食事

【医師に聞く】 添加物と化学物質から見る生活の安全と、共存方法

スプーンと錠剤

食品添加物や化学物質が身体によくないのは、広く知られている事実。

便利さにつられて、化学製品をたっぷり使用するような生活は考えものです。逆に、あらゆる人工的な物質を敵視し、身体に悪いと思い込むのも極端な考え方ですよね。

それでは、この便利な世の中を生きる私たちが、添加物や化学物質とうまく「共存」するためにはどうしたらいいのでしょうか。医師にしっかりとアドバイスしてもらいました。

除菌のし過ぎはムダ

ドラッグストアに行くと、店内の空気自体が化学薬品の匂いになっているほどに、たくさんの化学的な製品が販売されています。

これらは私たち人間の研究の結果でもあり、生活を便利にするための必要アイテムでもあるのですが、ときに「いき過ぎ」を感じることはないでしょうか。

たとえばキッチンや部屋の除菌ができる製品がありますが、除菌しないと子どもに悪い菌が付着する…と、とにかくシュッシュと吹くような生活は異常です。

まず私たちの周りには、目に見えない無数の菌が存在しており、通常の生活では「共存状態」にあります。そのため自分の周りだけを除菌することに、まったく意味はありません。

逆に、除菌製品にはふんだんに化学物質が入っています。
それを浴びたり吸い込んだりする方が、余程危険なことを知っておきましょう。

これは、除菌製品に限りません。食べ物にも同様のことが起きています。「アレを食べたら危ない」「これを食べたら身体に悪い」と、完全に恐怖心を植え付けられているのです。

しかし、本当の危険性とは、「何を食べたら危険か・安全か」を単眼的に考えてしまうこと自体にあります。
0か100か、ではなく、環境面でも身体面でも、バランスを取って生きることが大切です。

添加物の安全性は変化する

日本で使用されている食品添加物は、一応「ここまでの使用はOK」という国が定めたガイドラインを基準として添加されています。しかし、何をもって「大丈夫」なのか、分かりにくいのが現状です。そこには政治的要因も関わってきますし、国によって基準も違います。

また、実験で「安全性が確認された」とはいっても、その安全がどれくらいのものなのか、長期的にどうかというのは、分かっていません。

たとえば実験で「これはOK」となった農薬があっても、その食材に使われているのは農薬だけではありません。そう考えると、ひとつの添加物の安全基準というのは、あくまで単品使用した、今の時点での目安でしかないのです。他の添加物が加わることにより、予想しなかったような副作用が出てこないとも限りません。

もちろん将来的には、今は安全とされている物質に発ガン性があった…などの理由が発見され、使用が見直されることもあるでしょう。

「やっぱりダメだった」なんてことは、過去の歴史を見たらいくらでも存在します。人間は過ちをおかす動物ですから。

牛乳を飲んで育った人も、元気に生きている

最近では、牛乳が子どもの身体にはよくない…との理由で、学校給食から遠ざけられる風潮があるようです。

確かに牛乳にはメリットだけではなくデメリットもあります。しかし、たくさん飲んで育った世代が、バタバタ死んでいるでしょうか。毎日牛乳を飲んでも、元気に大人になった人がほとんどではないでしょうか。

現代のネット社会では、ネット情報を無批判的に信じ込み、考え方に偏りが出てしまうと、まるで「飲んだらすぐ死ぬ」かのように思い込んでしまいかねません。そして、自分の頭で考えずに、そのまま信じてしまうと、思わぬところで社会的な弊害が生まれてしまう危険性もあります。

しかし、必要以上に過敏になってノイローゼになるくらいなら、多少牛乳を飲んだって元気にイキイキ生活をする方が有意義ではないでしょうか。

だから、「今」取りざたされている安全性も、過去・未来まで担保するものだと過信せず、生活の中で自分自身でバランスを取る必要があるのです。

安全は、便利さと引き換え。だからバランスが必要

共働きの家庭が増え、食習慣は昔とは大きく変化しました。

もちろん、自然からとれた食材を、余計なものを使わず料理して食べるのが一番いいに決まっています。しかし、現代社会でそのような生活はなかなかできません。残念ながら、添加物も合成保存料も完全に避けて暮らすことなど、不可能です。

だからこそ、空中に漂う菌同様、多少の添加物や合成保存料とも、うまくバランスを取って共存していく必要があるのです。

では、どうすればいいのでしょうか。
端的にいうと、添加物が入ってきても、それをガードする身体の方を強くすればよいのです。

解毒力を高めて、身体に不要なものをデトックスする

食事をする女性

人間の身体には元々、解毒機能が備わっています。毒となる成分が入って来たときに、なるべく体内に吸収せず、さっさと排出してしまう必要があるからです。

その中で一番大切なのは、グルタチオンという解毒酵素です。

グルタチオンは面白い酵素です。
解毒をしてくれるのと同時に、病気の元となる活性酸素も消去してくれるのです。

グルタチオンの働き

活性酸素とは、細胞をサビさせ、老化や病気の原因をつくる物質です。
活性酸素が増えると体内に炎症が起きるため、なるべく増やさないようにする必要があります。

そしてグルタチオンは、活性酸素や炎症を抑える抗酸化作用や抗炎症作用と同時に、有害物質を解毒する解毒作用をも持っている非常に強力な酵素なのです。

しかし、活性酸素が増えると、グルタチオンが活性酸素を消すためにフル動員されてしまいます。すると、解毒する方に力が回りません。そのため、解毒機能が落ち、ジャンクフードやお菓子などから摂った添加物や不要な物質をうまく体外に排出できなくなってしまうのです。

一番よくないのは、ストレスや喫煙、乱れた生活習慣などで活性酸素がどんどん増え、グルタチオンがその除去に使われ、添加物や化学性物質などの解毒にまで力が回らなくなってしまい、さらに体内毒素が増えてしまう…という悪循環です。

グルタチオンの含まれる食材

解毒機能を落とさないためには、グルタチオンの欠乏を防がなくてはなりません。

グルタチオンは、アボカドやクルミに多く含まれています。

また、ブロッコリー・カリフラワーやキャベツ、カブといったアブラナ科の野菜や、玉ねぎ、ラッキョウ、ニンニクなどにも多く入っているため、バランスの良い食生活をすることで、ある程度は補給できます。

また欠乏症であるとハッキリしている場合は、サプリメントを使って補うことも可能です。

化学物質が入る量を減らし生活のバランスを取る

解毒機能を高めるとともに、体内に入ってくる添加物・化学物質の量をなるべく減らすことも必要です。

たとえば、家庭で使う洗剤の一部を、重曹のような天然成分のものに変えたり、毎日の調味料を昔ながらの製法のものにしたり、ということは、すぐにでもできるのではないでしょうか。

生活の安全とは、「アレを食べちゃダメ」「これを使っちゃダメ」と、危険なものを避けることではありません。

世の中に出ている情報のほとんどは、何らかの利益を得るために存在しています。「抗菌作用」とか「除菌作用」を謳って商品を宣伝しているのは、恐怖心を持った消費者がその商品を買ってくれること期待しているのかもしれません。

ですから、コマーシャルやネットでの情報を、まるまる信じてはいけません。情報を見極め、自分の身体によい影響を与えるものにお金をかけるようにしましょう。

まとめ

完全に除去できない添加物や化学物質。うまく共存するためには、「入れる量を減らす」と同時に「入ったものを解毒する」機能を高めることが大切であると知りました。
また、目先の情報に捕らわれて、安全情報に過敏になりすぎるのも良くありません。食事も情報も、何より「バランス」が大切なのです。

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