ストレス・疲労

慢性的なストレスに注意! ストレス反応は身体からの「逃げよう」のアラーム

STRESS
ストレスは、単なる心の現象ではなく、身体にも影響を及ぼすことはよく知られています。
しかしそれを「悪いこと」と決めつけるのは、待ってください。ストレスからくるその不調は、私たちをストレッサーから引き離すための「守りのアラーム」かも知れません。

今回は、ストレスと身体の関係についてじっくりご説明します。せっかく身体が「危険ですよ」と教えてくれているのですから、できる限りの対処をしてみることをおすすめします。

ストレスには「役に立つ」こともある

心と身体は、私たちが思う以上に密接です。

こんな経験はありませんか?

「失恋をした。食欲がまったくなくなって、体重が一気に5キロ減ってしまった」
「面接試験の日に、緊張のあまり電車の中でおなかが痛くなった」

心や感情で受けたことが、身体にまっすぐに反応するのは、人間として当然の機能です。
強いストレスがかかると、身体は急なストレスに必死に対応しようとします。そのとき、内臓へ使っていたパワーもいったん「ストレスへの救急部隊」へ回されるため、急に気分が悪くなったりおなかが痛くなったりするのです。

では、どうしてそのような機能が備わっているのでしょうか。
それは、ストレスを感じたとき、危険から私たちを守るためにほかなりません。

身体の異変は、「逃げよう!」のサイン

失恋のつらさや緊張は、まだ自分で対応ができますが、学校でのいじめ、上司からのパワハラなど、外敵から受けるストレスの場合はどうでしょうか。

自分の気の持ち方や、努力では、どうしようもできないこともあります。
しかし、もし身体に異変が出なければ、いつまでも逃げ出すことができず、最悪の状態になるまでその場に居続けてしまう可能性もあるでしょう。

「いじめがイヤで、毎朝吐いてしまい、学校に行けない」「職場のストレスで、うつ病になり、働けなくなったしまった」ということがあれば、それはあなたの身体が、ストレスの発生源からあなたを引き離そうと、必死に戦ってくれた証拠でもあるのです。

嬉しいストレスからも、不調は起きる

ストレスは、嬉しいときにも発生します。
たとえば結婚や就職など、新しい生活の始まり。気分が上がっている最中は気が付きにくいのですが、ふと我に返ると、急にぐったりしてしまったり、やる気がなくなってしまった…という経験をお持ちの方もいるのではないでしょうか。

5月病など、春のバタバタのあとに「ふっ」と糸が切れてしまうのも、ストレスに関係しています。

しかし、それも、私たちが環境に慣れるまで無理をしないよう、身体が勝手に調節をしてくれている証拠です。ストレスからくる不調は、私たちがバランスを取って生きていけるよう、ときどき鳴るアラームのようなものなのです。

ストレッサーとストレスホルモン

ストレスを抱える女性

ストレスを与える人・もの・ことを「ストレッサー」といいます。
そして、その結果、身体に出る反応を「ストレス反応」といいます。

ストレッサーに出会ったときは、まっさきに「脳」が反応します。

上司に嫌味をいわれたり、苦手な人と一緒のエレベーターに乗ってしまったときは、「アッ!イヤだ」と、脳が拒否反応を起こしますよね。

そのとき、脳からは「ストレスホルモン」が分泌されます。
人間は毎日、多少のストレスを受けながら生きていますから、ある程度の分泌は当然です。しかし、いつもストレスを感じながら、耐えて生活をしていると、ストレスホルモンの分泌が止まらなくなってしまうのです。

ストレスホルモンが過剰になるとどうなるのでしょう。
たとえば集中力が持たなくなる、またもの覚えが悪くなるなどの影響が出始めます。ストレスが溜まると、頭がぼーっとして何も考えられなくなったこと、ありませんか?それは、ストレスホルモンが過剰に分泌されている状態です。

また、早く寝なくちゃいけないのに、頭の中にストレッサーのことが浮かんできて眠れないのも、ストレスホルモンの影響の可能性があります。

慢性的ストレスに注意

急にいじめっ子に出会って、一瞬だけ動悸が激しくなった!
という、一時的なストレス反応は、現場から安全なところへ逃げることでいったんは落ち着きます。

しかし、逃げることのできない日常的なストレスはどうでしょうか。

身体にとっては、日常的なストレスの方が問題です。じわじわと溜まるストレスは、身体の免疫力を大きく落とし、病気にかかりやすい状態をつくってしまいます。

正しいダイエットをしているのに、効果が出ない
お酒を飲まないのに、肝臓の数値が高い
職場環境が変わったら、血圧が高くなってきた

上記のようなことが日常的に起きているなら、ストレスによって身体の土台のバランスが崩れている可能性があります。

ストレス環境からは、逃げてもいい

身体からの「アラーム」に気が付けたら、ストレスを生む環境から逃げる・離れることも大切です

「そんなことはムリ!」と思うなら、せめて、その環境に長居しないようにしましょう。学校や仕事は難しいかも知れませんが、サークルやママ友の集まり、満員電車、気の乗らないメンバーとの会食などは、できるだけ回数を減らしてみてください。

本当にストレスにとらわれてしまっている時期は、逃げることすらできなくなってしまいます。しかし、まだ逃げられるなら、今がラストチャンスかも知れません。思いつめずに、自分をストレスのかかる環境から逃がしてあげましょう。

まとめ

自分の体は自分自身でしか守ることができません。せっかく身体が「ストレッサーから逃げろ」とアラームを鳴らしてくれているのなら、ちょっと向き合ってみませんか?

ストレスで身体を壊すことほど、人生においてもったいないことはありません。自分の心身からの声に耳を傾け、気持ちよく生きられる環境においてあげることも、予防医学の一環ではないでしょうか。

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