抗酸化・酸素

老化の敵・活性酸素を「抗酸化力」で防ぐ方法


老化は誰にでも訪れるものですが、年齢を重ねるごとに外見が変化したり、体力が落ちたりすると、「このままでいいのかな」「少しでも食い止められないかな」と感じるものですよね。
人の身体の老化現象には、抗酸化力が関係しています。そこで今回は、老化の悩みに対抗するための「抗酸化力」について、医師にとことん聞いてみました。

抗酸化力ってなに?

実は、「老化」の根本的な原因はいまだによく分かっていません。しかし、私たちの身体を構成する細胞が衰えて正常に働かなくなることで、身体の機能が低下して老化現象を引き起こす、ということは分かっています。
細胞の衰えの原因には、酸化・糖化、紫外線や栄養不足があげられます。

なかでも細胞の酸化は「身体のサビ」ともいわれ、シミやしわなどの肌の衰えや毛髪・歯の老化を進め、体内のいたるところの機能を低下させます。さらに細胞の酸化は、老化だけではなく病気を引きこす原因にもなっています。
この「細胞の酸化」を防ぐのが、抗酸化力なのです。

抗酸化力と活性酸素

抗酸化力を高めるためには、活性酸素のことを知らなくてはなりません。

活性酸素について

活性酸素とは、「電子を失って不安定な形になった酸素分子」のことです。
一部の酸素は、自分自身の電子が欠乏状態になると、周りの物質から電子を奪おうとします。この電子を奪われることを「酸化反応」といいます。
酸化して生まれた活性酸素は、私たちの体から電子を奪い、私たちの体を酸化させるのです。そしてこの酸化反応が、さまざまな病気の原因になることが分かっています。
活性酸素は、体内に入ってきた病原菌と戦ってくれるなど、プラスの働きも持っています。しかし酸素分子のバランスが崩れると、細胞を酸化させるというマイナスの動きをしてしまうのです。

活性酸素が増えるとどうなるか

活性酸素は、とても不安定な構造をしています。
そして、身体の中で絶えずつくられています。
活性酸素が増えることのデメリットは、見た目の老化だけではありません。
たとえば、活性酸素は以下のような病気の原因にもなっています。

  • がん細胞が増殖する
  • 脳梗塞・心筋梗塞の原因となる動脈硬化を引き起こす
  • 糖尿病、脂質異常症になりやすくなる
  • パーキンソン病、認知症の可能性が上がる

活性酸素が増加すると、身体のいろいろなところで「炎症」が起こり、それがさまざまな病気を誘発します。
そのため、活性酸素の発生をコントロールするものは病気を制するといっても、過言ではないのです。

活性酸素は「ミトコンドリアの機能低下」によってつくられる

活性酸素が身体に悪影響を及ぼすことはよく知られていますが、活性酸素が増えてしまう原因に「ミトコンドリア機能の低下」があることは、まだあまり知られていません。
ミトコンドリアとは、細胞の中にある小器官のひとつのこと。
細胞全体の10~20%を占めており、身体を機能させるためにさまざまな役割を果たす、「細胞内の心臓部」にあたる器官です。
ミトコンドリアは、血液中のブドウ糖や脂肪酸、アミノ酸などを燃やすことで細胞を動かすためのエネルギーをつくるのですが、そのときに酸素を必要とします。
実は、この過程で発生するのが「活性酸素」。
活性酸素は、ミトコンドリアが原料を燃やすときに出た「燃えかす」ともいえるのです。
この「燃えかす」は、ミトコンドリア機能が低下していると通常より多く作られてしまいます。そのため、「活性酸素を減らし、抗酸化力を高めよう」と考えるときには、まずはミトコンドリアの機能を高めることが大切なのです。

抗酸化力を高める生活のポイント

私たちの体内では、活性酸素を防ぐ物質もつくられています。それは抗酸化物質(スカベンジャー)とよばれるもので、この物質の働きのことを「抗酸化力」とよぶのです。
抗酸化物質は、活性酸素に積極的に電子を与え、自らは酸化されます。活性酸素は、抗酸化物質から電子をもらうことで、それ以外の私たちの体を酸化する力がなくなってしまうというわけです。
大切なのは、身体にまかせっきりにせず、抗酸化物質の働きを助ける生活習慣を持つこと。それでは、活性酸素を減らし、老化を防ぐには、何ができるのでしょうか。

