで、多様です。

この「大小さまざまなストレス」というのがくせ者で、たとえば「食欲不振」「朝にやる気が出ない」という、うつ病のよくある初期症状が出ていても

「この食欲不振は、きっと疲れているからだし、そのうち治るだろう」
「ああ…上司に叱られるのイヤだなあ…会社に行く元気がないけれど、上司のせいだな」

と、自分にかかっているストレスを過小評価してしまいがち。

そして、たとえ誰かに
「最近全然食べていないし、とってもつらそう。もしかして、うつ病じゃない?」
と忠告されていたとしても、

「イヤな上司がいてね…ちょっと胃が痛いだけ!人事異動でいなくなるのを待つわ」
と聞き流すでしょうし、

そもそもその程度の前兆で
「うつ病の可能性があるので、休みます」
などとはいえない、という現状もあるでしょう。

そのような「食欲不振や朝のやる気のなさ」を、うつ病になってからはじめて
「ああ、ちゃんと前兆が出ていたんだな…」と思い出すも、なってしまっては仕方ありません。

しかしうつ病はすぐには治りません。早い方で3か月、長期戦になると年単位での戦いになります。そうなったら一度仕事や学校から離れることになりますし、自分自身への大きなダメージも受けてしまうことになります。

うつ病によくある症状は?

うつ病の症状には、以下のようなものがあります。

  • 早朝に目が覚めてしまい、その後、二度寝ができなくなる
  • 午前中にだるさを感じ、何もやる気が出ない
  • 集中力が欠け、前と同じことをしていても、すぐに疲れを感じるようになる
  • 午後、夕方から少し元気が出てくる
  • 人と会うこと、話すことが面倒に感じてくる
  • 憂うつな気分が続き、自分で気持ちをコントロールできなくなる
  • 食欲、性欲も減退し、気力がなくなる
  • お風呂に入るのが面倒になる、シャワーですらおっくうに感じる
  • 寝付きが悪くなる、また夜中に目が覚めてしまう

どうでしょう。ストレスにさらされて生活をしている方には、当たり前になっている症状もあるのではないでしょうか。

しかし、はじめは「えっ、これが?」と思うようなささいな不調かも知れませんが、上記のような症状が2週間以上続くと、うつ病にかかっている可能性があるとされています。

ガマンが当たり前になっていませんか?

たいていの方は、うつ病の初期症状があっても、ガマンをします。
それくらいで…という考え方の社会で生きているからです。

そして、ドリンク剤を飲む・とにかく寝るなどの方法で乗り切ろうとします。しかし、もしうつ病にかかっていたのなら、「ゆっくり寝たから元気になった!」とはなりませんし、そもそも熟睡はできません。

休日に「ストレス解消をしよう」と何かに取り組んでも、今までは楽しかった趣味にも興味が持てなくなっていますし、出かけること自体が面倒になっているはずです。

その段階で「ちょっとおかしいな」と、自力でメンタルクリニックにでも行けた方は、まだ早いうちの処置ができるでしょう。

しかし、うつ病は、判断力すら奪ってしまう病気です。自分で自分の状態を正しく認識などできませんし、
元気なときならすぐにできる病院の予約なども、面倒になってしまうため、ズブズブと悪化への道をたどってしまうのです。

うつ病の増加理由には、社会的側面と、属人的側面がある

うつ病は、気のせいや精神的なものではなく、いわゆる「脳のエネルギーが欠乏した状態」です。

私たちの脳は、多くの情報を処理し、心身を健康に保つためのバランスを取っていますが、セロトニンやノルアドレナリンなどの脳内に必要な物質が不足し、そのバランスが崩れてしまうのです。

現在、うつ病のメカニズムは、だいぶ解明されてきていますし、多くの経験者の声から、「こうした方がいい」「これが有効」という情報も得ることができます。

うつ病が増えている背景には、ストレスを受ける環境が増えている、という社会的な面と、「自分の身体からのSOSに気が付けない、対策が遅れている」という属人的な面があるのではないでしょうか。

もしかして、と思ったら

とはいえ、腹痛や頭痛、単なる気分の落ち込みをすべて「うつ病の前兆かも」と思っていては、身が持ちませんよね。

そこでまずは、その症状が単発的なものなのかを、見定めましょう!

・原因のはっきりしている身体の不調、一過性の病気は、しっかり治す
・原因不明の不調が長引いているなら、ストレスなど心の問題が関連している可能性を考える
・ストレスの原因を取り除く、誰かの手を借りる、相談する

ためらわずに、これらのことをしておく必要があります。

気分の落ち込みも、同様です。

・原因がはっきりしており、数日でポジティブさが取り戻せるなら、問題なし
・いつまでもネガティブなことばかり考え、気分が晴れないなら要注意
・自分に価値がない、何もうまくいかない、などと考え始めたら、専門家に相談する

特に「自分で動くのが、異常に面倒」と感じ始めているなら、要注意。
「病院に連れて行って」
「できないことを手伝って」と、
信頼できる人に助けを求めることで、ダメージを少しでも回避することができます。

重度になってから苦しむことのないように、少しでも早く自分の「つらさ」に気が付いてあげてくださいね。

まとめ

うつ病は、「何月何日、発症を確認!」という性質の病気ではありません。
気が付かないうちに、脳を委縮させ、エネルギーを奪っていきます。

「自分の心の状態が悪い」と自覚したときには、すでにうつ病にかかっている可能性もあります。
そこまでいく前に、心身からのサインを無視せず、元気なうちに小さな要因を取り除いていくことが大切なのです。

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