ストレス・疲労

痛みや不調の放置はQOLを下げてしまう? 「病名」にこだわらず、「原因」を見つけよう

疲れた男性

慢性的な体調不良に悩まされている方は多いと思います。
なんとか改善しようと、大きな病院で検査をしてみたり、専門医を訪ねていくこともあるでしょう。
そのとき、自分の状態をはっきりさせようと、「病名の診断」を求めてしまってはいませんか?
それは悪いことではありません。病名がはっきりしたら、対策法が分かるからです。しかしなかなか病名のつかない慢性的な不調では、病名よりも「原因」にフォーカスした方がよいケースがあります。

原因が分からないと、不安だけが増してしまうのが人間

おなかが痛いとき、「さっき食べた生焼けのお肉が原因だ!」「これは生理痛だ!」と、自分でハッキリ原因がわかっていれば、対処ができますよね。

それらの、身体なりの正しい反応には、
「数時間つらいけど、出してしまったら治るだろう」「おなかを温めて寝ておこう」という、シンプルな対策を取り、よほど悪化しない限り自分で何とか乗り越えられます。

しかし、原因不明の頭痛の場合はどうでしょうか?

「そういえば少し寝不足かも?」
「昨日、お酒を飲み過ぎた?いや、でもそんなに大量ではなかったぞ」
「低気圧のせいかしら…?」

など、さまざまな理由を付けて自分を納得させ、痛みを軽減するためにとりあえず鎮痛剤を飲む…という対処療法でごまかしているのではないでしょうか。

原因不明の「不調」は、痛みなどの肉体的苦痛に加え、心理的な不安をともないます。

ましてや原因不明の頭痛の場合、脳梗塞やくも膜下出血など、大きな病気につながっている可能性も捨てきれません。
また、いつ治るか見通しが立たない場合、「明日の大切な仕事は?」「来週の旅行は大丈夫?」と、生活自体に支障が出てしまいます。

「原因が分からない」という不安は、QOL(クオリティ オブ ライフ)を一気に下げてしまうのです。

QOLってなに?

QOL(クオリティ オブ ライフ)とは、「生命の質・生活の質」などと訳される、身体の苦痛の軽減・社会的精神的活動における総合的な活力、生きがいや満足度という意味合いで使われる言葉です。

むずかしく聞こえますが、たとえば「花粉症で鼻水が止まらない!頭もぼーっとして、営業活動にも気合が入らない…」という日常的な状況も、「QOLが下がっている」状態といえます。

「ぎっくり腰で、ちょっとクシャミするときも不安に感じる」
「のどが弱くて、しょっちゅう気管支炎にかかっては病院へ行っている」
という、命にはかかわらないことであっても、生活の質はずいぶん下がりますよね。

またガンなどの大きな病気の治療においては、病気の進行にともなう食欲不振や痛み、抗ガン剤による吐き気や脱毛など、その人の人生の質を下げてしまう副作用に対し、「苦痛を減らし、いかに自分らしく生きるか」という点に着目することも、QOLの向上とされています。

原因が分からないという苦痛

痛みや不調の原因が分からない…というところに話を戻しましょう。

「いや、昨日食べたお肉にあたっちゃって、1晩中トイレにいたよ。今日はもう元気だけどね!」
「先月は花粉で大変だったけど、シーズンが終わったから大丈夫!」

すべての病気が、このような「身体が異物を排出するときの、一時的な痛み・不快感」で済むなら、QOLの低下はある程度受け入れ、やり過ごすことができるでしょう。

しかし、何が原因か分からない不調は、精神的なダメージを蓄積させます。

「最近、めまいがひどくて…原因は分からないけど、鉄分を摂った方がいいような気がする」
と、たいして好きでもないホウレン草ばかり食べて、栄養が偏ってしまい、めまいのせいでレジャーや仕事に思いっきり打ち込めない日々が続くのだとしたら、それはかなりQOLが下がっている状態です。

病名が診断されたら、気は楽になるけれど…

働く女性

しかし、自律神経バランスの崩れなどの理由で起きる、原因不明の「不定愁訴」などでは、病院へ行っても「ストレスですね、ゆっくり休んでください」といわれるだけで、具体的な病名が分からないことが多くあります。

それはある程度仕方がありません。
症状に対しての治療が中心となる西洋医学では、血液検査のデータやウイルス検査でハッキリ原因が分かるような病気以外には、なかなか対応できないからです。

そこで気を付けたいのは、「病名」にこだわってしまうこと。

慢性的な不調を抱えていると、「あなたは〇〇という病気です」と症状に名前を付くと、安心するのは当然です。しかしよくあるのが、そこでホッとしてしまい、投薬治療などに頼り切ってしまうケースです。その病気に至った原因にフタをして、「〇〇病である私」に寄りかかってしまえたら、精神的に楽だからです。

病名がつかない症状にも、原因はある

西洋医学の「病気カテゴリ」にはないけれど、自分では見えていない原因によって、実際に症状があらわれる…ということは、よくあります。

そして、どこへ行っても、はっきり病名が分からない…という方は、ドクターショッピングを繰り返しがちになってしまいます。

しかし「病名」だけにこだわらず、自分のQOLを下げている「原因」にフォーカスし、その原因への対処に並走してくれる医師・専門家を探すことにも目を向けてみましょう。

自分の気が付かないところに、思わぬ原因が潜んでいる可能性もあります。
たとえば、精神的なストレスや、自分ではよかれと思ってやっている健康習慣、気が付いていないアレルギーなどによって起きている不調かも知れません。

「病気」のカテゴリには入らない不調も、「原因」が分かると、改善の手立てが見えてきます。

未来には、「あなたの不調の原因であるストレスは、家庭内のことで25%、職場の人間関係で75%です。内訳として隣の課の〇〇さんとのことが大半を占め、それが頭痛の主原因ですから、まずはその関係改善に注力しましょう」などという診断が、カンタンにできるようになったらいいですね!

まとめ

すべての人のQOLを下げないようにすることも、予防医学の一環です。
そのためには、突発的なケガなど、仕方がないケース以外で健康を損なわないよう、その人にとっての「不調の原因」にていねいに向き合っていくことが大切です。
慢性的な不調を放置せず、QOL向上にむけたアクションが取れるといいですね。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • follow us in feedly

関連記事

  1. サプリメントの安全性は? 買うときにチェックしたい、GPM認定工…
  2. 腫瘍マーカーでガンは見つかる? 検査を受けるメリット・デメリット…
  3. 胃ガン・肺ガン・すい臓ガン… 「白い巨塔」から見る、ガン治療の進…
  4. リスクファクターを取り除く! 健康診断の必要性と注意点
  5. LDL数値が高いだけでは動脈硬化にならない? コレステロールと活…
  6. 日本人の平均寿命が延びた5つの理由と、健康寿命とバランスを取るこ…
  7. 医薬品の「第1類」「第2類」とかって、なに? ドラッグストアで薬…
  8. アトピーは清潔にし過ぎが原因? 除菌アイテムと化学物質のリスクに…

特集記事

なぜ腸内環境が悪化すると肌が荒れる?原因と改善策を知ろう!

男女問わず、肌荒れやニキビに悩んでいる方は多いですね。また単なる肌荒れではなく、慢性的なアトピー性皮…

医師監修記事

  1. 子供
PAGE TOP