基礎知識

腫瘍マーカーでガンは見つかる? 検査を受けるメリット・デメリット

フローリングと虫眼鏡

ガンは早期発見が第一!
しかし、どの部位のガンであっても、自覚症状が出るころには早期ではなく「進行した」状態であることがほとんどです。

そこで、しばらくの間積極的に使われていたのが「腫瘍マーカー」を測る方法です。
しかし最近では、メリットを超えるデメリットがあることから、ガンの早期発見には不向きだということになってきました。

腫瘍マーカーとは

ガンにかかると、タンパクや酵素の急激な増加やホルモン値の変化など、通常ではあらわれない変化が体内で起こります。
その目印となる物質を追跡することでガンの可能性を見つけ出し、治療の手がかりにできるのが、腫瘍マーカー。

たとえば、「CEA」という腫瘍マーカーは、大腸ガンでは進行するほど高値になり、低いほど治療で治る可能性が高いといわれています。

このように、どの腫瘍マーカーの数値が高いかでどの部位のガンにかかっているかを推測し、判断材料としているのです。

腫瘍マーカーのデメリット

腫瘍マーカーを測ることで、一定数のガンの発見は可能になります。

そう聞くと無条件に「いいもの」と思ってしまいがちですが、腫瘍マーカーのデメリットも知って利用しなくてはいけません。

デメリット① 早期発見のためには使えない

腫瘍マーカーの数値に異常が出るのは、ガンが体中に広がっている「進行ガン」のケースがほとんどです。

つまり腫瘍マーカーは、早期発見には役に立たないのです。

そのため、ガンの治療効果を測定したり、再発防止のための目安にすることは「アリ」でしょう。
しかし、早く発見して早く治そうという最近のガン予防の考え方には、あまり合致しないのです。

デメリット② 「偽陽性」「偽陰性」の結果が多い

腫瘍マーカーの結果は、絶対ではありません。
むしろ不確実なことが多いため、ガンかどうかを腫瘍マーカーだけで決めることはできません。

ガンではないのに、腫瘍マーカーが異常値を出すことを「偽陽性」といいます。このようなケースでは、何度精密検査を繰り返しても、ガンは発見されません。

ガンではないのはいいことなのですが、患者さんの不安は決して払拭されません。
そして、「どこかにガンがあるのでは…」と、疑心暗鬼になりながら生活をするはめになってしまいます。

この逆はもっと大変です。

本当はガンなのに、腫瘍マーカーが陰性(正常値)を示し、「ああ、よかった。ガンではない」と安心してそのまま放置をしてしまう…。その安心感から、健康診断や人間ドックをおろそかにして、気が付いたときには末期ガン、手の付けようがなくなっている…。

そのような恐ろしいケースも、実際に起こっているため、医療の現場では腫瘍マーカーを重要視する風潮は消えつつあります。

ガンが不安な人はどうしたらいいか

包みこむ手

腫瘍マーカーが流行した時期は、どの医療機関でも一般的に行われていました。しかし、メリットもあるものの、早期発見の観点からはデメリットが大きいため、最近は患者さんの自由意思で「やりたいと思ったら申し込む」というスタイルが主流になっています。

しかし、もしあなたが「ガンになるのはイヤだな、何か早期発見の手立てはないのかな」と思っているのであれば、なおのこと腫瘍マーカーはおすすめしません。

腫瘍マーカーは良性のガン細胞からまったく出ないわけではありませんし、数値が高くても、喫煙や生活習慣、加齢や糖尿病などに原因がある場合は、ガンとは関係がありません。

逆に低いからといって、ガンではないと言い切ることはできないという「あいまいな怖さ」があるのです。

不確実な判定は、実際にガンが見つかること以上に恐ろしいものです。
医師に「偽陽性です」といわれても、その数値に翻弄され何度も検査を繰り返したり、セカンドオピニオンを取りに走り回る人もいます。

部位ごとに診るしかない

たとえば、胃ガンの早期発見には胃カメラが最適です。かなりの高確率で、ガンか、そうではないかがハッキリ分かるからです。
また肺ガンを早期で見つけようと思ったら、CTスキャンを撮るしかありません。

このように、部位別に攻めてみて、はじめて具体的な結果にたどり着きます。

もちろん全身のCTスキャンでは、頭の先からつま先までをスライス上に撮影するため、全身の検査が可能です。
しかし、それでも見つかりにくいガンはあります。
だからこそ、CTスキャンで撮ったデータを元に、不安部位について徹底的に検査をするのです。

体内物質の変化だけでガンかどうかを見つけるには、不確定要素が大きいことを、イメージしていただけたでしょうか。

腫瘍マーカーは安易に受けなくてOK

もし、検診先の医院などで「腫瘍マーカーはどうされますか?」と聞かれたら、デメリットがあることを念頭に置いて検討しましょう。

「せっかくだから、やっておくか」程度の意識で受けることは、おすすめしません。
腫瘍マーカーはあくまで「参考」にすべきもので、ガンかどうかをハッキリさせるための数値ではないからです。

本気でガンの早期発見をしたいのならば、胃カメラを飲み、人間ドックでしっかり部位別に調べてもらう必要があります。

そして、画像診断や病理検査など、複数の検査と組み合わせ、本当にガンなのかを総合判断しなくてはいけません。
それを知った上で、的確なアドバイスをしてくれる医師にめぐり合うことができたらラッキーです。

安易に受けるのではなく、何のために・どの数値について調べたいのかを明確にしてから検討することが大切なのです。

まとめ

腫瘍マーカーはあくまで「参考」にすべきもので、ガンかどうかをハッキリさせるための数値ではないことが分かりました。もし腫瘍マーカーの数値に不安要素があるならば、本当に早期発見のためにも、専門の医療機関でしっかりと検査を受けましょう。
数値にヒヤヒヤおびえながら生活をしていると、治るガンも治らなくなってしまいますよ。

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