抗酸化力を高める食材を食べる

実は、私たちの身体の中では、これらの抗酸化物質が「電子のバケツリレー」を行なっています。
活性酸素に電子を奪われた抗酸化物質Aは、別の抗酸化物質Bから電子をもらい受け、再び復活して、活性酸素に電子を分け与えます。抗酸化物質Bはまた別の抗酸化物質Cから電子をもらい受け…というように、電子をお互いに譲っていくことで、どんどんと活性酸素に電子をバケツリレーで与え続けるのです。
最終的には、私たちは「電子」を食べ物から取り入れています。つまり、電子をたくさん含んだ食材をしっかりと摂ることで、体の活性酸素が少ない状態を維持できるのです。
「電子」をたくさん含んでいる食材とは、抗酸化力の高い食材ということです。
食生活に気を配り、抗酸化力を高いものを食べることも効果的です。特に野菜や果物に含まれる色素や辛味、香りなどの成分は抗酸化力が高く、活性酸素を取りのぞくだけではなく身体の免疫力も高めてくれます。

抗酸化力の高い野菜

【トマト】

トマトに豊富に含まれるリコピンには、強い抗酸化力と美白効果があります。

【パプリカ】

パプリカは、色によって効果に違いがあります。
黄色のパプリカ…ビタミンCとルテインが含まれ、美白効果が期待できます。
オレンジのパプリカ…ビタミンC、ビタミンE、β-カロテンが含まれます。
赤いパプリカ…β-カロテンより抗酸化力が高いカプサイシンが含まれます。

【にんじん】

抗酸化成分であるβ-カロテンやα-カロテンが多く含まれています。食物繊維も豊富です。

【ブロッコリー】

ビタミン類だけではなく鉄やクロムなどのミネラル類も豊富に含み、抗酸化効果が高いことで知られています。またブロッコリースプラウト(ブロッコリーの新芽)には、スルフォラファンという成分が含まれ、ブロッコリーの20倍以上の抗酸化力があります。

見て分かるように、色の濃い野菜には、抗酸化機能が多く含まれています。
抗酸化力を高めるためには、以下の食材もおすすめです。

【緑茶】

カテキンが含まれ、強力な抗酸化作用と美肌効果が期待できます。

【ゴマ】

ポリフェノールの一種であるセサミンが含まれるなど、栄養が豊富です。黒胡麻にはセレン、アントシアニンなどの有効な成分も含まれています。

【鮭】

強い抗酸化作用を持つアスタキサンチンや、老化防止作用のあるコエンザイムQ10を含んでいます

【ショウガ】

辛み成分に抗酸化作用があり、生のまま食べるよりも粉末の方が抗酸化力は高まります。

生活習慣を変えて身体の酸化を食い止める

いくら抗酸化力を高めても、活性酸素を増やすような生活を送っていては、なかなか老化防止にはつながりません。活性酸素を増やす行動を控え、これ以上の身体の酸化を食い止めましょう。

【タバコを控える】

タバコを吸うと、ニコチンなどの多量の有害物質が体内に入り込み、それを攻撃するために多量の活性酸素が生まれてしまいます。

【アルコールは適量にする】

活性酸素は、肝臓がアルコールを分解するときにも発生します。

【紫外線を浴びすぎない】

紫外線を浴びると、活性酸素が発生します。この活性酸素はメラニン色素をつくり出し、日焼けだけではなくシミやしわなどの肌の老化の原因となります。

【ストレスの少ない生活を送る】

ストレスを受けると、その刺激で血液の流れが悪くなり、元に戻るときに活性酸素が発生します。これが繰り返されることで、細胞の酸化が進んでしまいます。

運動は、軽いものを継続的に

運動も、身体の抗酸化力を高めます。しかし、注意して欲しいのは「強すぎる運動はかえって活性酸素をつくり出す」ということ。
激しい運動で息が切れると、呼吸の量が増えて活性酸素の発生を促します。
そのため、軽いウォーキングやプールでの水中歩行など、少し息が上がる程度の運動を定期的に継続することが効果的です。

まとめ

老化を防ぐには、抗酸化力を高めて、体内の活性酸素を減らすことが大切だと分かりました。それには、ミトコンドリアの機能を高めるなど、細胞単位の変化が必要です。
難しいことのように感じますが、生活習慣や心構えで防止策を取ることは可能です。いつまでもイキイキと、美しくあるために、抗酸化について考えてみてはいかがでしょうか。

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